軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

172 妥協を捨てて、だけど異世界で生きるために ※ナナミ視点

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●耐性

・毒耐性 レベル1~3 レベル3で毒無効 3/7/10

・病気耐性 レベル1~3 レベル3で病気無効 1/3/5

・老化耐性 レベル1~5 レベル5で不老 レべル3で老化速度1/2 3/5/7/10/15

・自然回復力アップ(傷) レベル1~5 3/5/7/10/15

・自然回復力アップ(精霊力) レベル1~5 3/5/7/10/15

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「ここは変化なしね」

変に項目が追加されてなくて良かったとも言える。

あまり選択肢が多いと、どうしても悩みが多くなる。

「耐性……耐性……か。ホントはこれもちゃんと考えなきゃなんだけど」

老化耐性のすごさばかり注目されているが、毒無効もなかなかのものだ。

たった10ポイントで毒が全く効かなくなるというのは現実には「特殊能力」の項目にあってもおかしくないチートだと思う。

あの世界に毒を持つ生物がどれほどいるかはわからないが、毒蛇とかサソリに対してほとんど無敵というのは、なかなかいいかもしれない。

私は蛇もサソリも好きだからね。

とはいえ、限られたポイントだ。ここは順当にいく。

私は病気耐性をレベル2(3ポイント)に、老化耐性をレベル3(7ポイント)に割り振った。

合計使用ポイントは10ポイント。残りは41ポイント。

ここは転移前からかなり優先順位が高いものとして考えてあった。悩む必要がない。

ちなみに自然回復量アップ(傷)はレベル3以上まで取れば有用だが、低レベルでは毛が生えた程度の効果しかないことがわかっている。ゾンビ戦士的なものを期待するには、レベル4以上は欲しい。まあ私は戦士ビルドにしないから必要ないが。

精霊力のほうは、個々人によって違う精霊力……いわばMPの総量に対しての回復割合だ。最大MP量が多いのか少ないのかもわからないこの段階で取るべきではないというのが定説である。

残りも見ていく。

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●身体能力

精霊力由来の身体能力アップ

・体力アップ レベル1~5 5/7/10/15/20

・生命力アップ レベル1~5 5/7/10/15/20

・精霊力アップ レベル1~5 5/7/10/15/20

・視力アップ レベル1~3 3/7/10

・聴力アップ レベル1~3 3/7/10

・嗅覚アップ レベル1~3 1/3/5

・味覚アップ レベル1~3 1/3/5

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ここは大きな変化はない。

必要ポイントも同じだ。

元々、目が悪かった私からすると、視力アップは魅力的だが、今のところはいいだろう。取った瞬間から貰えるなら、ダーツ転移が有利に働きそうだが、能力が得られるのは転移後だ。

とりあえず、ここはスルーで。

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●精霊術

・火の精霊術 10p

・水の精霊術 10p

・風の精霊術 10p

・土の精霊術 10p

・光の精霊術 10p

・闇の精霊術 10p

・混沌の精霊術 150p

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「150って……」

回復魔法がなくなり、替わりなのかなんなのか、混沌の精霊術が生えていた。

しかし、150ポイントはエグい。無理をすれば取れなくもないだろうが、ロマン選択肢以外の何物でもないだろう。

あの世界では「混沌」のことを「魔」とも呼ぶのだとセリカちゃんが座学で教えてくれた。故に混沌の精霊石は別名「魔石」。

つまり、この混沌の精霊術とは「魔術」のことなのだろう。

ヒーちゃんが戦った魔王が使っていたのが魔術だったはず。あれが使えるようになるということなのだろうが、それにしても150ポイントは……。

長いスパンでみれば数年も貯めれば取得自体は可能かもしれないし、中には加齢を何十年単位でやって取得してしまう猛者もいるのかも。現実的安パイを取るような生き方をする人ばかりではないだろうし。

