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作品タイトル不明

「三介殿のなさる事」が鉢形城でも

天正二十一年(1593年)四月十日

武蔵国 鉢形城

六三郎が館林城で松田との戦に頭を悩ませていた頃、鉢形城の大広間に信包達が到着していた

「北条左京大夫様、そして、北条家御一門の皆様、同盟相手である織田家より援軍の大将を務めます織田右府様の弟の、織田従五位下尾張守にございます!

隣の者は織田右府様の次男の、織田三介にございます!三介、挨拶せんか!」

「織田三介にございます」

三十郎と三介が挨拶をしたあと、氏直から挨拶され

「よくぞ来てくださった!拙者が、北条従四位下左京大夫です。徳川家に続いて、織田家からの援軍、誠に忝うございます!」

続いて家康にも挨拶し、

「遅くなりましたが、徳川様!此度の戦に参加していただき、誠に忝うございます!」

家康も挨拶を返しながら、参加理由を話す

「はっはっは!三十郎殿、これも六三郎殿が次男の於義伊が初陣を経験するから、是非とも見てやってくれないか?と、中々に親心をくすぐる文を送って来たのでな!

それに、徳川家にとっては、北条家も織田家と同じ同盟相手じゎからな!出陣するくらいは大した事てはないぞ」

「そう言ってもらえて、こちらも気が楽です。それで、その六三郎は現在どちらに居るのでしょうか?色々と話しておきたい事があるのですが」

家康の言葉を聞いた信包は六三郎が何処に居るのかと質問すると、氏直から

「柴田殿でしたら、現在上野国の館林城に駐留して、此度の謀反の首謀者である、松田の軍勢を叩く為の軍議を城主である助五郎叔父上と開いております」

六三郎が館林城に居る事を伝えられる。それを聞いた信包は、

(三介と顔を合わせないで済んだのは、良かったのかもしれないが、出来るかぎり早く兄上の事も伝えておきたい!とりあえず、時間を見つけて徳川様には伝えておこう!)

信長の事を六三郎に丸投げしようと考えていた様だが、当てが外れたので、家康には伝えておこうと決断する

しかし、そんな信包の考えなど知らない信雄は

「叔父上!柴田六三郎なぞ、捨ておけばよろしいではありませぬ!北条様も徳川様も、たかだか一家臣に、何を期待しておるのですか?我々の軍勢だけで、

謀反の首謀者である松田とやらを殲滅したら良いではありませぬか!」

信雄以外の全員が、

「「「「「お前は何を言っているんだ!?」」」」」

内心でそう思わざるを得ない発言をした。信雄の言葉に、信包は

「三介!!言うに事欠いて、貴様!」

信雄の襟首を掴みながら、身体を揺さぶる。その信包の剣幕に信雄は

「叔、叔父上!何をなさるのですか!?」

まるで子供の様に恐れ慄いていた。そんな信雄に信包は

「このたわけ!此度、北条家の謀反を知らせてくれたのは、その六三郎であろうが!良いか、お主はこの鉢形城から武田家の本拠地である甲斐国まで動いて

徳川様への文と、兄上達への文を書けるのか!?そもそも、一万を超える軍勢を見事に統率出来るのか!敵の軍勢を完膚なきまで叩く事が出来るのか!?答えよ!」

追撃の言葉をかける。信包の言葉に信雄は

「主、主君の命令を受けたからには、戦で勝ちを収める為に、家臣が働く事は当然ではありませぬか!それを、柴田六三郎が連続で戦に勝っただけで、

何故、まるで戦の天才かの様に扱われているのですか!あ奴よりも、拙者の方が有能に決まっております!」

まだ屁理屈をこねていた。あまりの見苦しさに信包はとうとう

「三介!貴様、どれだけ家臣を愚弄する!お主は皆の元へ戻っておけ!貴様の様な阿呆は、この場に不要じゃ!」

ブチギレて、信雄を大広間から追い出した。そして、大広間から出ていく信雄に対して

「三介!家臣が居るから、主君は支えられているのじゃ!それを忘れるな!」

主家の人間のあるべき姿を伝えるが、信雄は返事もせずに、そのまま出て行った

信雄が出て行った後の大広間で信包は

「各々方!誠に!誠に!三介が申し訳ありませぬ!」

これでもかと平謝りしていた。そんな信包の苦悩を知らない信雄は

(何故、誰も彼も、柴田六三郎を高く評価しておるのじゃ!忌々しい!家臣が主家の為に働くのは当然ではないか!それだけではない!一万超えの軍勢を見事に統率じゃと?

そんなもの、率いられる家臣ならば当然ではないか!さっさと、松田とやらの軍勢を叩きのめしたら良いものを!この鬱憤、どこにぶつけてやろうか!)

イライラを何処かにぶつけようと考えていた。そんな時、

「ああ、忙しい。産まれて間もない赤子のお世話は、大変だけど、やり甲斐がありますねえ」

高代が信雄の目の前を通る。その高代の美貌に目を奪われた信雄は

「おい!娘!お主、とても見目麗しいな!名を名乗れ!儂の嫁にしてやる!」

まるで礼儀のなってない、現代のナンパでも最低な誘い方をしていた。そんな信雄に高代は

「ほっほっほ。嫌ですわ、お武家様。私、柴田播磨守様の側室ですので、お誘いはお受け出来ないのですよ、申し訳ありません」

正直に六三郎の側室であると伝える。それを聞いた信雄は

「柴田六三郎の側室じゃと!!たかが家臣の分際で、こうなったら、貴様を手篭めにしてくれる!」

高代の無理矢理抱き抱えようとした。高代は

「やめてください!!誰か!!」

大声で助けを呼ぶ。高代の声を聞いて、

「「「何事じゃあ!」」」

「高代殿の声が聞こえたぞ!」

「曲者じゃあ!出会え!出会え!」

2人の元に人が集まり出す。慌てた信雄は高代の口を塞ぐ。口を塞がれた高代は

「んー!んー!」

喚く事しか出来ない。このままだと、最悪な事態が起きかねない、その時

「おやめくだされ!!」

信雄の横っ腹を後ろからミドルキックをかます人物が居た。そのおかげで

「ぐはっ!」

信雄の手が緩み、高代が自由になる。ダメージを受けた信雄が、後ろに振り向くと、そこに立っていた人物とは?