軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第10話 オークダンジョンの制覇

オークダンジョンの3FまではMAPを見なくても問題ない。散発的に見かけるオークの集団を蒼炎で片っ端から瞬殺する。

オークは簡単な皮の鎧や剣などを装備している時もあるけど蒼炎の後には全て灰になっている。鼻歌まじりに3階に着いた。

MAPを見ながら4階を目指す。寄り道をしなくても4階に向かう階段まで3キロルほどの距離がある。道中でオークを倒しながら行くので結構時間がかかる。

そうは言っても出てくる魔物はオークのみ。曲がり角などに注意すれば危なげなく進むことができる。

夜の時間帯と言っても他の冒険者が全くいないわけでは無い。そういう場合は回り道をして先に進んだ。

4階に降りる階段の前で水筒を出し喉を潤す。MAPを再確認してボス部屋までの道順を頭に入れた。結構距離がある。最短距離で5キロルくらいだろうか。道中にオークが出没するだろうけどMPは問題無く足りている。このまま進んで問題はないな。小休止を切り上げ出発だ。

4階の魔物もオークばかり。オークダンジョンの異名は伊達ではない。

1〜2階は3〜6匹の集団だが、3〜4階は5〜8匹の集団が多い。まぁ蒼炎一発で済むから問題は無いけど。

呆れた顔でミカがこちらを見る

「分かっていたけどオークソルジャーやオークロードも一発なのね……」

「??なにそれ??」

「筋肉質のオークやひと回り身体の大きなオークがいたでしょ。筋肉質なのがオークソルジャー、ひと回り身体の大きなオークがオークロードよ」

「そうなんだ。気が付かずに倒していたよ」

「オークソルジャーやオークロードは通常のオークよりスピード、パワー、耐久力が格段に上なの。おまけに集団の指揮も取るし倒すのが大変なのよ。そして最悪なのがオークと同じEランク魔石にしかならないから。倒すのが大変で得るものが普通のオークと同じだからオークダンジョンの4階は人気がないんでしょうね」

「ミカは良く知ってるね」

「帝国騎士団にいた時に【果ての森】でモンスター討伐をしていたからね。オークソルジャーとオークロードは討伐経験があるわよ。オークなら一対一で倒せるけど、ソルジャーとロードは数名で囲んで倒すしかないかな」

「取り敢えず格上のオークが出没してるってわけだね。今まで以上に索敵に注意していこうか」

そういいながらも蒼炎一発で灰になる集団。問題無くボス部屋の前に到達した。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

冒険者ギルドの情報ではオークダンジョンの最終ボスはオークキング。通常のオークの1.5倍の大きさがあり、金属製の鎧を装備している。

またオークロードとオークソルジャーが数体一緒にいるとのこと。

「アキくんは部屋に入ったらオークキングに向けて蒼炎を撃ち込んでね。私は近寄ってくる敵がいたら盾で守るから」

そうミカは言ってカイトシールドを触る。

「分かった。まずはオークキング、その後に周りのオーク連中だね」

「扉は私が開けるから準備は良い?」

「問題無い。よし行こう!」

扉を開けるとモンスターハウスと同じくらいの部屋の大きさ。1番奥に一際大きなオークがいた。金属製の鎧と大きなバスターソードを装備している。あれがオークキングか。

周辺には合わせて10匹ほどのオークソルジャーとオークロードがいる。

【焔の真理、全てを燃やし尽くす業火、蒼炎!】

速攻で蒼炎をオークキング目掛けて撃ち込む。

こちらに気付いていないオークキングの脇腹に蒼炎がぶち当たる。当たった箇所から蒼い光が広がりその周辺は白から赤に変わっていく。

いつもどおりの光景。直接蒼炎に当たったオークキングは白い灰に変わり、金属装備は液体に変わった。比較的近くにいたオークソルジャーとオークロードも黒焦げになって崩れ落ちた。

