軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

若き竹細工職人は日本初を目指す

景綱の熱意に折れた竹助は、景綱と六三郎、そして景綱の護衛1人、六三郎の護衛から信繁1人、合計4人を家の中に案内した

家の中には、製作途中の竹細工が所狭しと置かれており。足の踏み場も少なかった。そんな状態だったので最初にした事は、座る場所作りの為の掃除だった

掃除開始から、およそ20分。ようやく座るスペースも出来たので、腰を据えて話し合いがスタートすると、竹助は

「あの、それで片倉様と柴田様でしたか?自分に何を作ってくれと仰るのでしょうか?自分は爺様と違って、まだまだの職人ですから、とても難しい物は無理です」

「難しい物は勘弁してくれ」と、早くも断る姿勢を見せていた。そんな竹助に景綱は

「竹助殿、その様な事を言わないでくだされ。先ずは物を聞いてからでも、柴田様。御説明をお願い出来ますか?」

何とか作る方向に持って行こうとしたが、力押しはダメだと判断したのか六三郎に説得役をバトンタッチする

役目を受けた六三郎は

「竹助殿。拙者達が作ってもらいたい物を巨大化した物をお見せしましょう。そこから説明しますので、先ずは、これを」

そう言って、風呂敷から信繁の折れた牛の角を見せる。角を見た竹助は

「柴田様。まさかと思いますが、竹細工で牛の角を作れと仰るのですか?それでしたら牛を飼っている家から、角を譲り受けた方が早いと思いますが」

「牛の角が欲しいなら、牛を飼っている家から貰え」と六三郎に言う。しかし六三郎から出た言葉は

「竹助殿。拙者達が竹助殿に作ってもらいたいのは、牛の角ではなく、この形、つまり曲線なのです!この牛の角と同じ曲線を竹細工で作って欲しいのです!」

「竹細工で牛の角と同じ曲線を作ってくれ」だった。この言葉を言った六三郎は

(多分、これで伝わるよな?俺が作ってもらいたいのは、竹細工出て出来たカチューシャだ!それから、竹助さんの腕次第では、耳の骨組も作って欲しい!

それが完成出来る腕なら、間違いなく畿内で冬限定の商品として売れる商品になる!鹿耳、熊耳、ウサ耳、そしてキツネ耳を余った毛皮で作る事が出来て、

尚且つ、神戸家でモデルとして抜群の女の子に着用させて働かせたら、それを見た親が買う可能性は高いと見て良い!)

説明し終えると、頭の中で色々と考えていた。六三郎の説明を聞いた竹助は、牛の角を見ながら

「この曲線を、自分が」

職人の顔になっていた。更に竹助は

「柴田様!この曲線を竹細工で作る事は分かりました。ですが、大きさとかはどれ程になるのですか?」

自らサイズを聞いて来た。そこで六三郎は

「そうですなあ、これは子供向けから大人向けまでの大きさを揃えていただきたいので、1番小さい物で三寸、そこから2寸ずつ大きくして、最終的に一尺くらいまでの物を、それぞれ30個ずつお願いしたく!」

具体的なサイズの指定もする。それを聞いた竹助は

「合わせて百五十ですか。片倉様、柴田様。ちなみにいつ迄に作りあげなければならないのでしょうか?」

完成期限かいつ迄かを確認すると景綱は

「卯月になったら、畿内へ向けて販売に向かう事を考えると、弥生の内には百五十全て完成させていただきたい!」

「今から3月いっぱいで完成させてくれ!」と頼み込む。それを聞いた竹助は

「片倉様、柴田様。作る事に関して、お受けします。ですが、ひとつお頼みしたい事があります」

「ど、どの様な事でしょうか?」

「はい。それだけの数を作るのですから、竹を伐採する時間も勿体ないので、伊達家の皆様で竹を伐採して、自分の家に持って来ていただきたいのです」

「竹を伊達家で伐採して持って来てくれ」とリクエストして来た。竹助のリクエストに景綱は

「分かりました!殿にその旨、お伝えしましょう!」

即決した。それを聞いた竹助は

「ありがとうございます。これで作る事に集中出来ます」

とても喜んでいた。しかし六三郎からの追加発注で、その気分もすぐに吹き飛んだ

「竹助殿。ひとつ伝え忘れた事があったのじゃが」

「何でしょうか?」

「此度、作ってもらう物じゃが、この曲線に形作った物に穴を開けて、獣の耳の様な形に作ってもらいたい!」

「ええ!?曲線にするだけでも、強度が不安なのに、そこから更に穴を開けて、獣の耳みたいな形にするんですか?そ、それは、あまりにも」

六三郎の追加発注を聞いた竹助は、仕事を断ろうとする空気になっていた。それを察した六三郎と景綱は

「竹助殿!この髪飾り製作、受けてくだされ!」

「今年の年末に畿内で、この髪飾りを含めた物を伊達家の特産品として、畿内で売ってくるのじゃが、間違いなく売れると伊達家は確信しておる!

その売り上げで冬の季節に、領民達への食料を買うつもりじゃ!この雪深い会津で、冬に貧しい思いを領民達にさせたくないからこそ、竹助殿!頼む!」

2人揃って頭を下げていた。護衛の2人も同じく頭を下げていた。その状況に竹助は

「分かりました!分かりましたから、作りますから、お顔を上げてくだされ!」

熱意に押されて、仕事を断らずに済んだ。そして、六三郎に対して

「柴田様。皆に耳の形は、熊みたいに丸い形と兎みたいに縦長の形を半々でよろしいでしょうか?」

耳の骨組みの形まで確認する程、仕事内容を確認する様になった。こうして、恐らく日本初のケモ耳カチューシャの製作がスタートした。