軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

§116 小麦マジック 1/27 (sun)

21層は湿地帯だ。

とは言え、全体が水に覆われていて、足を踏み入れると草から水がにじんでくるような場所ばかりではなく、湖沼地帯のような場所も含まれるらしい。

21層に出た場所は、所謂ボグ(*1)のような場所で、足下は貧弱な草やシダ類に覆われていた。

そそくさと自衛隊の通信拠点から離れた俺たちは、なるべく足下がひらけている場所を選びながら、魔物に絡まれないようなルートを選んで移動していた。

「21層の湿地部分に出る主な魔物は、ラブドフィスパイソンとウォーターリーパーとウィッチニードルですね」

ラブドフィスパイソンは2mから最大で5mにもなる、水辺の蛇だ。言ってみれば、でっかいヤマカガシだ。

ウォーターリーパーは50cmくらいあるヒキガエルだが手足が無くて、変わりに羽根のようなひれと尖った尻尾を持っている。見方を変えれば蛙の顔をした小さなドラゴンと言えるかも知れない。

「パイソンとリーパーは、蛇と蛙だってわかるけど、ウィッチニードルってなんだ?」

「一言で言うと50cmくらいあるトンボですね」

「トンボ?」

「でも羽根はカミソリのように鋭いそうですし、顎は人間の指くらいなら食いちぎるらしいですよ」

「うぇ……」

そんな俺達のやりとりを全く聞いていない小麦さんは、ぶつぶつと何かを呟いていた。

「どれかな、どれかな……ああ、どうしよう!? コ、コランダム系は鉄板だし、石英シリーズはコンプリートしたいし、ベリルもクリソベリルもガーネット系もあるし、ああ、決められません!」

彼女は、頭を抱えて目をクルクルと回していた。これが、ここまで来た最大の目的を目前にして、魔物に絡まれないようなルートを選んでいる理由だった。

通信拠点から離れてすぐ、魔物を見つけて近づこうとした時、突然、彼女が待ったをかけたのだ。

どんな不都合が起こったのかと驚いたが、20層であれだけ喜んでいた彼女が、まさか何をドロップさせるのかに悩んだあげく目をクルクルさせているなどと、誰が想像しただろうか。

生命探知は、魔物の位置を捉えることが出来ても、周囲の環境まではわからない。

なにしろここは湿地帯だ。後ろから来る魔物から逃げているうちに、水に囲まれた細い首のような場所に迷い込んだ。

折り悪しく、生命探知に大きめの反応が、正面の少し離れた位置に現れた。21層でこのサイズはパイソンだろう。

両側は沼地、後ろは魔物。これは 躱(かわ) しようがない。

「えーっと、小麦さん? そろそろエンカウントしちゃうみたいだけど……」

「ああー、待って、待って、待って! んんー、あ、そうだ!」

「おお、決まった?」

「ダイヤなんかは単元素だ! ああ、また候補が……オパールみたいなアモルファス系もあるんだった」

決まったのかと思ったら、単に候補が増えただけだった。

正面のパイソンが、がっくりと肩を落とす小麦さんを 慮(おもんばか) るはずもなく、それは容易く最終防衛ラインともいうべき距離を踏み越えた。

それまでじっと我慢していたライラプスが、仕方なくその首筋を踏みつけると、そのままラブドフィスパイソンの頭をかみつぶした。4mはある大物だ。

「ああっ!」

その瞬間、小麦さんの足下に何かがドロップした。

彼女は、それをそっと拾い上げて言った。

「水晶クラスター、ですね……」

掌の上には、水晶の結晶がいくつかくっついた塊が乗っていた。

「マグメルのお父さんみたい」

「マグメル?」

「私が小さい頃初めて手に入れた石につけた名前です。父に連れて行かれたミネラルフェアで、迷子になったときに見つけた小さな小さな水晶クラスタで、鉱物商のおじさんに500円で譲って貰ったんですよ」

彼女はそれに、ケルト神話の喜びが溢れる島の名前をつけた。「マイクロマウントに乗っかった様子が島みたいに見えたので」と彼女は言った。

そうして、「もちろん今でも、一番仲良しなんですよ」と、嬉しそうに笑った。

「先輩。もしかして彼女のLUCが異常に高いのって……」

「いや、パワーストーンなんて発想は、科学的にも抵抗があるんだが」

「そうは言っても、運なんて曖昧なものを、今の科学で説明できると思います?」

「無理」

運なんてものは、あくまでも受け取り手のとらえ方次第だ。事象自体は偶然に過ぎない。

同じ事柄が起こったとしても、ある人は運が良いと感じ、ある人は運が悪いと感じるだろう。実際その程度のもののはずだ。

はずなのだが――

「LUCっていうステータスは厳然とあるしなぁ……」

LUCの解釈は難しい。

運が良い悪いが主観である以上、LUCは、運の良い悪いにかかわらず、単に起こりにくい事象が起こりやすくする力なのかもしれない。言ってみれば、ある確率空間のエントロピーを増大させる方向に働く力だ。

