軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

それぞれの出発の前の確認事項

天正二十三年(1595年)三月二十六日

播磨国 柴田家屋敷

「親父殿。本日、安土城へ出立します」

一夜あけ、秀吉は次三郎と吉姫を連れて行く準備が整った事を勝家に挨拶する為に、大広間に来ていた

そこで勝家は

「うむ。よろしく頼む。しかし、藤吉郎よ。何故この場に吉姫がおるのじゃ?」

秀吉の挨拶の場に吉姫が居る事を疑問に思い、質問する。勝家の言葉に秀吉は

「はい。この場で吉に確認しておきたい事がありまして、親父殿とお市様が居てくれたならば、有り難いのですが、よろしいでしょうか?」

「吉姫に確認したい事があるから」と返した。それを聞いた勝家は

「儂は構わぬが、市は良いか?」

「ええ。別に構いませぬ」

市に確認して、市も了承する。それを書くした秀吉は改めて

「忝うございます!それでは、吉。お主が次三郎様と良い仲である事は知っておるぞ。そこでじゃが、吉。

お主が次三郎様と仲を深めたのは、変な下心、それこそ儂や兄の長望丸が織田家で立場を高める為ではないのじゃな?」

吉姫が長忠と良い仲なのは、羽柴家の為なのではないのか?と質問する。父である秀吉の言葉に吉姫は

「父上!その様な事はありませぬ!そもそも、父上と母上が、越前守様の長男で柴田家当主である播磨守様の話をしていた事を

次三郎様にも話したところ、次三郎様もお父上である内府様から播磨守様のお話を聞いていた様で、そこから仲を深めていったのです!

つまり!播磨守様の英雄譚を話し合っていた事がきっかけです!下心など一切ありませぬ!」

「六三郎のありえへんストーリーを話していたら、良い仲になっただけ!下心は無い!」と秀吉へ言い切った

それを聞いた秀吉は

「そうか。次三郎様にも六三郎殿のこれまでやって来た事を、勘九郎様から教えていただき、それを吉と話して意気投合したら、良い仲になったと。そう言う事じゃな?」

「はい。下心など一切ありませぬ!」

長忠と吉姫が純粋な仲であると確認し、吉姫もそうだと答える。このやり取りを見ていた勝家は

「まあまあ、藤吉郎。次三郎様と吉姫の共通の話題が六三郎の事なのは、親としては不思議な気持ちになるが、邪な下心など無いと分かったのじゃ、これで安心して安土城へ出立出来るな?」

「ははっ!拙者の考え過ぎであったと分かりました!それでは次三郎様と吉を安土城へ連れて行きます!」

「うむ。気をつけてな!」

六三郎の話が2人をくっつけた事を不思議に思っていた。それでも秀吉に気持ちを確認して、秀吉も安心した様子で、長忠と吉姫を安土城へ連れて行く為、柴田家屋敷を出発した

一方その頃、陸奥国の伊達家では

「伊達様!片倉様と柴田様から託された髪飾りですが、予備の物も含めて百八十個を作り終えましたので納品させていただきます!」

「うむ!竹助殿、誠に感謝致す!これを全て畿内で売り捌いて、先ずは伊達家の領地を富ませるぞ!冬の百姓仕事が出来ない間の米も買って、食う物に困らぬ様にしたら、陸奥国統一の始まりじゃ!」

竹細工職人の竹助が、依頼されていた竹細工製のカチューシャ180個を完成させて納品していた。本来ならば150個で良かったのだが、竹助は予備のカチューシャまで作って納品していた

そんな竹助だったが、政宗に対して

「あの伊達様、自分みたいなまだまだの職人が屋号を、それも「伊達屋」と言う家名を付けても、良いのですか?」

「伊達屋」と言う屋号をもらった事を、本当に良かったのか確認していた。政宗は

「気にするな!これは柴田殿と話して決めたのじゃが、竹助殿の見事な腕を畿内の職人が真似ても、簡単にこの髪飾りは作れぬが、見た目では分からぬからこそ

髪飾りに「伊達屋」と彫らせた。これで、他の職人が同じ様な髪飾りを作ったとしても、それは偽物である証になると、柴田殿が提案したのじゃ!そうであったな柴田殿」

皆さんこんにちは。伊達政宗に話を振られた柴田六三郎です。大まかな話を聞いている皆さんなら、今回俺が提案した、ケモ耳カチューシャの海賊版と混同されない為の動きなんだと分かると思いますが

これは著作権アピールです。まあ、毛皮を回収する事は簡単ではないですが、竹細工職人は日本の各地に居るので、

竹助さんのカチューシャを真似する奴は出てくるでしょう。と言う事で、念の為の予防です。これで伊達家にお金が大量に入って、

自力で陸奥国統一が達成されたら、俺は動かないで領地でゆっくり出来ますからね!俺が出張しない!これ大事!恐らく九州の戦が終わったら、しばらくは何も無いはずです!

だからこそ、そんな時に陸奥国に行くなんて、お断りさせていただきます!ああ、済みません。話がそれましたね

「ええ。この髪飾りが売れまくった場合、真似をする者達が出てくると見て間違いないでしょう。そこで、混同されない為の処置です

さらに申すのであれば、この髪飾りを見た公家や商人が、「伊達屋」へ特別注文をするかもしれませぬ。それもまた、伊達家の銭になりますので、

陸奥国統一の一助になる様に、考えた屋号と彫り込みです」

六三郎かそう説明すると、政宗は

「そこまで伊達家の陸奥国統一の事を考えてくださるとは!「内政においては仏の様」と言われております柴田殿の二つ名、「柴田の鬼若子」は誠だったのですな!」

六三郎の「陸奥国統一の戦に俺を呼ばないでね」と言う思いを、盛大に勘違いしていた。そんなやり取りを終えると信長より

「それでは、明日の朝早くに出立する!皆もその為の準備を忘れるでないぞ!」

「「「「「ははっ!」」」」」

明日の朝に出発する事が発表された。こうして、六三郎の陸奥国での仕事が一通り終了した。