ただ、回復魔法の時もそうだったが、必要精霊力という要素もあるわけで、それだけ持っていても宝の持ち腐れとなるのは、少し考えればわかることだ。

これも私には関係がない。精霊術もこの段階では当然とらない。

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●アイテム

・転移者オススメ基本アイテム詰め合わせ 10p

《・お金(中) ・各回復ポーション詰め合わせ ・初心者用『術』スクロールパック(「火槍」×1 「風刃」×1 「土壁」×1 「水癒」×1 「幻光」×1 「闇霧」×1 「小癒」×3 「中癒」×2 「大癒」×1 「解呪」×1 「恐怖」×1 「小転移」×1) ・応急処置セット ・周辺地図 ・世界地図 ・コンパス 冒険者装備一式(シャツ・外套・パンツ・ベルト・下着×3・靴下×3・ブーツ・帽子・革手袋・革の胸当て・ショートソード・ショートスピア) ・ノート ・筆記用具セット ・食料3日分(弁当箱・水筒) ・長期保存携行食セット ・食器セット ・タオル×5 ・ハンカチ×5 ポケットティッシュ×10 ・ナイフ ・毛布 ・ランタン ・オイル ・マッチ ・手鏡 ・携行用スコップ ・リュックサック ・ベルトポーチ ・ナイロンロープ ・針金 ・布テープ ・ソーイングセット ・麻袋×2 ・各精霊石×1》

※ 基本パックでしか手に入らないアイテムもあるので、取らない場合は慎重に。

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基本アイテム詰め合わせは十数ポイント分か、もしかすると20ポイントに相当するお徳なセットである。だがそれでも10ポイントは大きい。

しかも、転移後は取れないので、これを取るかどうかの選択も実はけっこう重要だったりする。……まあ。私は取らないけど。

画面を下にスクロールすると、交換できる装備品や道具類などが大量に出てくる。

考えてみると、いつでもどこでも物が手に入るというのは、それ自体がもの凄いチートだ。転移者全員が「買い物スキル」みたいなものを持っているのに等しい。

ポイントを持っていることが前提になるとはいえ、この優位性はしっかり考えておくべきだろう。

第一期転移者の中でも、ジャンヌさんは「常に6ポイントは残すようにしている」そうだ。流石と言わざるを得ない。

「ん? これは追加アイテムか」

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・身代わりの指輪 1ポイント

第2陣転移記念サービスアイテム。致死級のダメージを1回だけ肩代わりしてくれる指輪。譲渡不可。交換可能回数1回のみ。

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「妙にゲームに詳しい神だな……」

RPGではたまに見かける身代わりアイテムだ。

即死魔法を食らった時に身代わりに砕け散ったりするアレだろう。

当然欲しいが、これも後回しでいいだろう。同じポイントなら結界石のほうが優先度が高い。

それ以外のアイテムは、それほど大きな変化はなさそうだった。

いずれにせよ、アイテムは後から取得できるから、今は取らない。

「……じゃあ、振るかな。迷うけど……私は自分を信じる」

残りポイントを考えれば、身体能力に全振りするのが正解なのだろうが、私にはそのつもりはなかった。

(セリカちゃん、ゴメンね)

頭の中で謝ると、「特殊能力」の項目を開き、私は『意思疎通』を選択した。

あれだけ言っておいたのに結局、姉さんはこれだ! と叫ぶ声が聞こえるようだが、私は私の信念に基づいてポイントを割り振っている。

他に「正解」があったとしても、それを選ぶかどうかはまた別の話なのだ。

セリカちゃんの言い分ももちろんわかる。

「安全な転移先に」「基本アイテムパックと共に」「身体能力をアップさせて転移」

これが大正解だろう。さしあたり、絶対にすぐには死なないはずではある。

だが、結局は長所を伸ばさなければ先はないのだ。

ここでの選択が一生を決めると言っても過言ではないのだから、単純な「安定」だけで決めるわけにはいかない。

体力や生命力に極振りした転移者はジャンヌさん以外にもいるが、強くて人気となったのはジャンヌさんだけだ。確かにそういう転移者の生存率が抜きん出て高いのも確かだろうが、私はただ生き残るために転移するわけではないのだから。

