軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

4話:半分取材旅行*3

とりあえずちゃんとした話になったらしいので、僕らはそれぞれ座り直して、お茶のおかわりを注ぎ足したりしながら、アージェントさんの話を聞く。

……そんな僕らの横にやってきた鳥の子達が、バスケットの中から思い思いに餅菓子をつついて咥えて持って行った。僕、もう、この程度のことじゃ驚かないし怒らないよ……。

「……まず、王城の裏手に、『封印の地』が在ることは知っているな?」

アージェントさんは鳥の子に驚いた後で、そう話し始める。

王城の裏手に……封印の地、と。ええと、僕は知らない。けれど王城の裏手だって言うなら、ラージュ姫が知っているはずだ。後で聞いてみよう。

「通例だと、王城の裏手の封印の地こそ、勇者が魔王を封印するための儀式の場となる。だが、本来ならば、王城の裏手の封印の地は、魔王封印の最後の錠となる場所だ。それがどうしてか……ソレイラの森の中の封印を破って、そこから、魔王が現れた」

そう言われてみれば、そうか。何人か過去に『勇者』が居るわけで、その人が魔王を封印した時には、ちょっと光の剣でつついて封印した、みたいな話をラージュ姫がしていた気がする。

「本来なら、魔王の復活はある程度制御され、王城の裏手の封印の地より復活するように細工が成されるらしい。そこで、他の封印を全て被ったままの、ごく弱い魔王を勇者の剣を以ってして再度封印するのだ」

成程。……ということは、今回、森が焼けたのって、誰かが何かしたからなんだな。

「ソレイラの森の中には恐らく、魔王封印の始まりの錠となる場所があったのだろう。今回は何故か、魔王がそこから復活した。始まりの封印を破って現れた魔王は、恐らく、次なる封印を破りに行ったに違いない」

あ、うん。それは多分そうなんだろうな、と思うよ。魔王……いや、カチカチ放火王が最後に言っていた言葉を考えると、カチカチ放火王はこれからもっと力を取り戻していくみたいだった。

「魔王の封印を担う場所は他にも各地に存在しているらしいな。ならば……魔王が出現する場所は、ある程度予測がつく、ということだ」

……ということで、アージェントさんの話が一段落。

成程。魔物達がソレイラを襲うように王様に指示していたのは、つまり、ソレイラの奥の森に、魔王を封印する場所があったから。

本来ならば王城の裏手から復活するはずだったカチカチ放火王は、多分、ルギュロスさんのちょっかいによって、ソレイラから復活してしまった。

そして、次の封印を解きに、カチカチ放火王は次の場所へ向かっている……と。そうか。

いくつか分からないことがあるので、質問もしてみる。

「封印ってどうやったら解けるんですか?」

「ふむ……幾らかの魔術は必要だろうな。今回はそれを魔物達が行っていたようだが……その他に、強力な呪物もまた、必要になるはずだ」

強力な呪物。ええと……あ、王様の血のことか。

「即ち、魔王を封印した勇者の血。……現在で言うところの、王家の者の血だな」

成程なあ。やっぱり王様の血が必要だったのか。そっか。

「それらの他にも必要なものがあるのかもしれんが……それは我々の知るところではないな」

アージェントさんはそこから先は知らないのか、或いは話す気が無いらしい。まあ、アージェントさんだから、脅されただけで全部話してくれるとは思ってないよ。話しても問題ない部分だけ話しているとか、そういうかんじじゃないかな。

「まあ……魔王は封印を全て解くつもりなのだろうからな。間違いなく、最終的に魔王は王城の裏手から復活する。その時には必ずや、勇者の力が必要となるだろう」

そうして、アージェントさんの話は大体終わったらしい。

成程。各地に封印があって、そこでどんどんカチカチ放火王が封印を解いていって、どんどん復活していく、のか。それって……各地に被害が出てしまう、よなあ。

「あの、すみません。結局、魔王封印の地って、王城の裏手以外はどこなんですか?」

可能なら、その『各地』も守りたい。

そう思ってアージェントさんに聞いてみたのだけれど……。

「ふむ……すまないが、我々もそれは知らないのだ。だが、勇者の力があるならば問題ない。魔王がいかに強力になろうとも、最後に出てくるのは王城の裏手、封印の地だ。そこを勇者と共に待ち受ければ、必ずや魔王を倒すことができる」

