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作品タイトル不明

家康が帰る頃、秀吉は相談する

慶長元年(1596年)六月三十日

播磨国 柴田家屋敷

「それでは三郎殿、大和国で戦になった場合、九太郎と九次郎は勿論じゃが、竹千代も出陣させるので、六三郎殿が到着したら教えてくだされ」

「うむ。色々と慌ただしくなって済まぬ!じゃが九太郎殿の嫁候補が出来たのじゃから、六三郎にもしっかり働かせよう!」

「よろしくお願いします」

家康の孫の九太郎が遠藤家の藤乃にプロポーズした翌日、亀姫の目的である「娘の昌美の嫁ぎ先確保」と「息子達の嫁ゲット」のうち

「息子達の嫁ゲット」を嫡男の九太郎が条件付きとはいえ達成したので、家康は一旦帰る事を決めて、信長達に挨拶していた

そんな中で九太郎は

「右府様!越前守様!奥方様!絶対に藤乃殿を嫁に迎える為、見事武功を挙げてみせます!藤乃殿にそうお伝えいただきたく」

まだ戦が始まったわけでもないのに、かかり過ぎな程、気合いが入っていた。そんな孫を引き連れて家康は帰って行った

家康達が帰った後、信長達が大広間に戻ると秀吉が正座して待っていた。秀吉を見た信長は

「藤吉郎!お主も慌ただしくさせて済まぬな!備中国から来たのに、息子も娘も縁談が無しで済まぬ」

「息子の嫁や娘の嫁ぎ先も無しで済まぬ」と詫びていた。そんな信長は勿論、勝家や市に対して秀吉は

「いえ、これも息子達、娘達には良い経験でしょう。それに、此度息子達の逞しくなった姿を見る事が出来ただけでも、嬉しいかぎりです」

「子供達の成長した姿を見る事が出来ただけでも嬉しい」と伝える。それを聞いた信長は

「そう言ってもらえると、儂としても気が楽じゃ。それで、この後は直ぐに出立するのか?」

秀吉に出発の確認をする。すると秀吉は

「実は、出立前に大殿と親父殿へ相談したい事があります。よろしいでしょうか?」

信長と勝家に相談があると話す。それを聞いた信長と勝家は

「先ずは申してみよ」

「どの様な内容じゃ?」

了承して、秀吉に話す様に促す。促された秀吉は話し始める

「ありがたき!それでは、お話させていただきますが、相談したい事は二つありまして

一つは此度、拙者と共に来た加藤虎之助の母の伊都の事です。虎之助本人から話させていただいてもよろしいでしょうか?」

最初は清正の母の伊都の事だと伝えて、清正本人から話す許可を求める。それに信長と勝家は

「良かろう」

「虎之助、話してみよ」

了承したので、清正は話を始める

「ありがたき!それでは、右府様も越前守様も、拙者の母上が二十年程昔に六三郎殿に召し抱えていただいた理由が

「拙者が出世する前に会いに行くと迷惑がかかるから、そうならない為」であった事をご存知かと思いますが

この二十年、小姓として仕え始めた頃から数えると二十五年、一時出奔した事も有りましたが、

殿をお支えする為に働き、今では領地を賜り、家臣も少ないながらに召し抱えております

そして、嫁も迎えました!殿からもお許しを得た今、母上を拙者の元に迎えたく!お許しいただけますでしょうか!?」

清正の相談は、「母の伊都を自分の元に迎えたい!」だった。二十年前と違い、出世も果たして、領地も有り、家臣も居る

更には嫁も居る。今の自分なら伊都に苦労させないから!迎える許可をください」との内容だった

清正の相談を受けて信長は

「権六、儂としては伊都を虎之助の元に行かせてやっても良いと思う。母の願いを叶えたのじゃ、行かせてやってくれぬか?」

母親が関わる事なので、どうしても優しくなっていた。勿論、勝家も反対する気は無いので

「拙者も大殿と同じ思いです。虎之助、後程、伊都と話してみよ。藤吉郎、済まぬが出立は虎之助と伊都の話し合いの後としてくれぬか?」

清正に「伊都と話し合ってみろ」と伝えて秀吉には「話し合いが終わってから出立してくれ」と頼む

勝家の頼みに秀吉は

「ははっ!無理を聞いていただき、誠に忝うございます!」

頭を下げて感謝を述べた。清正の相談が一段落した事を察した勝家が

「改めてじゃが藤吉郎、二つ目の相談内容を話してくれ」

二つ目の相談内容を話す様、秀吉を促す。促された秀吉は話し始める

「ははっ!それでは二つ目の相談ですが、前日に徳川様の孫の九太郎殿が六三郎殿と共に出陣する旨を話しておりましたが

その戦に拙者の倅達も出陣の許可をいただきたく存じます!」

相談内容は「自分の息子達も六三郎と一緒に出陣させてもらいたい!」だった。相談を受けて信長は

「藤吉郎、出陣を求めるのは良いが、儂が想定しておる六三郎に任せたい事は大和国の領民が伊賀国に逃げておる事で

状況次第では戦にならない可能性もある。それでも良いか?」

「戦にならない可能性もあるぞ」と秀吉に話す。秀吉は

「それでも構いませぬ!戦にならずとも、戦場に近い空気を感じるだけでも、良い経験となるでしょうから!」

「その場の空気を感じるだけでも良い」と返す。それを受けて信長は

「分かった。じゃが、六三郎が居ると何故か戦になる様な気もする。なので、念入りに準備しておけ」

「六三郎が居るから戦になるかも」と、フラグ発言をする。その発言に秀吉も

「拙者も、六三郎殿は戦に巻き込まれる様な気がします。ですが、六三郎殿と共に行動する事で、戦場がどの様な物か分かるはずです」

「そうなる可能性があるけど、それも良い経験になる」と信長へ返す。これに対して信長は

「分かった。藤吉郎、倅達に初陣が半分くらい決まったと伝えておけ」

「ははっ!」

改めて秀吉に息子達の初陣を許可した。前日の九太郎に続いて、六三郎の戦に重要人物が参加する事が決定した。