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作品タイトル不明

甲斐国への出立と諸将の到着

天正二十一年(1593年)八月二十二日

上野国 館林城

「それでは、助五郎殿!我々は出立します!大変、お世話になりました!」

「いやいや!北条家の内乱を鎮圧してくれたのじゃ!世話になったのは、我々北条家のほうじゃ!誠に感謝しかない!」

皆さんおはようございます。これから甲斐国へ向かうので、館林城の城主、助五郎殿へ挨拶をしております柴田六三郎です

早く帰りたいですが、助五郎殿が挨拶をしてくれているので、待ちましょう

「いえいえ、織田家も色々とありましたので」

「そう言ってもらえて、気が楽じゃ。話は変わるが、右府様と右少将様が殿と一緒に、武田家に向かって虎次郎殿殿の元服の儀を祝うのであったな

儂も兄上も新太郎も参加したかったが、念の為、城で待機じゃ。残念ではあるが松田の残党の警戒をしておくに越した事はないからのう

済まぬが、六三郎殿。虎次郎殿に儂からの祝いの言葉を伝えておいてくれ。簡潔に「おめでとう」と」

「分かりました。それでは、鉢形城へ向かい、そこで新太郎殿と源三殿へも挨拶に向かいます。それでは」

「うむ。達者でな」

こうして、六三郎達は館林城を出立し、鉢形城へ進んだ。その鉢形城では

天正二十一年(1593年)八月三十日

武蔵国 鉢形城

「源三殿。新太郎殿。そして幻庵殿。甲斐国へ向かうので、簡潔にではありますが、世話になりました事への挨拶に参りました」

「いやいや、柴田殿!世話になったのは、我々北条家じゃ!儂に至っては、柴田殿のおかげで一挙に六人の子を持つ事が出来た!誠に、どれだけ感謝しても足りぬ!」

「拙者も兄上と同じく、柴田殿が松田の謀反を鎮圧した事、そして、その鎮圧の仕方を目の前で見て、まだまだ戦には、

儂の知らない方法がある事を知りましたぞ!倅達にも、良い影響が出ておる!誠に感謝します!」

「柴田殿、儂もじゃ!八十年以上生きておるが、柴田殿の様な武士は見た事が無い!じゃが、柴田殿の様な「他者の為に動ける武士」が増えたならば、

日の本から戦が無くなると儂は思う。それを分からせてくれただけでも感謝しますぞ。そして、曾孫達の縁談を、よろしくお願いします」

六三郎は、北条家の3人から挨拶を受けて、

「いえ、織田家でも色々とありましたので。もしかしたら、此度参戦した諸将の手伝いで、また関東に来る可能性もありますが、

その時は北条家と戦にならない様、祈っておきますので、それではそろそろ出立しますので、失礼します」

「関東に来た時は敵にならないでね」と、遠回しに頼んで、鉢形城を出立した

そんな六三郎が鉢形城から甲斐国の躑躅ヶ崎館を目指して進んでいる頃、

天正二十一年(1593年)九月十五日

甲斐国 躑躅ヶ崎館

「典厩叔父上!客人を連れて、帰って参りましたぞ!」

武田家の面々が諸将を連れて、躑躅ヶ崎館へ到着した。留守居役だった典厩は

「御館様!お帰りなさいませ!五郎殿も、よくぞ無事であった!それで、客人とはどちらに?」

虎次郎と盛信だけの状況を不思議に思って、2人に質問する。質問を受けた虎次郎は

「今から呼びます」

と、笑顔で答えると

「各々方!入ってくだされ!」

諸将を呼び込む。基本的には、各家の当主と補佐役が1人もしくは2人の2、3人ずつで大広間に入って来たのだが、その面々を見て典厩は

「御館様、五郎殿。何人かは見た事のある顔の方か居ますが、殆どの方が初対面ですので、ご紹介をお願い出来ますか?」

虎次郎と五郎に紹介を頼む。すると、虎次郎は

「分かりました。それでは、先ず五郎叔父上に近い方から、常陸佐竹家当主の常陸介殿と嫡男の次郎殿と家臣の方、次に、安房里見家嫡男の太郎殿と家臣の方、

次に、出羽最上家当主出羽守殿と嫡男の太郎殿と家臣の方、次に陸奥伊達家当主の伊達藤次郎殿と弟の小次郎殿と家臣の方、次に越後上杉家当主の越後守殿と家臣の直江殿、

最期に、典厩叔父上も知っておる小田左近殿と家臣の方です!こちらの皆様、なんと北条家の内乱を鎮圧する為に、出陣要請がない中でも出陣してくださいましたのです!

その理由が、簡単に言いますと、「六三郎殿が動いたから」なのです。改めて、六三郎殿の人望や人徳の凄さを思い知ります」

諸将の紹介をして、出陣理由も典厩に伝える。それを聞いた典厩は

「そうでしたか。流石は六三郎殿ですな。それで、改めてですが、御館様?此度、諸将の皆様が躑躅ヶ崎館に集まった理由はなんでしょうか?」

諸将の集合理由を聞く。虎次郎は

「拙者の元服の儀を祝う為です!」

典厩にそう伝えると、典厩は

「ま、誠ですか!?これだけの方々が集まるなど、この武田家では初めての出来事ですぞ!」

驚いていたが、更に五郎から

「典厩殿、こちらの方々だけではありませぬ。今月末から来月の初頭頃には、徳川家から右少将様と於義伊殿、北条家当主の左京大夫様、

そして織田家から右府様と六三郎殿が、到着予定です!これから、忙しくなりますぞ!家中の皆を総動員して、盛大に祝いましょう!」

武田家に馴染みのある面々が来る事を知らされた事で典厩は

「勿論じゃ!!武田家の新たな当主の虎次郎様が、これ程の方々と縁を結べたのじゃ!ならば、家臣である我々も働かないといかぬ!

五郎殿!しばらくは、休む暇も無いが、気合いを入れて頑張りましょうぞ!」

「典厩殿!勿論です!」

更に気合いが入って、家臣どころか侍女までも総動員する事が決まった。