うーん……つまり、今回のソレイラみたいに、被害が出てしまう場所がこれから生まれる、っていうことなのか。

困ったなあ……。

「……ま、そういうことなら分かった。あんたが俺達と手を組めると思ってた理由も大体分かったぜ」

やがて、フェイは腕組みしつつ、そう言った。

「要は『勇者の剣』が無いと、カチカチ放火王を倒せねえ、ってあんた達は踏んでるんだろ?んでもって、確実にカチカチ放火王が現れると分かっている場所は、封印の地だけ。しかもそこが最後の封印だ。となれば、残り全部の封印を解いたカチカチ放火王は、間違いなくとんでもねえ強さになってる。だからこそ、勇者が必要だから、俺達はルギュロスと手を組まざるを得ない。そういうことか」

「理解が早くて助かる。そういうことだ」

フェイの言葉に、『その通り』とばかりに頷いて、アージェントさんは笑みを深くした。

「さあ、どうする?今、『勇者の剣』を持っているのはルギュロスだ。ならば、魔王を討伐するために、我々と手を組むというのは悪い話ではないだろう?」

そして、そう、改めて持ち掛けてきた、のだけれど……。

「……その、カチカチ放火王、な?いや、封印されたのが伝説の上で魔王だってことになってることは否定しねえよ。でも今出てきてるのはカチカチ放火王だからな?」

フェイはひとまず、そこを訂正してくれた。ありがとう。僕もちょっと気になってた。

「……その名前はもう少し何とかならなかったのか」

「うるせえな、ラージュ姫が一生懸命つけた名前だぞ?不敬罪で通報してやろうか!」

「ううむ……やはり、あの王家、何か呪われているのではないか……?」

ラージュ姫のネーミングセンスが呪いのせいだとしたら、その呪い、結構お茶目な呪いだと思うよ。

「ま、いいや。で、トウゴ。どうする?」

「うん。手を組まない」

ということで、結論も出た。

僕ら、アージェントさんとは手を組みません。

「……分かっているのか?それはつまり、確実に魔王を倒し、再度封印するための手段を失う、ということになるのだぞ?」

「はい。まあ、ルギュロスさんが居なくてもそれはなんとかできそうなので……」

現状、アージェント家と手を組む利点って、そこしかないんだよ。要は、『勇者の剣』を持っている人と協力関係になる、っていう。

……ただ、なあ。今、ルギュロスさんが持っている勇者の剣って、レプリカのレプリカだから。ラージュ姫がレプリカを持っているし、オリジナルは鳥が羽毛に収納してるから……つまり、僕らがルギュロスさんと手を組むメリットって、本当に、無い!

「……それは、一体、どのような手段で」

「まあ、こっちにも色々あるので……」

勿論、そのあたりをアージェントさんに説明する必要は無いので、適当に濁す。アージェントさんだって、本物の勇者の剣が鳥のコレクションの一部にされているなんて知ったら卒倒してしまうかもしれないし。

