作品タイトル不明
消えない薄皮の壁
今日もミカと一緒に朝の鍛錬をした。鈍っていた身体もだいぶ動けるようになっていた。
ユリさんが朝食の後にミカがいないところで僕に言った。
「今日の午前の馬車でカッターに行ってきます。祖父と祖母に会うのが久しぶりで嬉しいです。お土産いっぱい買ってきますからね」
「道中、気をつけてね。楽しんできてください」
僕がそう返すとユリさんは軽く笑顔で言葉を返した。
「お休みは5月いっぱいのため、アキさんとミカさんの誕生日が当日にお祝いできなくて、すいません。ミカさんと2人でいっぱい楽しい思い出を作ってくださいね」
「ありがとう。楽しんでみるよ」
ユリさんは真剣な顔になって僕に言った。
「本当に楽しんで来てくださいね。最近ミカさん少し元気が無いし、チョーカーを触りながら寂しそうな顔を良くしてますからね」
ユリさんは一緒に過ごしているから、僕とミカとの間に、薄皮の壁があることがわかるんだろう。
僕は頷いて登校の準備を始めた。
今日は朝のホームルームで担任のシベリー・ファイアードの機嫌が最高潮に悪い。言葉がキツいし、怒り出す。ホームルームが終わってシベリーさんが教室を出るのを見計らってシズカに聞いてみた。
「今朝のシベリーさん、とても機嫌が悪かったけど何か理由知ってる?」
シズカが暗い顔をして言った。
「お父様が無理矢理シベリーさんのお見合いを設定したみたいなの。それで荒れているんでしょうね」
これから赤のAクラスの皆んなはシベリーさんが受け持つ魔法実技の授業だ。
僕はシズカに「魔法実技の授業、頑張ってね」と言って教室を出た。
あんなに荒れてるシベリーさんの授業など受けたく無いと思いながら。
僕はミカと2人で学校の隣りの研究所に行く。
今日の魔法実技の授業はヴィア主任の説教予定だ。
果たしてこれは授業と言えるのだろうか?
そう思いながらもヴィア研究室の扉を開けた。