作品タイトル不明
蒼炎を撃ちながらの考え事
僕は先日のヴィア主任との会話を思い出しながら蒼炎の呪文の詠唱をしていた。
【焔の真理、全てを燃やし尽くす業火、蒼炎!】
僕とミカは2人で屠殺場ダンジョンに来ている。ダンジョン内での蒼炎の感情はそれ程変わりが無いため、ヴィア主任とサイドさんは来ていない。あとで報告して終了だ。
魔法実技の授業という名目だが、実際は蒼炎の魔法の研究になる。
まぁオークを魔法で討伐しているから魔法実技と考えても間違いではない。
ミカが声を出す。
「アキくん、34発目の蒼炎の感情はどうですか?」
「ミカは分かった?」
ミカに僕が問い返した。
「拗ねてましたね」
「正解!僕もそう感じたよ」
ミカは僕との間の薄皮の壁が無くなってから、前より僕の感情がわかるようになった。
奴隷の忠誠心が上がったと言うより、僕との信頼関係が強くなり、心が近くなったせいだろう。
それに伴い、僕を通して蒼炎の感情もだいぶ分かるようになっている。
今日もダンジョン内で撃つ蒼炎の魔法の回数は150発。一発ごとに感情を記録する役割がミカの仕事だった。
蒼炎を撃つたびに蒼炎の感情が分かりやすくなる。蒼炎の魂、蒼炎の心か。
確かに蒼炎は魔法だけど生きている。
どうなってるんだろう。
単純作業のような蒼炎の魔法の発動。
いつも考えていない事を考えてしまう。
ミカは最近、【白狼伝説】にハマったせいで開封できない封筒に凄く興味を示している。
あれから開封できない封筒はヴィア主任が調べた後に僕に返却されている。
ミカには古代の未知の魔法で封印されていて、開ける鍵の可能性が高いのは、僕か蒼炎の魔法かステータスカードと伝えた。
何が開ける鍵になるのかは分かっていない。
僕は蒼炎の魔法を詳しく知っている人がいないかと思って王都魔法学校に入ろうと思った。蒼炎の他の魔法や、蒼炎の魔法がダンジョン外で使えるようにならないかと考えた。
でも蒼炎の魔法について詳しい人はいなかった。
しかし僕は実際に王都魔法学校の入学が決まったら嬉しかった。自分でも気が付かなかったが同年代の人と学生生活を送りたいと思っていたみたいだ。
今はどうなんだろう。蒼炎の魔法を調べるにはここは最適だ。ヴィア主任がいる。
まだまだ難しいと思うが新しい魔法の開発を勉強できている。
同年代の仲の良い友達はまだいないが、これからだと思っている。
ヴィア研究室に自分の居場所ができた。
このまま学生生活を送るのは問題はない。
では冒険についてはどうだ?
Bランク冒険者になったため、権力とお金が手に入った。悠々自適に過ごすならC級かD級ダンジョンを周回していれば問題はない。
でもそれってドキドキするのか?
死んでいるみたいだ。ファイアール公爵家にいた時の自分じゃないか。
【白狼伝説】を読んでドキドキした。僕は主人公のウルフに憧れた。ウルフが悠々自適の生活を送るか!そんなわけない。
それなら冒険だ。
それはAランク冒険者になるためのBランクダンジョンの全制覇。
しかし制覇したBランクダンジョンでは僕は無力だった。
接近戦の強化。まずは模擬戦でミカに勝つ事、いや互角になる事を目標にしよう。