「……あくまでもそちらはラージュ王女を勇者として使う、ということなのだな」

やがて、アージェントさんはそう言って、険しい表情を浮かべた。

「いや、まあ……はい」

実際のところ、このままいくと鳥が勇者っていうことになりかねないのだけれど、それは黙っておきつつ、曖昧に頷く。

「或いは……勇者の剣以外にも、同じような武器がある、とでも?」

まあ、あるけど。夜の国に行くと、光る剣、結構あるみたいだけれど。何なら、レネも光るナイフ、持ってるらしいけど。でもそれも内緒だ。

「なので、その、申し訳ないんですけれど、手は組みません。手を組まなくてもやっていけるし、手を組んだら何か悪い事がありそうだなって、思ってしまったので」

僕の判断は、理性というか、直観に基づくものなのかもしれない。アージェントさんが僕らを裏切るかどうかなんて分からない。あくまでも、心象によるものでしかないのかも。

でも……まあ、直観だって、大事だよな、と思う。

先生も言ってた。『何故か、6時間以上考え抜いたアイデアより、道端を散歩していた時にふと直観的に浮かんだ5秒もののアイデアの方が優れていることが多い。ついでに、直観で感じたことについて深々と6時間ぐらい考えてみると、大体は直観の通りの結論が出ちまうもんさ。掛けた時間が結論の優劣になるとは限らないんだぜ』って。……ええと、締め切りに追われながら。要は、先生、その6時間分を思考に費やしてしまって、まるで仕事が進んでいなかったので。そういう時の台詞だけど。

「それは……非常に、残念だ」

アージェントさんはそう言って、どうしたものか、と言わんばかりの表情を浮かべた。

まさか、勇者の剣が2本以上あるとは思ってないから、断られるなんて考えていなかったんだろうなあ、この人……。

「だが……我々は我々で、独自に魔王を追う。君達の助力を得られないのは痛いが、まあ、勇者の力があるのはこちら側だ。なんとかなるだろう」

僕の隣でフェイが『やれるもんならやってみろよ』みたいな顔をしている。

ええと……僕も、ちょっとだけ、そういう顔を、してみる。

「さて。これで情報は話したぞ」

「あらそう。ならこのまま地下牢へご案内しましょうか?」

クロアさんがクロアさん式のジョークを挟むと、アージェントさんの顔色が明らかに悪くなった。

「……ルギュロスに指示を出しているのは儂だ。儂が指示を出し、ルギュロスがそれを聞いている間は、そう過激なことにはならんだろうが……それでも、投獄すると?」

「あら。冗談よ」

クロアさんとしても、ルギュロスさんを野放しにするくらいならアージェントさんも一緒に野放しにしておいた方がいい、っていう結論らしい。僕もそう思うよ。多分……森が焼けてしまったのって、ルギュロスさんが独断で動いたせいだと思うので。

それで、アージェントさんが今日ここに来たのも、ルギュロスさんの行動のリカバリーの為なんだろうな、と思うので。

「ルギュロスさん、今日はそこに入ってないんですか?」

一応、念のため聞いてみる。もしルギュロスさんも一緒に牢屋にしまっておけるなら、その方が嬉しいなあ、と思いつつ。

「……今日は同行させていない」

けれど、アージェントさんのブローチには、今日は風の精しか入っていないらしかった。

しっかり確認させてもらったけれど、ブローチが二重の宝石になっていることがはっきり分かっただけで、裏の宝石は今は空っぽらしい。

……それと同時に、風の精を出してもらって、ちょっと遊ばせてもらった。

羽の生えた猫みたいな可愛い生き物は、出てくるなりすぐ僕の手に飛び込んできて、そのままごろごろと僕の手に擦りついては懐っこく甘えてくる。

「……可愛いなあ」

思わずそう言ってみると、風の精は目をぱちぱちさせて……そして、僕のシャツのボタンにすりすり寄っていく。

「……うん?」

あれ、どうしてこの子はシャツのボタンにすりすりやっているんだろう。いや、すりすり、っていうか、ぐりぐり……?

「あ、あら?この子、もしかしてトウゴ君の召喚獣になりたいのかしら?」

僕が不思議に思っていると、クロアさんがそう言った。それを聞いて僕はびっくりするし、アージェントさんもびっくりしている。

「召喚獣って、シャツのボタンに入れるの……?」

「まあ……トウゴ君のシャツのボタンって最高級の真珠貝でできてるから、この大きさでも風の精くらいならなんとか入れる……のかしら?」

いや、入れないと思う。だって、ボタンだよ?コートのボタンとかならまだしも、シャツのボタンだ。小さい。しかも宝石じゃなくて貝だし。一応貝も宝石の内だっていうならそうなんだろうけれど、でも、それにしたって、無理があると思うんだけれど……。

