軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第45話 焦土の渦ダンジョンアタック

焦土の渦ダンジョンの制覇を目指す朝。天気は快晴だ。

リーザさんが作ってくれた朝ご飯を食べ、昼のお弁当をもらった。

今日は長丁場になるため焦土の渦ダンジョンまでは馬を使う、ボムズでも馬を見ててくれる職員が一人派遣された。

気合いを一つ入れ、焦土の渦ダンジョンに足を踏み入れた。

1〜3階層は既に来たことがある。

今日のミカはいつもより気合いが入っているのか剣捌きが冴え渡っていた。

特に問題無く4階層に降り立つ。

4階層のサラマンダーは一回りくらい大きくなっている。それでも【昇龍の剣】は問題なくサラマンダーの皮膚を貫いていく。

今日のミカは鬼神だ。

5階層のサラマンダーの炎は色が今までより赤くなっている。温度が上がっているのかな? ここでも蒼炎を使わずに【昇龍の剣】で大丈夫だった。

最終階層の6階層。サラマンダーの大きさは1.5メトルくらいになっている。螺旋状の炎の魔法も通常のサラマンダーの倍くらいの大きさだ。

蒼炎の魔法を使うべきかと思ったが、ミカがサラマンダーに走り出していた。華麗な体捌きで炎の魔法を避けて簡単にサラマンダーを討伐していく。

僕は唖然としてミカを見ていた。やっぱり今日のミカは鬼神だ。

6階層の奥まで来た。目の前にはボス部屋の扉。扉の向こうには3メトルほどの皇帝サラマンダーがいるはずだ。

ミカの障壁や硬化の魔法は金属性のため火魔法には弱い。

やはりここは蒼炎で遠距離からの先制攻撃だと思った。

気持ちを落ち着かせる。フォーメーションは僕の右前方にミカを配置した。左側は自分の盾で守る予定。

ミカと視線を交わす。ボス部屋の扉を開けた。

ボス部屋の扉を開けた瞬間に熱気が身体を襲ってきた。相当部屋の温度が高そうだ。中に入ると50メトル先に体長3メトルほどの大蜥蜴がいた。

皮膚は漆黒。纏っている炎は真紅で燃え盛っていた。これが皇帝サラマンダーか!

いつも通り先手必勝!

【焔の真理、全てを燃やし尽くす業火、蒼炎!】

【昇龍の杖】の先より30セチルほどの蒼炎が発射される。

皇帝サラマンダーの手前10メトル前で蒼炎は爆発した。

蒼から白、そして赤く変わる。一瞬何が起こったか理解出来なかった。

焦ってもう一度呪文を詠唱して蒼炎を発射する。

今度は皇帝サラマンダーの頭に当たった。蒼炎が当たった後にはいつも通りの白い灰と黒焦げが残っていた。

ミカが僕の顔を見て説明してくれた。

「最初の蒼炎は皇帝サラマンダーの炎の魔法と空中でぶつかっていたわ。私のところからは皇帝サラマンダーが火魔法を飛ばしたのが見えたから」

なるほど。蒼炎には貫通力が無い。当たったところで破裂するように有効範囲を灰にする。空中で皇帝サラマンダーの火魔法が当たったのなら納得だ。

皇帝サラマンダーだった白い灰と黒い物体をダンジョンが取り込む。その時ボス部屋の温度も下がった。相変わらずダンジョンは不思議だな。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

Bランク魔石を拾い。マジックバッグにしまった瞬間、ミカが大声をあげる。

「パンパカパーン!! それではメインイベントです!! そこの男性拍手!!」

しまった! ミカにやられてしまった。

僕は慌てて拍手をする。

「気を抜いていたらダメですよ。アキくん。それではご開帳!!」

ミカはもったい付けるようにゆっくりと宝箱を開ける。

中身は穂先と柄が真紅の槍とダンジョン制覇メダルが入っていた。

「おぉ! アキくん、槍だよ!」

「僕は槍は使ったことないからなぁ。ミカは槍使えるの?」

「昔、馬上で使ってたかなぁ。久しぶりに使おうかしら」

「槍もカッコ良いよね。今度、冒険者ギルドの鍛錬場で試してみようか?」

「それは良い考えね。だけどその前にこの間のアクセサリーショップに行きましょうね」

お揃いのブレスレットを買う約束してたもんね。

「了解。まずはお昼ご飯を食べたら、怪我に気をつけてこのダンジョンから出ようか」

マジックバッグに魔石と槍とダンジョン制覇メダルを入れて、リーザさんが作ってくれたお弁当を取り出して2人で食べる。

帰りの道中も油断無く進み、特に怪我も無くダンジョンを抜けることができた。

外に出ると夕方になっていた。馬を見ていてくれたギルド職員が笑顔でやってくる。

「焦土の渦ダンジョンの制覇成功しましたか?」

「問題無く制覇しました」

そう僕が言うとギルド職員は握り拳を震わせている。

おもむろに大声で「やったー!!」っと声をあげた。

「そんなに喜んでくれて嬉しいです」と僕が言うと、ギルド職員は涙を流している。

僕はちょっとは心の中でドン引きしていた。

「実は知り合いの女性が父親の借金のせいで奴隷になるかも知れなかったんです。私もお金が無くて貸す事ができなくて。今回、ダンジョン制覇が成功したら冒険者ギルドで臨時ボーナスが出るんです。これで取り敢えずは彼女が奴隷にならなくて済みます。本当にありがとうございました」

あら、結構重い理由だった。隠れてドン引きしてごめんなさい。

僕はそんな心の内を微塵も感じさせずに言った。

「それは良かったです。僕たちのダンジョン制覇が他の人の幸福につながるなんて嬉しいですね」

その後、ギルド職員の男性は泣きながらボムズの街に馬を進めていた。