軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

伊達家における社畜ポジションが見つかる

信長に頼まれた兵五郎は、屋敷内を走り回りながら、家臣を探していた。そこにタイミング良くと言うか、運悪くと言うか、兵五郎に見つかった男が居た

その男を見た兵五郎は

「 孫兵衛(まごべえ) 殿!」と呼ぶ。孫兵衛と呼ばれた男は

「兵五郎様。この後藤に何か御用でしょうか?」と穏やかに質問する。この後藤に兵五郎は

「孫兵衛殿!大広間に来てくだされ!拙者では対応出来ない事を、ある方から頼まれております!」

余程パニックになっていたのか、信長からの命令である事を伝えずに、後藤に大広間に来る様に頼む。兵五郎の頼みに後藤は

「分かりました。きっと、殿か義姫様が兵五郎様に頼んでおると思いますが、行きましょう」

政宗か義姫が何かしら言っているのだと思い、兵五郎と共に大広間に向かうと

「右府様!家臣の方を連れて参りました!」

兵五郎は思い出した様に、後藤の目の前で「右府様」と叫ぶ。それを聞いた後藤は

「う、う、右府様!!?ま、誠に、右府様、なので、す、か?」

天下人を目の前に、一気に緊張感が襲って来たのか、言葉遣いがおかしくなる。それでも平伏する事は忘れていなかった様で、即座に平伏する。そんな後藤と兵五郎に信長は

「兵五郎。よくぞ連れて来た。さて、伊達藤次郎の家臣殿。自己紹介をしておこう。儂は織田従二位右大臣三郎じゃ。家臣殿、名を教えてくれぬか?」

自己紹介しながら、名前を聞くと

「は、はい。 後藤孫兵衛信康(ごとうまごべえのぶやす) と申します」

緊張しながらも、しっかりと自己紹介を行なう。そんな後藤に信長は

「後藤孫兵衛じゃな。それでは孫兵衛殿。前置き無しに話すが、そこに居る兵五郎が藤次郎の嫁の愛姫が腹が痛いと言っておる事を、

祖母である義殿に伝えに来たのじゃが、義殿は恐らく出産間近であると言って、愛姫の元に向かった。それは別に構わぬ

じゃが、此度伊達家に世話になっておる柴田播磨守の母の出産の頃から始まった事として、

「織田家家臣の出産の際、織田家の人間がその場に居たら神棚を作り安産祈願を行なう」という事が慣例化しておるのでな

ならば、この伊達家でも同じ事をしたいと思ったのじゃが、流石に今から神棚を作るのは無理であるから、そこでじゃ孫兵衛殿!

藤次郎の亡き父君の位牌に手を合わせての安産祈願でも良いと儂は思ってな、それを義殿に伝えて実施したいのじゃが孫兵衛殿、頼めるか?」

陪臣に頼むには重めな事を頼み込む。天下人の命令を受けた後藤は

「は、は、は、ははっ!義姫様に伝えて参ります!」

天下人からの命令に緊張感が増したのか、滑舌が少しおかしくなっていたが、それでも命令を義姫に伝える為、大広間を出ていく

そして、義姫が愛姫の出産用の部屋に居る事を確認して、襖の前で

「義姫様!いきなりで申し訳ありませぬ!少しばかりよろしいでしょうか?」

義姫を呼び出す。呼ばれた義姫は、部屋の前の廊下に出ると

「何事ですか?今は、愛の出産中ですよ!余程の事で無いかぎりは、後回しにしてください!」

タイミングの悪い時に呼び出した後藤に、

「大した事じゃないなら後回しにしろ!」と伝えると、後藤は

「義姫様。実は右府様より、愛姫様の安産祈願をしたいが、神棚的な物が無いので、御先代様の位牌に手を合わせて安産祈願を行ないたいとの申し出がありました

ですが、流石に勝手な事は出来ぬので、拙者に義姫様からの許可を得てくれと、兵五郎様が最初に頼まれた事を拙者が更に頼まれた次第にございます!

信長の命令内容を義姫に正確に伝える。それを聞いた義姫は

「まあ!家臣の嫁の安産祈願を行なってくださるなんて!やはり天下人となるお方は、戦が強いだけでなく、優しさもお持ちなのですね!

分かりました!孫兵衛!私の部屋に右府様一行と兵五郎も案内しなさい!総次郎様の位牌を神棚代わりにしましょう!右府様にその旨、伝えて来なさい!」

「ははっ!」

信長の希望を了承し、その旨を信長へ伝える様、後藤を大広間へ向かわせる。そして、大広間に到着した後藤は

「右府様!義姫様より、亡き御先代様の位牌に手を合わせて安産祈願をしていただきたい!」との事にございます!」

義姫の言葉を信長に伝える。それを聞いた信長は

「うむ!それでは孫兵衛殿!案内を頼む!それでは皆は勿論じゃが、兵五郎!お主の弟か妹が産まれてくるのじゃ!安産祈願に行くぞ!」

兵五郎にも安産祈願に行く旨を伝えると、兵五郎は

「はい!弟ならば、伊達家の嫡男になります!無事に産まれてくる様、兄としてしっかり祈願したいと思います!」

とても数えで4歳とは思えない程、しっかりした受け答えを見せる。それが気に入ったのか信長は

「幼いながらに、家の事を分かっておるとは。立派じゃ!よし、それでは孫兵衛殿!案内を頼むぞ!」

兵五郎を褒めていた。そして、すぐに後藤に案内を頼むと、後藤は緊張しながらも信長一行を義姫の部屋に案内する

部屋の前には既に、義姫が待機しており、

「右府様、そして皆様方!安産祈願をよろしくお願いします。兵五郎、あなたの弟か妹が産まれますからね!無事に産まれてくる様、祈願してください」

信長一行と兵五郎へ安産祈願を頼み、部屋の中へ案内すると

「総次郎様。日の本から戦を無くしてくれるであろう、天下人の織田右府様が私達の三人目の孫の安産祈願の為に来てくれました!

総次郎様も孫が無事に産まれてくる様、力を貸してください!」

亡き夫、伊達総次郎輝宗の位牌に手を合わせて安産祈願の旨を伝える。そして、義姫の次に信長が

「伊達家先代の総次郎殿。拙者、織田右府と申す。貴殿と義殿の三人目の孫が無事に産まれる事を祈願する為、貴殿に手を合わせる事、了承してくれ」

そう言うと、信長一行は勿論、兵五郎は手を合わせて安産祈願を始めた。それを見た義姫は

「右府様、そして皆様。ありがとうございます。私は愛姫の元に戻って出産を助けて来ます」

そう言って愛姫の元へ戻って行った。まだまだ出産は終わらず、熊退治も終わったわけではないが、このやり取りを見ていた伊達家家臣達からは

「これからは何かあったら、後藤殿に頼めば良いか」

「天下人の右府様の命令を遂行出来るのじゃからな!」

「後藤殿ならば、多少の無理難題も軽くこなすじゃろうな」

「何かあったら後藤殿に任せよう」と言う空気になった事で、後藤孫兵衛が伊達家におけ社畜ポジションに決まった様だった。