「駄目だよ。そもそも君、アージェントさんのところの子だろ」

それに、この風の精はアージェントさんの召喚獣だ。だから、僕の召喚獣にはなれない。

僕がそう言って風の精を離すと、風の精は、ひゅるるる、と、風の音のような鳴き声を発しながら、しょんぼりと尻尾と耳と羽を項垂れさせた。

……そして。

ひゅっ、と、強い風が吹いたような音がすると、ふわふわふわ、と、風の精の体が膨らむ。鳥が力んだ時みたいに、毛が逆立ってふわふわになっているらしい。

僕らがぽかんとしながら見つめる中、そのまま風の精はどんどんふわふわになって……。

「なっ」

アージェントさんの悲鳴と同時、ぱちん、と、何かが弾ける音がする。

……アージェントさんの手の中では、ブローチの宝石が砕けていた。ええと、表面の、ごく薄い水晶の層だけ。

「契約破棄……だと?風の精の分際で?」

アージェントさんが誰よりも驚いてる。けれど、僕ら全員、びっくりしている。

僕らが全員びっくりの中、風の精はまた、僕のシャツのボタンに潜りこもうと頑張り始めている。

……けれどやっぱり、ボタンじゃ小さすぎるみたいで、風の精は上手く中に入れないみたいだ。

「あ、あの、待って。やっぱりボタンじゃ駄目だよ」

流石に駄目だろう、ということで、風の精を両手で持ってボタンから引き離す。風の精はしょんぼりとしてしまった。あああ……。

「ええと……アージェントさん。この子、もう一度、召喚獣にするご予定、ありますか?」

なので、つい、そう聞いてみた。

「いや……まあ、元はこちらの召喚獣だ。契約破棄した召喚獣など必要無いが、それでも、一応は、こちらの……」

「でもまあ、契約破棄されちまったんですからもうアージェント家の召喚獣じゃないですよね、こいつ!」

そして、アージェントさんが歯切れ悪く何かを答えるより先に、フェイが満面の笑みを浮かべてそう言っていた。

「ってことで、トウゴ!よかったな!その風の精、お前の召喚獣にしても問題ねえぞ!」

……ということで、アージェントさんはお帰りになった。天馬達に睨まれながらのご退場となったので、ものすごくやりづらかったと思う。

そして。

新しく描いて出したムーンストーンの中に出たり入ったり、風の精は嬉しそうに宙を飛び回っている。

「ま、よかったんじゃねえの?アージェントのところに居るよりは、お前のところに居た方がこの風の精だって幸せだろうし」

「そうだといいな」

なんというか……アージェントさんには申し訳ないけれど、僕はこの風の精、ちょっと気に入っていたので、来てくれて嬉しい。

これからよろしくね。

……ということで。

アージェントさんもお帰りになったところで、僕らはまた、ピクニック続行。

食べ物もお茶も追加した。しょっぱいものが食べたくなってきたので、枝豆を描いて出す。……出した途端に鳥の子達が寄ってきて啄んでいったので、もう一度描いて出す。そうか、君達も枝豆、好きなのか……。

「さて。問題は、封印の場所がどこか、だよなあ……。どうやら俺達、この森を守るだけじゃあ済まなさそうだぜ」

枝豆を食べながら、フェイがそう言って唸る。

「そもそもこの森に封印があったって事自体、俺、知らなかったしな。なあトウゴ。お前も知らなかったんだろ?」

「うん。知らなかった」

「だよなあ……俺も兄貴も親父も知らねえもん、そんなの」

僕ら、一応この土地の管理者なのだけれど、それでも知らなかった、気づかなかった、っていうことは……カチカチ放火王の封印の場所って、探すの、ものすごく大変なんじゃないだろうか。

「まあ……被害が出てしまえば、そこか、って分かるのだけれど。それじゃあ意味がないものね」

「そうだよな。1つでも多くの場所を救いてえ。ソレイラはまだ、龍が居たから何とかなったけどよ……他の場所であんな火事になっちまったら、死人が出るのは間違いねえ」

うん。被害が出てからだと遅いんだよ。その時にはもう、取り返しのつかないことになってしまっているはずだから。

だから、何としても、先に封印の場所を見つけておきたいし、なんなら、王城の裏手の封印の地まで引っ張らずに、その前まででカチカチ放火王を封印してしまいたいのだけれど……。

