軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

柴田家と黒田家の関係が深まる頃、武田家にあの人が

結局、あの後、官兵衛と吉兵衛親子は、翌日の朝飯まで食べてから播磨国へ帰って行った。吉兵衛の為人を見て勝家は、

「少しばかり、流されやすい所はあるが、それ以外は良き若武者じゃ」

高評価を出していた

天正十八年(1590年)十一月十六日

甲斐国 躑躅ヶ崎館

実家がそんな状況になっている事を知らない六三郎は、今日も甲斐国で働いていたが、

そんな六三郎には信忠から、虎次郎には信忠と、ある人物から文が届く。この日の仕事を終えた六三郎は、大広間に行き、虎次郎から文を受け取り、目を通すと

「虎次郎様。北条家との話し合いは、この条件が落とし所と決まったのですな」

皆さんこんばんは。織田家と徳川家と北条家の話し合いの落とし所が決まった文を見て、少しばかり安堵している柴田六三郎です。まあ、内容としては、

北条家は織田家と同盟して、新次郎くんのやらかしのお詫びとして武田家に上野国の南側半国を割譲するという、戦無しならこれが最大限の譲歩かも?と

思える内容でした。そんな武田家にとっては良い内容だったのですが、虎次郎くんの顔は微妙に暗い

「虎次郎様。如何なされたのですか?」

俺が聞くと、虎次郎くんは

「六三郎殿。実は、内府様からの文の他に、拙者にもう一つ文が届いたのですが、その送り主が新次郎殿の父の、北条左京大夫殿なのですよ。その内容が、

「近々、遅くとも年明けには甲斐国へ来るとの事なのです。それが今から憂鬱なのです」

新次郎くんの親父さんが来る事が憂鬱なのだと答える。虎次郎くん曰く、

「祖父の信玄公の頃から、同盟を結んだり破棄したりを繰り返した相手なのですから、緊張すると言うか」

祖父の信玄、父の勝頼と、色々とやらかして来た相手だから、緊張が凄い様です。まあ、こればかりは家の歴史だから、部外者の俺がどうこう言える事じゃないからなあ

その日は、俺は農作業に専念しよう!それが良いな!俺はそう思っていたのですが、虎次郎くんは

「六三郎殿も、その時は此処に居てくだされ。叔父上達と共に居てくれたら、北条側も拙者を小童と侮る事も無いはずですから」

俺に面会に出てくれと頼んできました。どうやら、神様は俺に休むなと言っている様です。仕方ないか

「分かりました。その時が来ましたら、その様にしましょう」

未来の義弟の希望だしな。今のところ、俺より年下の義弟になるんだから、出来る事はやってやろう

※六三郎はこの時点で文と吉兵衛の事を知りません

こうして、何とか新次郎の件も解決へ進み、六三郎達の心配も減って、酒作りに邁進していた年末、

遂に、待ち人が甲斐国へ到着する

天正十八年の1590年)十二月二十日

甲斐国 躑躅ヶ崎館

「武田虎次郎殿!新次郎が野党紛いの事をしたのにも関わらず、斬首するどころか、世話をしていただき、親としては勿論、北条家当主として、誠に御礼申し上げます!」

皆さんこんにちは。とうとうと言うか、やっとと言うか、北条家当主の北条氏直が武田家に来たので、面会の場に参加しております、柴田六三郎です

前世の映画やドラマで見た北条家って、氏直の親父の氏政が実質的な北条家最期の当主のイメージがあったのですが、

氏直を目の前で見ると、俺と歳の近い、当主として数年経過しました、実権もそれなりに握っています

みたいな感じです。まあ、それが普通の家なんだろうな。俺の柴田家みたいに当主があちこちに出張して、先代が家の事を取り仕切っている。なんて家は

殆ど無いだろう、でも、きっとここ数ヶ月で色々あったからなんだろうな。顔が疲れております

俺がそんな事を考えていると、氏直が

「それでは、改めてですが虎次郎殿。新次郎と督に会わせてもらえますか」

「嫁と子供に会わせてくれ」とリクエストして来たので、虎次郎くんは

「分かりました」と返事をする。家臣に命令して、2人を連れて来ると

「おお!新次郎!督!」

氏直はとても喜んでおります。ですが、2人を見て

「新次郎、何やら身の丈が一尺以上伸びておらぬか?それに督も、小田原城で過ごしていたときよりも肌艶が良い様に見えるのじゃが」

新次郎くんの身長と、督姫様の肌艶の違いに気づきました。言われた新次郎くんは

「父上!柴田様の実家での暮らしを武田家でも取り入れておりまして、拙者も少しだけですが、真似していましたら、この様に身の丈も高くなりました

それに母上も、祖母様と言い争いをしていた時と違い、健康的なお顔になりました!」

柴田家の暮らしをやった結果だと伝えるだけでなく、於大様の事も伝えます。その事で氏直は

「そうじゃ!於大様にも頭を下げたい!虎次郎殿、於大様も呼んでもらいたいのですが」

於大様を呼ぶ事もリクエストする。それも虎次郎くんは家臣に命令して、すぐに於大様を大広間に連れて来てもらうと、於大様は

「婿殿。お久しぶりです。新次郎と督が側に居る言う事は、虎次郎殿にしっかりと頭を下げたのですね」

氏直が虎次郎くんに頭を下げたのだと、察した。その事で氏直は

「はい。新次郎のやった事について織田家と徳川家の双方と話し合い、しっかりと落とし所を決めてまいりました」

細かい内容は言わないが、話がまとまった事を伝える。それを聞いた於大様は

「そうですか、それならば私は何も言いません。ですが、大事な曾孫ですから、しっかりとした武士に育ててくださいね」

小さめの釘を刺す。それに氏直も

「気をつけて子育てに励みます」

と、答える。そして、挨拶も終えて帰ろうとしていたら虎次郎くんが

「左京大夫殿、つかぬ事をお聞きしますが、お父上の相模守殿は、まだまだ壮健ですかな?」

「親父は健康か?」と質問する。すると氏直は

「ええ。五十歳を超えて、衰えなど一切感じぬ程ですが、それが何か?」

「まだまだ元気だけど何か?」と返す。すると虎次郎くんは

「そこに居られる柴田播磨守殿のお父上の、越前守様が、六十五歳を超えて、子をもうけたそうで、その越前守様よりも若い方にも、

更に子をもうけて欲しいと思いましてな。それに、こを産んだ時の奥方様の年齢は四十歳だったとの事ですから、

側室の方がお若いのであれば、頑張って欲しいと、おっと、要らぬおせっかいでしたな。忘れてくだされ」

北条夫婦が盛り上がる言葉を伝える。すると、氏直は

「それは良き事を教えてもらいましたな!父上ではなく、まだ嫡男の居ない叔父上に教えたいと思います!それでは、これにて。大変世話になり申した!」

お礼をして、帰って行った。その後ろから、督姫様と新次郎くんも着いていく。外に出ると護衛の人達が待っていて、そこからゾロゾロと人数が増える

やっと全員が帰った事を確認して、面倒事が終わったと実感しました。まだ微妙に明るいけど、今日はもう休みます。