軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

女の勘は当たりますね

高代さんに指摘された比左さんは、

「そう言えば、最近、変に熱っぽい様な」

自らの体調がいつもと違う事を話す。それを聞いた高代さんは、

「奥方様!それは、御懐妊の可能性が高いです!今すぐに、医師に診察してもらってください!」

比左さんに「今すぐ診察を受けて」と促す。側に居た福さんも

「比左殿。かな子殿ときく乃殿を見てもらった後に、医師に見てもらいましょう」

そう言って、医師を大広間に連れてくる為、一旦大広間を出る。俺を含めて残った面々のうち、新太郎殿が

「兄上、義姉上といたしていたのですか?」

どストレートに質問すると、源三殿は

「側室の三人に無理をさせない為にな。しかし、四十半ばにして、比左がやや子を授かるとは。嬉しい反面、この様な事は初めてじゃ。高代殿、比左は、無事に子を産めるじゃろうか?」

比左さんの年齢を心配して、高代さんに質問する。源三殿の質問に高代さんは

「源三様。まだ御懐妊が確定したわけではないので、何とも言えません。ですが、奥方様が母子共に無事である為に、全力を尽くします!」

力強い言葉で、源三殿と比左さんを安心させる。そんなやり取り後に、医師が到着して、比左さんの診察が始まった

色々と確認しながら、診察が終わると医師は

「医師として二十年以上、色々な方を見て来ましたが、いやはや、この年齢で御懐妊なされた方は初めてです。おめでとうございます」

比左さんの妊娠を伝える。それを聞いた源三殿は、

「い、い、医師殿。誠に、誠に、比左はやや子を授かっておるのじゃな?誠なのじゃな?」

医師に何度も確認する。医師も、

「ええ。誠です」

改めて妊娠している事を伝える。そして、

「う、うう。比左、歳若いのであれば、何の不安も無いのに、四十を超えてからの懐妊は、無理をさせてしまうのに、それでも、それでも、儂は嬉しい」

源三殿は大泣きしてるし、比左さんも

「源三様。私も嬉しいです。それこそ、たとえ出産の時、私は死んでも、この子を産んで、源三様に育ててもらいますからね」

嬉し泣きと最悪の事態を想定した発言をするが、源三殿は

「比左、その様な事は言わないでくれ。医師殿、高代殿。たとえ年齢が高くとも母子共に無事に出産は出来るじゃろう?そうだと、言って、くれ。比左との子なのじゃ」

母子共に無事であって欲しい願いから、医師と高代さんに平伏して、頼み込んでいる。そんな源三殿と比左さんに高代さんから

「源三様、奥方様。母子共に、絶対に無事であるとは言えませんが、無事である為に、これから少しずつ、暮らしに気をつけていきましょう。私も六三郎様に呼ばれたのですから、全力で手伝います」

安心させる為の言葉を2人に伝える。それを聞いた比左さんは

「柴田様だけでなく、奥方の高代殿にまで世話になって、申し訳ないですが、よろしくお願いします」

小さく頭を下げた。比左さんに続いて源三殿も頭を下げました。これは今までお袋が持っていた、戦国時代の最高齢出産記録の更新になるけど、

比左さんは、お袋みたいに高身長ではないが、寧々さんみたいに低身長でもない、この時代だと平均的な身長だから、身体を鍛えておけば、体力面は大丈夫だと思うが

六三郎が色々と考え事をしていると、高代が

「源三様、六三郎様は奥方様とお子が無事である為にどうすべきかを考えている様ですので、私からの提案としまして、

一日も早く奥方様の側に付ける者達を増やすべきです!側室の方々にも無理をさせてはいけませぬ!なので、一人でも多くの侍女を奥方様の側に!」

源三に対して、「比左の為に侍女を増やすべきだ」と提案する。その提案に新太郎が

「兄上。この事も御本家に文を送り、更に産婆と侍女を要請します!なので、兄上は義姉上は勿論、側室の三人も安心して出産と子育てが出来る様、支えてくだされ」

了承し、源三に嫁達を嫁達をフォローする様、伝えて、この日は終わった

天正二十年(1592年)四月二十日

相模国 小田原城

「殿!そして大殿!鉢形城の新太郎様からの文にございます!」

「父上!これは、源三叔父上の側室全員が懐妊したのでは?先に読んでくだされ!」

比左の妊娠が発覚してから、約3週間後。小田原城にその事を書いた文が届く。氏直は自分よりも、父の氏政が先に読んだ方が良いと判断して、氏政に文を渡す

文を受け取った氏政は、じっくりと文に目を通すと

「はっはっは!ま、誠か!俄かには信じられぬが、新太郎がわざわざ文を使って、それこそ花押を使ってまで虚偽を届けるとは思えぬから、この文は誠なのじゃろうな!

いやあ、柴田播磨守殿が、関わると物事が一気に動くと聞いておったが、まさか、この様な事が起きたとは!」

文の内容に大笑いしていた、そんな父に氏直が

「父上。どの様な事が書かれているのですか?教えてくだされ」

中身を教えてくれと頼むと、氏政は

「ああ、済まぬな。いやな、源三の三人目の側室も懐妊した事が書いてあるのじゃが、その後に、源三の正室の比左殿も懐妊したと書いてあるのじゃ」

文の内容を氏直に教えた。しばらくの沈黙の後

「えええ!!」

「義父上、誠ですか?」

氏直と督姫が大声で驚き、

「はっはっは!いやあ、柴田播磨守殿、いや、柴田の鬼若子殿と言った方が良いでしょうなあ!これまで、各地でやって来た色々な逸話を聞いておりましたが、

まさか、四十を超えた奥方殿を懐妊しやすい身体に鍛えるとは。いやはや、とてつもない奇跡を起こす若武者ですな!」

幻庵は、大笑いで六三郎を褒めていた。そして、空気が落ち着くと氏政は

「驚くのも仕方ないが、比左殿を助ける為に産婆を寄越してくれとの要請じゃ!北条家の子が増える事を全力で助けよう!急ぎ、鉢形城へ産婆達を派遣せよ!」

「「「ははっ!」」」

家臣達に産婆の派遣を命令すると、

「これ程の出来た若武者ならば。柴田家と縁を結びたいのう。織田殿に相談してみるか!それこそ、柴田殿の娘を新次郎の嫁にと希望してみるのもありじゃな」

六三郎の柴田家と婚姻を結びたいという、新たな目的が出来たのだった。