うん……。

「1つ分かっていることは、封印の場所は間違いなく魔力が濃いでしょう、ってことかしら」

クロアさんがそう、話し始める。

「森には結界があったでしょう?あれって、カチカチ放火王の復活を阻むためのものだったと思うのよね」

うん。それは僕もそう思う。

この森は、封印を守る役目を担っていたんじゃないかな。まあ、僕、その役目をあの鳥から引き継ぎされていないんだけれどね……。

「だから……ちょっと闇雲な探し方になるけれど、あちこちに行ってみて、魔力の多そうな場所があったらそこを探してみる、っていうことになる、かしら……」

うーん……まあ、そういうことになる、のかな。

「闇雲に探す、とは言っても、封印の目印のようなものはあるのか?決め手が何も無いなら探すだけ無駄だと思うが」

「あー、それなら多分、大丈夫だ。一応、ちょいと策は講じてあるぜ」

ラオクレスが疑問を呈したところで、フェイがニヤリと笑って……懐から、何かを取り出した。

「ほら見ろ!封印探知機だ!」

……それは、大きめの虫眼鏡みたいな形の、それでいて虫眼鏡のレンズが在るべき場所には模様が刻まれた金属の板と……宝石の破片みたいな、そういうものが嵌めこまれた道具だった。

「トウゴがぶっ倒れてる間に、ちょっと森の中、入らせてもらったんだけどよ」

「うん。くすぐったかった」

それはちょっとだけ覚えてる。フェイが僕のこと、くすぐるんだもん。焦げた葉っぱの下とか、わさわさ、って……。

「……俺は森を探しただけで、お前をくすぐっちゃいねえんだけどよー……ま、いっか。で、焼け跡からこれを見つけた、って訳だ」

フェイが示すのは、宝石の破片だ。

「多分、これが魔王封印を担っていたものなんだろうな」

……これを探すの、大変だっただろうな。何もかも焼けてしまって、魔力も瘴気とやらも渦巻いている中を、魔力敏感肌のフェイが探すのは、きっと、すごく大変だったと思う。

「つまり、これに残された魔力の残滓とか魔法の切れ端とかを頼りに、これと同種のものを探せるようにすれば!近くに行きさえすりゃ、ある程度はカチカチ放火王の封印の場所が分かる、ってことだ!まあ、試作品だけどな!」

「すごい!」

やっぱり、フェイはすごい。よかった。これで……これで、少し、可能性が見えてきた!

これを使って、カチカチ放火王が封印を破るより先に封印の場所が分かれば……先回りして、カチカチ放火王をそこで封印し直してしまうことができるかもしれない!

そうすれば、不要な被害も犠牲も、出さなくて済む!

……と、僕が希望に溢れていると、フェイは、へにゃ、と、情けない顔をした。

「ま、だから、魔力の多そうな場所をぶらぶらあてもなく散歩するしかねえよなあ……。ある程度は霊脈で見当つけられるだろうけどよー……」

そっか。ぶらぶらと、あてもなく、散歩に……。

……あれ。ということは……。

「……取材旅行?」

「は?」

「その、あちこちに行くわけだよね」

「そうだな」

そうか。そうか。

……僕、俄然、わくわくしてきた!

「つまり、色んな場所の絵が描ける!描きたい!」

……言ったら、皆に笑われてしまった。いや、でも……笑われても何でもいいから、僕、あちこちに行ってあちこちの絵を描きたい!描く!決めた!

「ま、トウゴのやる気が出るならそれに越したことはねえよなあ。うーん、なんか俺もやる気が出てきた気がするぜ!」

「ふふ。私も元気が出てきちゃったわ」

「……俺は少しばかり心配になったが」

ということで、これからの行動は、半分はカチカチ放火王の封印探し!もう半分は絵の取材旅行!

よし!頑張るぞ!楽しみだなあ!