作品タイトル不明
講師になったサイド
研究室の4人が座れるテーブルと椅子に移動した。
ミカが立っているとサイドさんがミカにも座るように促した。
椅子に座ったミカにサイドさんが言った。
「ミカさんも折角だから一緒にやらないか?」
ミカが恐縮した声で返す。
「私は従者ですから」
「何を言ってるんだい。ミカさん、僕たちは一緒にダンジョン潜った経験のある仲間じゃないか。アキくんもそう思うだろ」
優しい笑顔で僕とミカを見ているサイドさん。
「折角だからミカも一緒にやろうよ」
こう言った僕に、ミカも諦めたのか頷いた。
サイドさんが話を始める。
「それではアキくんの魔法実技の授業を始めます。まずは授業の目標だね。蒼炎の新しい魔法を開発だったね。それでは復習です。魔法が発現するためには何が必要かな?」
僕に聞いてきた。
これは、以前校長室でヴィア主任が言っていた。
思い出しながら答える。
「正しい呪文の文言の詠唱とその魔法に適した属性の魔力です」
「よろしい。正解だ。今アキくんは蒼炎の魔法しか使えない。それでこの授業では君の蒼い属性の魔力に対応した呪文の文言を作る事を最終目的とする。ここまで良いね」
ここでお茶を啜り一息ついてからサイドさんは続ける。
「ここで初めに注意点を言っておこう。実は呪文の文言は厳密には同じじゃなくとも発動する。そうだな。実演してみようか。ミカさんは金属性だからちょうど良い。安全だからね。ミカさんは障壁の魔法が使えるね。障壁の魔法の呪文の文言はこうだ」
サイドさんが紙に障壁の呪文の文言を書く。
【金剛の心、我らを守護する壁となれ、障壁!】
「障壁の魔法はそれほど強い魔法ではないね。起動の句の【金剛の心】を【金剛の力】でも発動はするんだ。ミカさん試しにそちらに向かって【金剛の力】で呪文を詠唱してくれるかな」
言われたミカは【金剛の力】で詠唱してみる。通常と同じ障壁の魔法が発現した。
「ありがとう、ミカさん。このように全く文言が同じじゃ無くとも魔法は発現する場合がある。では何で障壁の魔法は【金剛の心】が一般的になっているのか。まず【金剛の心】のほうが障壁の耐久力が高いんだよね。それに魔力消費量も若干だけど少ないんだ。これは先人達が長い年月かけて、呪文の文言の精査をし、硬度実験等を積み重ねた結果なんだね」