LUCが無限大になったとき、全ての事象は等確率で発生するようになる、そんな力を想像したわけだ。

「そんな世界になったら、何もかもが混沌の中に溶けちゃいますよ」

「やっぱ、ただのダンジョン計算におけるパラメータのひとつに過ぎないのかな」

「ダンジョン計算って……」

それならそれは、現実の運には作用しないはずだ。例えば宝くじに当たるとか、雷に打たれるとか。

御劔さんの電話の件だって、単なる偶然と言われれば否定のしようがない。というよりむしろその方が妥当な解釈だろう。

どんな事象だって、起こってしまえば、運が良い悪いにかかわらず、たんなる偶然であることを否定することは出来ないのだ。

「今度、カードでも使って計測してみるかな」

例えば、2を1枚、3を2枚、4を3枚、5を4枚使って、1枚を引く実験をすれば、ある程度、LUCが現実の確率をねじ曲げているかどうかわかるかもしれまない。

「先輩。信じる心は力になるんですよ。鰯の頭だって役に立つんですから、水晶ならその100倍は効果があるに違いありません」

『科学的』の『か』の字もないその台詞が、思った以上に響くのは、科学と宗教がいずれはひとつになるってことの現れだろうか……絶対違うな。

小麦さんは、拾った水晶クラスタをそっとリュックに入れながら、申し訳なさそうにしょんぼりして言った。

「期待してもらったのに、すみません。水晶は安いんです。あんまり価値はありませんでしたね」

「そんなに気にすることないですよ」

なにしろ、俺達が漠然と収束させてれば、鉄をドロップさせる自信があるからな。

「もう、私も攻撃していいんですよね?」

三代さんが後ろを見ながらそう言った。

そう言えば、後ろから追いかけて来ていた、リーパーがいたな。

「大丈夫。思いっきりやって良いよ」

「了解です」

そう言って、三代さんが素早く弓を射ると、ほどなく彼女の足下にも、小さな何かが転がった気配がした。

それを拾い上げた彼女は不思議そうな顔をして言った。

「えーっと、こんなの出ましたけど、これも水晶なんですか?」

それは、1cmにも満たない、等軸晶系正八面体の結晶だった。ちなみに水晶は通常六角柱に近い形をしている。

それを見た小麦さんは、驚いたような声を上げた。

「え? それって、ソーアブルですよ?!」

「ソーアブル?」

「正八面体をしたダイアの原石です。sawで切るだけで形が整うので、sawableって言うんです」

「ダイア?」

俺はまぬけな顔で聞き返した。どういう事だ? 水晶クラスタのフロアじゃなかったのか?

このフロアを収束させた小麦さんは、最後まで何をドロップさせるべきなのか、滅茶苦茶悩んで決められなかった。

「まさか……」

俺は、すぐに生命探知で最も近くにいたウィッチニードルを見つけると、それを水魔法で打ち落とした。

そうして手元にドロップしたのは――

「宝石の……原石?!」

アイテムに触れるとその名称がわかる。

にもかかわらず、三代さんは、そのアイテムが水晶なのかどうかが分からなかった。おかしいとは思っていたが、それも当然だったのだ。

なぜなら、ドロップしたアイテムには「宝石の原石」と表示されていたのだから。

「青紫で多色性、しかも脆そう……たぶんタンザナイトの原石ですよ、それ」

「って、このフロア……『宝石の原石』がドロップするのか?!」

小麦さんが悩みまくったあげく、どれにも絞れなかったせいで、それらを包括して『宝石の原石』がドロップするようになったってこと?

いや、しかし……

「1フロア1種類じゃなかったのかよ、こんなことってありなのか?」

「アリもナシもないですよ。現実にドロップしてるんですから。『宝石の原石』も1種類としてカウントされるって事じゃないですか」

「なら、『金属』がドロップするフロアだって作れるってこと?」

「小麦さんの宝石に匹敵するくらい金属ラブで、全金属を愛している人なら可能かも知れません」

「……無理だな」

そもそも何がドロップするのか分からないフロアは、鉱山としての魅力が著しく低い。

対象の種類が多ければ多いほど、何かを探したい人にとって、その価値は減じると言っていいだろう。なにしろ狙って狩るのが難しい。そこにはガチャで特定の何かを狙うような辛さがあった。