奇襲を受けたオークの集団は何が起こったか理解できてないようで慌てている。

僕は落ち着いて生きている残りのオークの集団に蒼炎を2回撃ち込む。白い灰と黒焦げのオークだったものだけが残った。

周囲の温度は一瞬上がるがダンジョンがエネルギーを吸収し通常の温度に戻る。

10秒程するとオークキングがいた場所にひと回り大きな魔石と宝箱が現れた。

「これがD級魔石かぁ」

「魔石の級が一つ上がると価値が10倍になるからね。それでE級魔石10個分ね」

「宝箱は初めてだから緊張するなぁ」

「E級ダンジョンのボスの宝箱はお金しか入っていないそうだから緊張することないんじゃ無い?」

「ミカは冒険者の喜びを分かっていないよ! ダンジョンの奥深くにいるダンジョンボス! 激闘の末に逆転で討伐に成功! そこに現れる宝箱! 伝説の武器の封印が今開かれる!」

「はいはい。激闘ってなんなの。あれは殺戮って言うのよ。ここの宝箱に伝説の武器は無いからね。早く宝箱開けて帰るわよ」

冷静にミカに返されて大人しく宝箱を開ける。バルにして200,000ほどの金貨とダンジョン制覇を証明するメダルも入っていた。

ダンジョン制覇のメダルを冒険者ギルドに提出すると冒険者カードにダンジョン制覇の記録が記載されるようになる。

「金策にはE級ダンジョンのボスの宝箱は効率が良いかな?」

「そうね。でもここまで来るのに結構時間がかかるし、ボスが復活するまで半日はかかるから待つのも面倒じゃない」

「そうだね。やっぱりE級ダンジョンはもう良いかな。それにしても金属製の鎧も蒼炎には関係無かったね」

「まぁ予想どおりだったわね。私は今日も何もしてないわ」

「ミカは次のダンジョンから活躍するよ」

「まぁそうね。取り敢えず帰りましょうか」

僕達はオークソルジャーとオークロードの魔石を拾いボス部屋をあとにした。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ボス部屋まで行って帰ってくると時間がかかるなぁ。今日の収穫を整理する。

D級魔石 1個

E級魔石 168個

200,000バル

バルは魔石分を入れて253,400。ギルドポイントは17,800ポイント。バルは2人のギルドカードに分けて入れてポイントはミカに全て入れてもらうか。

レベルはミカが1つ上がっていた。僕は上がらなかった。

冒険者ギルドの買取カウンターで女性の受付に今日の収穫を渡す。僕の冒険者登録をしてくれた20歳くらいの女性だ。オークダンジョンの制覇を示すメダルも渡すとビックリされた。

「アクロに来て1ヶ月も経たない内にオークダンジョンの制覇ですか!さすがファイアール家の方ですね」

「あまり家の名前は口にしないでください。目立ちたくないので」

「あ、すいません。それでもさすがにアキさんは冒険者の中で噂になってきてますよ。初めのうちはソロであれだけのE級魔石を納品してましたし、昨日からは綺麗な女性と一緒にいますからね」

「そんなに目立ちます?」

「中堅の冒険者は4人くらいのパーティを組んで1日E級魔石を50個くらいが平均ですからね。ソロで1日200個を超えるE級魔石を納品すれば目立ちますよ。単純計算で16倍の量ですから。それにDランク冒険者になるのはGランクから通常最低4年はかかります」

「そんなにかかりますか?」

「パワーと耐久力に優れたオークを倒すのが大変なんですよ。安定的に倒せるようにならないとDランク冒険者にはなれませんし。ここに明確な壁があるんです。オークが倒せなくてFランクダンジョンの水辺ダンジョンをメインの狩場にする人が大半ですから。オークダンジョン以上のダンジョンを狩場にしている冒険者は1割いるかどうかですよ」

改めて他人から自分がやってる事を聞くと悪目立ちするのが分かる。それでも早く冒険者ランクを上げたい。

「冒険者ギルドの立場でいえば大量の魔石を納品してくれるアキさんには助かっております。今後も頑張ってくださいね」

「了解しました。あ、Cランクの沼の主人ダンジョンとDランクの暴風雨ダンジョンのMAPはありますか?」

「ご購入されますか?どちらも5,000バルになります」

「どちらも購入します。お願いします」

「ありがとうございます。明日からはダンジョンのランクを上げるんですね。気をつけてください」

「頑張ってきます」

そう言って受付での用事を済ませ安らぎ館に寝に帰った。