軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

深夜の賊

ミカに続いて庭に出ると反対側の庭の方に6〜8人の人影が見えた。黒いマスクに黒い装備だ。ミカは既にその集団に静かに、しかし素早く突っ込んでいっている。

僕は念のため不審者がいる反対側の方から正面に人影が無いか確認する。大丈夫だ。

ミカの方を確認したら既に戦闘が始まっている。

ミカは凄まじい勢いで足を切り落としていく。

黒いマスクの集団から悲鳴や絶叫が上げる。寝静まった街に絶叫が響く。

僕はゆっくりと周囲を警戒しながら戦闘場所に近づく。

辺り一面血だらけだ。

血は赤いはずだが暗い光のせいで真っ黒に見える。

片足で地面に転がっているのは6名の黒装束の人達だった。

苦しんでいたり、気絶したりしている。

ミカは返り血を多量に浴びていた。

ミカが声を上げる。

「正面の門を見てくるわ。アキくんは周囲を警戒しながら治療してあげて!」

そう言うとミカは正面門に走り出して行った。

僕は辺り一面の血の海の芝を眺めて、呆然としてしまった。

黒装束の人達のうめき声で我に返り、ポーションで近い人から治療をしていった。ぼんやりとこのポーション代は僕たちの持ち出しかなって場違いな事を考えていた。

治療中にミカが戻ってきた。

そして僕に言う。

「門を出ると北に逃げていく2人組がいたわ。追いかけたんだけど、その1人がウインドカッターの魔法を撃ってきてビックリしちゃった。それで距離を離されてしまったの。最後まで追いかけても良いんだけど、こちらが心配だから戻ってきたわ」

僕は治療が終わりミカの顔を見た。

ミカの頬は返り血が飛び散っていた。

ミカは僕にその顔を向けて言った。

「センタールの警備は第三騎士団だっけ?良くわからないわ。アキくん1人置いて呼びに行けないし」

先程、街に響いた絶叫で隣りの家の人が起きたようだ。照明がついた。

それに気が付いたミカは僕に言った。

「アキくんはこのロープで賊を縛り上げといて。私は隣りの家の人に頼んで騎士団に報告してきてもらうから」

ミカはすぐに明かりが付いた隣家に向かって行った。

僕はミカの指示通り、賊をロープで縛っていく。

その時、隣家から悲鳴が上がった。

僕は「あっ!」っと思った。

血だらけのミカを見ればビックリするよな。

6人を縛り上げるとミカが戻ってきた。

ミカは「悲鳴をあげられちゃった」と可愛く言った。

僕はその血だらけの顔と、お茶目な笑顔のギャップの映像は、きっと一生忘れないと思った。