作品タイトル不明
開封できた封筒
封筒から便箋を取り出す。
少し古い文法ではあったが読めない事はない。
僕の目はすっかり覚めていた。
差出人【ウルフ・リンカイ】。
何が書いてあるのだろう。
自分の鼓動が耳に響く。
僕は手紙を読み出す。
【蒼炎が使える君はいつ頃の人かな?祠にかけた結界は蒼炎の魔法が使える人が現れ、その人が12歳になる時に解かれるように設定しておいたよ。またこの封筒の結界は、蒼炎に込めた俺の魂と意思疎通ができるようになると解けるようにしておいた。蒼炎の魂は俺の魂の欠片だから、それと仲良くなっている君は、もう俺の友達だ】
蒼炎の魂がウルフ・リンカイ!?
【その俺の友達に頼みたい事がある。黄龍という化け物を倒して欲しい。俺たちのパーティでは封印しか出来なかった。その封印を守るためにこれから多大な犠牲を出してしまうだろう】
黄龍は【白狼伝説】で最後に討伐されたモンスターだ。封印?多大な犠牲?
【俺は白炎の魔法が使えていた。それで調子に乗っていたんだな。俺に敵はいないと思い上がっていた。それを黄龍に、痛い程理解させられたよ。白炎の魔法で黄龍に立ち向かったが、全く歯が立たなかった。何とか神獣達が黄龍を封印はしてくれた。再戦しようにも黄龍の封印を解かないといけないし、勝てる算段が無い】
ウルフ・リンカイのパーティが歯が立たない!?
【君は知っているか、今より遠い昔では空に輝く星の色が見れていたそうだ。なんとその星は燃えており、温度まである程度わかるって言うんだから凄いもんだ。火の色は赤い。しかし星の温度は白炎のほうが高温になるらしい。その上が蒼炎だ】
星って燃えているの!?
【俺は白炎で倒せなかった黄龍をより強い蒼炎で倒せるのではないかと考えた。希望の魔法である蒼炎の魔法の開発に晩年を費やした。黄龍の封印後、カフェとガラムと3人でダンジョンを作成したり、冒険者ギルドを設立したり、公爵家を作った。犠牲の上に成り立つ平和だが、黄龍が暴れるよりマシと思い納得はした。だが誰かに犠牲を伴うこの機構を止めて欲しい】
犠牲の上に成り立つ平和って?
【蒼炎がその希望になると確信している。そこで君の手助けになると思って、俺達の戦いの記録を残す事にした。歴史書だと読む人がいなくなる可能性があるからと思い小説風にした。遊び心は否定しない。【白狼伝説】という小説だ】
黄龍は倒していたけど。
【その他にカフェとガラムが使っていたオリジナルの呪文を記す。適する属性であっても使えない人が多い魔法だ。使えない人が多いと魔法は失伝する可能性が高いため、この手紙に残す事にした。黄龍の戦いでは必ず役に立つ魔法だ。風の属性の魔法はソフィアの開発が間に合わなかった。エルフの里に行けば分かるかもしれない】
ソフィアさんが残した魔法は烈風の魔法か。
【あとはAランク冒険者になってから公爵家から詳細は聞いてくれ。そういう契約になっている】
ここでも古の契約か。
【最後に一つ、白炎も蒼炎もどちらも火属性の上位魔法だ。君は蒼炎以外の魔法を使えないと思う。俺もそうだったからな】
サラッと言われた……。
【いつでも君の側にいる蒼炎の魂、ウルフ・リンカイより】
最後の一枚には水属性魔法の呪文と金属性魔法の呪文が記載されていた。
僕は何度も手紙を読み返した。