正直に言って、私は運動はそんなに得意じゃないから、剣や槍を持って戦うのもたぶん下手だ。なにより、今あのメンバー……リフレイアさんや、ジャンヌさんの中でさらに近接戦闘が得意な者が混ざってもなという思いもある。

それとは別に、私自身がやりたいこともあるし。

「ナナミンは意思疎通がいいんじゃないかニェー。動物好きだし」

と、独特のイントネーションでカレンちゃんもこっそりオススメしてくれたというのもあって、選択肢が大きく変化がなく、転移場所の選択肢次第では、それを取ることを考えていたのである。

まあ、そうでなくても単純に意思疎通は狙い目らしい。

30ポイントは大きい。だが、それだけの価値があるのは間違いがない。

意思疎通をとった転移者は少ないが、この能力があれば動物はおろか、魔物とすら意思を通わせることができるのだから。説明には「動物」と書かれているが、実際には魔物でも問題なく意思を通わせられるのだ。

ただまあ、魔物は原則人間とは敵対的な生物で、意思が通ったとしても別に仲良くなれたりはしないようだが……。

あの世界の動物は大きく強い。当然、戦うことで強くなっていくし、理論上は「怪物」になるまで育てることも可能だという。

それに特殊能力は転移後には取得できない。

そういう意味でも、ここで決断するしかないのだ。

「これで残り11ポイントか……」

さらに何かを取得するには微妙な数字である。

最初から、ある程度はポイントは残すつもりだったが、あとはこの残りポイントをどういう風に運用していくかである。

転移場所はまだ変更可能だが「安全な大陸転移」をするにはポイントが足りない。まあ、ここはダーツに賭けよう。

ダーツ転移を選ぶ以上、ランダムの要素が絡む。街までの移動を考えれば、高性能世界地図が必須となるから、そこで3ポイント。

結界石で1ポイント。

ヒーちゃんのように、足場の悪い場所に飛ばされた場合は靴が必要になる可能性もある。

いずれにせよ、不測の事態に対応する為にポイントを残すのは、今回の転移では基本になる。

とすると、今ここで使えるとすればせいぜい3ポイント程度だろうか。

いや、ここでしか弄れない項目に入れないのならば、無理に使う必要はないか。

だとすると、年齢をもう一つ増やすか、不利な要素を入れるかだ。

大食らいを取って「暗視」を取るのも一つの手としては悪くない。彼と共に生きるなら、ずっと活きる能力となるだろう。

ただ、大食らいのデメリットが大きすぎる。単純に、恥ずかしいというのもあるし。

「う~ん……」

暗視は15ポイントだ。

無理をすれば取れる。取れるが、意思疎通を取った私はもうその時点で前衛はやらないということだ。当然斥候だってやらない。

ならば、暗視は必須能力ではない。ヒーちゃんがその役目を負うならば、私は足りないところを補うほうがいい。

純前衛の戦士も足りている。

とすると、テイムした生き物を使役しつつ、回復と補助が行える水の精霊術士とか、そのあたりが目指すラインになるだろうか。

後衛として弓を使うという手もある。それをするなら暗視もいいが、視力アップを取るでもいいし――

考えればいくらでも方向性は考えられた。

でも、未来のことを考えすぎても仕方が無い。まずは合流することなのだから。

能力でいえば「意思疎通」をとった時点で、すでにかなりの賭けに出ている。これ以上の我が儘は身を滅ぼすような気がする。

残ポイントは命の数みたいなものなのだ。

「……これでOKにしよう。問題は転移してからだしね」

セリカちゃんが言うように、安全な場所に体力と生命力に極振りして転移するのが、最も安定するのは間違いがない。何年かかるかはわからないが、いつかはヒーちゃんとも合流できるだろう。