「ニッケルとコバルトとマグネシウム、みたいな括りならどうだ?」

「おそらく1種類だとみなされないと思いますよ」

「なんらかの概念的な括りが必要か……『ぼくのひつようなきんぞく』、じゃだめかな?」

「本当に必要なら可能なのかも知れませんけど、いい加減な内容で、そのイメージを汲み取って貰えますかね?」

確かに、『宝石の原石』と違って、人類の共通概念ってわけじゃないからなぁ……

「うーん、じゃ、元素群ならどうだ?」

ランタノイドとかアクチノイド、アルカリ金属や、貴金属、遷移金属、卑金属なんて括りなら――

「言いたいことはわかりますけど、何処に何が属しているのか、全部明確に言えませんよ、私」

「俺も怪しい」

「そういう人間には、多分無理だと思います」

「だよなぁ……」

少し前まで落ち込んでいた小麦さんは、次々とウストゥーラ達がドロップさせる原石を、興奮しながら拾っていた。

今も濃いピンクの菱形の結晶を、嬉しそうに見ている。

「ものすごく素敵なフロアですよ!」

まあ、小麦さんにとっては天国だろうな。

「ドロップ率は相当高いです。ほとんど常にドロップしてますから8~9割くらいですね、彼女」

「なら、鉱石はLUC50くらいで100%ドロップになる計算なのかな」

「もうちょっと上かも知れませんが、大体そんな感じです」

原石はカット済みの宝石に比べればそれなりに重いとはいえ、金属に比べれば軽いものだ。モンスターの数が倒せるなら、21層は、結構な稼ぎ場所になるだろう。

ただ、ドロップするものの価値のばらつきは、非常に大きいようだった。

「鉱山としては微妙かも知れないが、娯楽層としては超一級層だな」

問題は21層まで多くの人が来られるようになるのかってことだが、ここがモチベーションになって深層まで来る人の数は増えるような気もする。

なんと言っても楽しいし――

そう考えたとき、三好の足下に、緑色の原石がドロップした。アルスルズも狩ってたのか。

「エメラルド?」

緑の石と言えば、それくらいしか知らない俺が、それを拾って言った。

小麦さんはその原石を覗き込むと、「クロムやバナジウムで緑色になるところは同じですけど、これはツァボライトですね。グリーンのガーネットです」と答えた。

へー。緑にも色々あるんだな。

「エメラルドの原石にはブルーが入りますから、比べれば色だけでも見分けが付くようになりますけど、ガーネットは単屈折でエメラルドは複屈折ですからそこで区別できます。あと、大抵ツァボライトの方がギラギラしてますよ」

ルーペも使わずに彼女はそれを見て言った。

「あー、でもこのツァボライトはカワイイですね」

「カワイイ? 価値があるの?」

「お値段ですか? うーん。デマントイドじゃないガーネットは、なんというか、少しお求めやすい価格になっています。でもでも、ほらこの右側」

彼女は、その部分を見ろと、ルーペを取り出して俺に渡した。

「それが、なんか顔みたいでカワイイですよね!」

俺は不慣れな手つきで、ルーペの方を動かしてピントをあわせた。拡大されたその石にあったインクルージョンは、確かにとぼけたミッフィーの顔のように見えた。

天然の原石はひとつひとつにいろんな顔があって楽しいのだそうだ。それを生かすか切り捨てるかは、デザイナーやカッター次第。

俺が横浜で収束させたダイアは全てイデアルな形をしていた。インゴットも画一的なドロップだ。

だが、彼女が収束させた原石は、すべて最高品質とは言え、それぞれに個性があるようだ。

「イメージの力って、凄いですねぇ……」

このフロアの原石は、小麦さんがそういうものを求めていたからそうなったに違いない。

俺と同様、そのことに気がついた三好は、感心したようにそう呟いた。

「全くだな」

そのイメージの力にあわせて、より自然で複雑なものを作り上げてしまうダンジョンの力も凄いなと、今更ながらに実感していた。

◇◇◇◇◇◇◇◇

その後も順調に探索と収束を進めていた俺たちだったが、24層でパラジウムの100gインゴットがドロップしたとき、それを拾った小麦さんが言った。

「あの、芳村さん」

「ん?」

「私、今回はこの辺でやめておこうと思うんです」

「どうして?」

「今のイメージだと、少し彫金に偏りすぎてるかなと思いますし」

小麦さんがドロップさせたのは、21層の宝石の原石を皮切りに、22層はプラチナ、23層は銀、そうして24層はパラジウムだった。

23層の銀は言うに及ばず、24層のパラジウムも触媒としての利用の方が多いとはいえ、貴金属に偏っていることは確かだった。

金属は全て100gのインゴットだ。バナジウムが1kgのインゴットだったのは、俺と彼女のイメージの違いなのだろうか。

それにしても、プラチナの100gインゴットは30万以上するが、銀の100gインゴットでは1万円にも届かないから、隣り合わせのフロアとしては23層が少し不憫だった。

