軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

母もまたかと思ったから

勝家が天井を仰いで固まっている所に、利兵衛が市を連れて来ると、大広間の状況を見て察した市は

「文、貴女まで茶々達と同じ事をするなんて」

ため息をついていたが、実は

「市。口調の割には顔が嬉しそうじゃぞ」

勝家からツッコまれる肌の笑顔だった。そんな状況を理解して出来てない官兵衛は

「あの、越前守様、奥方様。この状況、我々はどうしたら良いでしょうか?」

どうしたら良いかを質問する。吉兵衛に至っては、文にガン見されて顔が真っ赤な状態で動けない

そんな状況を打破する為に勝家は

「官兵衛殿と吉兵衛。先ずは飯を食べてからとしよう。文、母上の側に移動しなさい。吉兵衛の側に居るのは、それからじゃ」

と、取り仕切る。そこから何とか食事をして、食べ終えると

「改めて官兵衛殿。娘が済まぬ」

「いえ、愚息が姫様を誑かしたのだと」

父親同士で、「「子供が申し訳ない」」と、謝っていた。しかし文は

「父上!私は、黒田様、いえ、吉兵衛様のお顔を見て、「この方だ!」と思ったからこそ、行動したのです!父上も兄上も、

戦で「ここぞ」と言う場面では動くではありませぬか!私にとって吉兵衛様がそれと同じ動く理由です!」

ちゃっかり吉兵衛の隣に移動したかと思ったら、吉兵衛の嫁になりたい理由を力説する。文の言葉に市は

「まったく、教えたわけでもないのに、良き殿方を見つける目をいつの間にか身につけていたとは」

文の行動力に呆れつつも、吉兵衛を「良き殿方」と認める。しかし

「ですが、吉兵衛殿。あなたにも、文の姉の夫となった殿方と同じ様に、六三郎と共に出陣して、武功を挙げてから、文を嫁にしてもらいますよ?」

吉兵衛が文を嫁に迎えると言ってないのに、婚姻の条件を出すか、吉兵衛は

「あの、拙者はまだ姫様を嫁に」

「嫁に迎えるとは言ってない」と正直に言いそうになるが、それを察した官兵衛が

「吉兵衛の嫁取りの条件、成し遂げてみせます!」

無理矢理割り込んで、条件を飲む事を了承する。その官兵衛の姿が、自分の為に頑張っている様に見えた文は

「義父上になってくたさるのですね」

大喜びしていた。勝家は

「市よ、吉兵衛は毛利との戦で六三郎と共に出陣して武功を挙げたのじゃから、その条件を付けなくとも良いのではないか?」

無条件で嫁がせても良いのではないのかと、市に提案するが、市は

「いいえ!権六様、よろしいですか!茶々も初も、夫となる喜平次と弥三郎の無事を耐えて祈っていたのです!江に至っては、条件が二つもあるのですから、

文だけ無条件で嫁がせては、十数年後に環菜が嫁ぎたい殿方を見つけた時、その殿方が環菜の為に頑張らない殿方だったら、環菜が嫁ぎ先で辛い思いをするのですよ!

だからこそ、「柴田家の娘に惚れられた殿方は、条件を成し遂げないと、嫁に迎える事を許されない!」と喧伝するのです!それから、領地も二ヶ国か、それに準ずる領地を持つ事も条件である事を喧伝しないといけません!」

「娘には忍耐力を、娘に惚れられた殿方には娘の為に頑張る事が必須である」と力説する。そこまで言われて勝家は

「分かった分かった!官兵衛殿と吉兵衛。そう言う事じゃ。まあ、次に六三郎がどこに出陣するかは分からぬ。だが、出陣する時は共に出陣して、武功を挙げてくれ」

「諦めて、武功を挙げて娘を嫁に迎えてくれ」と伝える。官兵衛は、

「ははっ!吉兵衛が文姫様の夫に相応しい男になる様、鍛えておきます!」

と返答する。吉兵衛はもう何を言っても無駄だと悟ったので、何も言わなかったが、文が

「吉兵衛様。私を嫁に迎えたくないのですか?」

そう言いながら、上目遣いで吉兵衛の顔を見る。その仕草に吉兵衛の顔が真っ赤になる。それを見た市が

「ほほほ。文、吉兵衛殿は文を可愛らしいと思っているから、その様に顔が赤くなるのです。そう思っているのであれば、文を嫁に迎えたくないなど、あるわけが無いでしょう。ですよね吉兵衛殿?」

外堀を埋める様な発言をする。市の言葉に吉兵衛は

「は、はい。文様を嫁に迎える為に、精進します」

見事に市の思惑通りの返答をした。市の思惑をなんとなく察した勝家は

「まあ、なんじゃ。官兵衛殿と吉兵衛。柴田家の娘は、皆強い娘じゃから、その様な娘に惚れられた事、誉れと思ってくれたらありがたい

それに、吉兵衛はもう頭の中が混乱しておる様じゃから、官兵衛殿が提案した策で播磨国切り取りを始めようと思うが、官兵衛殿もそれで、よろしいかな?」

吉兵衛を不憫に思ったのか、話し合いを終了しようとした。その言葉に官兵衛は

「愚息が申し訳ありませぬ」と、平謝りする。しかし、市が

「官兵衛殿と吉兵衛殿。もう外は暗いのですから、泊まっていけばよろしいではないですか。権六様、よろしいですよね?」

「泊まっていけ」と、2人に宿泊を促す。官兵衛が代表して

「お言葉に甘えて、泊まらせていただきます!」

と、頭を下げて、吉兵衛もつられて頭を下げる。それを見て勝家は

「黒田家と違い、異質な家に見えるじゃろうが、ゆっくり休んでくれ」

と、ある意味、「諦めろ」と言っているかの様な言葉で2人を労った。こうして、バタバタした1日が終わった。