彼がそれまで生き残ることができれば。

ヒーちゃんは私のせいで、未だに地球人全体から憎まれていると勘違いしているのだ。

ジャンヌさんたちのおかげで、多少は精神的に持ち直したようだが、まだなにが切っ掛けにおかしくなるかわからない。

……いや、もしかするとすでにどうしようもなくおかしくなっていて、外からはまともに見えているだけである可能性すらある。

まして、第二陣転移者はリングピルを選択してメルティアを目指す者も多いはず。

彼らが真実を告げてくれるかわからない。

あるいは、ヒーちゃんは話すら聞かずに彼らを遠ざけようとするだろうか。

だから、私だ。私が彼に本当のことを伝えなければならないのだ。

彼の心を救えるのは私だけなのだから。

最後にもう一度選択肢を確認する。

意思疎通の30ポイントは本当に大きい。これを取るということは、つまりテイマーとして生きるということを意味している。

第一段転移者で意思疎通を取った人によると、動物の考えていることが、わりとハッキリと伝わってくるのだそうだ。こっちの気持ちもちゃんと伝わるのだという。

心と心で通じ合う、いわばテレパシーのようなものなので、邪心や打算もすべて筒抜けになってしまうとのことだが……まあ、そこは問題ないだろう。

私はもう一度すべて確認してから、完了ボタンを押した。

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・名前:ソウマ・ナナミ

・年齢:15歳 ▽

加齢 1年 +3p

・性別:女

・特殊能力 ▽

意思疎通 30p

・身体能力 ▼

・耐性 ▽

病気耐性:レベル2 3p

老化耐性:レベル3 7p

・魔法 ▼

・アイテム ▼

・転移ポイント ▽

ダーツ転移 +5p

・不利な要素 ▼

残りボーナスポイント 11p

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『あなたはダーツ転移を選択しました。隣の部屋でダーツを投げ、転移場所を決定してください』

そう表示されてから隣の壁を見ると、扉が発生していた。

さっきまではなにもない部屋だったはずだったが。

隣の部屋に入ると、壁に地図が貼られ、小さなテーブルの上に一本のダーツ。

「地図かなり小さいな……。確かにこれは難易度が高い」

あの世界の地理については、もうある程度は研究が進んでいる。

全体的に地球とかなり似ていて、気候条件なども酷似しているらしい。

当然、私はメルティアの場所が世界地図でどこにあるかは把握してある。そうでなければ、ダーツ転移を選ぶわけがないが。

スローラインは赤く引かれているが、近寄って地図を見ることも可能だ。

もちろんズルをしてスローラインより前で投げたら、かなり厳しいペナルティがあるだろうことは想像に難くない。

地図の寸法は横50センチ、縦40センチ程度だろうか。

ある意味では、この地図が見れること自体がネタバレではあるのだが、第二陣転移者は全員この程度の知識は持っているわけだから、神はそこは織り込み済みということだ。まあ、リアルタイム放送なんて悪趣味なものをやっているのだから、当然といえば当然だが。

もしかしたら、地図が回転している可能性もチラリと考えたが、それだと事実上のランダム転移と同じだから無いとは思っていたが、回転してなくて本当に良かった。

さすがに回っている地図の狙った場所に入れるようなテクニックはない。

とはいえ、地図は小さい。

少なくとも、地球の世界地図の日本の本土に命中させる程度の精度は必要だろう。そうでなければ、合流するのにかなり時間が必要になってしまう。

「さーて。確実にブルズアイに入れなきゃなんないダーツか」

大陸でいうとリングピルはけっこう小さい。

3メートルも離れているならなおさらだ。

ただ、今の私はすでに「視力が回復している」。

しかも、ダーツはなぜかセリカちゃんと良い勝負ができた数少ない特技なのだ。

「女は度胸! 待っててね、ヒーちゃん」

私は、スローラインに立ち、メルティアに向けて躊躇なくダーツを投げた。

ダーツは綺麗な放物線を描き、トスッと地図に突き刺さった。

『あなたの転移場所が決定しました』

『それでは、素晴らしき人生を。あなたの幸運を祈ります』

私はまばゆい光に包まれた。