いずれにしても、マイニングが普及したら、湿地帯は大人気になりそうだ。

「それに、ウストゥーラたちも、トロルには苦戦するようですし」

21-22層は湿地帯だったが、23-25層はジャングルよりの森層だ。その植生や状況から、たぶんいずれはジュラシックパークと呼ばれるに違いない。

ラプトルみたいなやつもいるし、まさにああいう雰囲気だからだ。

そして、24層からはトロルが登場した。ウストゥーラは、今のところこの辺りが限界と言った感じだ。

その話を聞いて、アヌビスが言った。

「負けることは無いだろうが、あのデブどもは、再生が厄介だからな」

どうも、ウストゥーラのあたえるダメージが、トロルの再生によって大分減じられていて、単体だと倒すのに時間がかかるようだった。

そのとき他の個体が参戦してきたりしたらやっかいだ。

「わかりました。で、どうでした? 実際に来てみて」

「夢のようでした!」

小麦さんは、目をきらきらさせてすっかり乙女になっていた。

「本当にあんな凄い石たちが、ころころドロップするなんて!」

「では、弊社のキャンプは、ご満足いただけましたか?」

「はい!」

その返事をもって、小麦さんのブートキャンプは終了だ。思ったよりも大変だったが、思っていたよりもずっと短い期間だったな。

何かの区切りが付いたような雰囲気を感じて、三代さんが心配そうに言った。

「あのー。そしたらマイトレーヤはどうなるんです? 解散ですか?」

「え? 絵里ちゃん、やめちゃうんですか?」

それを聞いた小麦さんが、不思議そうに首をかしげた。

「ええ? 小麦さんがやめちゃうから、どうしようかって話ですよね?」

「私ですか? やめませんよ?」

小麦さんは、当たり前のようにそう答えた。

「確かにブートキャンプは終わりましたけど、私の育成に何十億円もかかってますよ? どう考えてもそんなの払えっこありません」

「いや、それは――」

別に気にしなくても、と言いかけた俺は、三好に服の裾を引っ張られて思いとどまった。

「それに、絵里ちゃんとの探索も、仕事と同じくらい楽しかったですし、今度は日本で必要な金属の勉強をしてから下層に挑みます!」

「それまではもうちょっと、自分やウストゥーラの実力も上げなきゃですけど、もし絵里ちゃんが嫌なら――」

「嫌じゃないから!」

そう言って三代さんは、小麦さんの手を取った。

「よかったー。小麦さんがやめちゃったら、1人でどうしようかと困ってたんだ」

2人はお互いに笑って親交を深めていた。

「じゃ、ちゃんとした探索者契約もしなきゃいけませんね」

「そうだな」

だとすると、次は拠点の問題だな。毎回俺たちが一緒に付いてくるわけには行かないからな。

俺は、今後もこの辺へやってくるはずの三代さんに聞いてみた。

「ダンジョンの移動はどうだった? 1日でどの辺りまで下りられそう?」

「そうですねぇ……18層に到達した時間と、氷雪層の感じからすれば、本当に移動だけに集中すれば、1日で21層までこられそうに思えました」

通常のペースなら10層を越えると二日がかりになるのが普通だが、サイモン達も18層まで1日で行ったり来たりしてたもんな。

彼女たちのステータスだって、キャンプ前の彼らになら、そう劣ったものでもないのだ。

「んじゃ、うちの拠点は21層に作ろうか?」

「え? 21層? お休みの日に、原石取り放題ですか?」

小麦さんが嬉しそうな声を上げる。

「でも先輩。21層って基本的に、湿地帯ですよ?」

「さすがに水位が変わったりはしないんだろ?」

「たぶんそうだはと思うんですが」

「湿地帯とはいっても、湖沼部分もあるみたいだし、ちょっとした湖の畔にある丘っぽい場所とかもありそうじゃん」

21層以降の代々木は、下り階段発見までの調査しか行われていないため、完全なマップが作られていない。

最深到達層だった時の21層は、入り口付近で引き返していたため、その辺りの調査しか行われていないし、今回のチームIの探索は、モンスターの強さの確認的な意味合いが強いこともあって、下層への探索を優先していたため、やはり詳細な調査は行われていなかった。

従来なら、他のチームがその層の探索を受け持つのだろうが、今回は18層に人がとられていて上位探索者不足になっていることと、下層探索の速度が速すぎて、調査層が広がりすぎていることが原因で、こちらも行われていなかったのだ

というわけで、未踏部分に、そんな場所が見つかってもおかしくはなかった。

「綺麗な別荘地みたいな場所が、本当にあるといいんですけどね」

ウストゥーラの探索力もあって、視界の開けている湿地層では充分に活躍できていた三代さんが、なかなか余裕のある発言をした。

少しは自信も付いてきているようだ。

時計を見ると、丁度時間は、14時を過ぎたところだった。

「じゃあ、今回は21層へ戻って、拠点に相応しい場所でも探そうか」

「「「了解」」」

そうして俺達は、上り階段へと歩いていった。