軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

姫達は順応性が高くて楽だがあの家の嫁が来たら

天正十八年(1590年)七月八日

甲斐国 躑躅ヶ崎館

「雷花様がお産みになられた六花姫は、とても可愛いらしいですねえ」

「駒、十年後くらいには、私もあなたも母になる筈ですから、その時の為に今から準備しておきましょう。それにしても、可愛らしい」

「姉上。柴田様の嫡男の甲六郎殿は、兄上の娘との縁組の可能性もありますよ?」

皆さんおはようございます。最上家の姫2人が、武田家に寝泊まりして1週間が過ぎましたが、順応性が高すぎて、いつの間にやら甲六郎と自分達の姪っ子の官位を考えるなども含めて

既に馴染んでいる事に驚いております、柴田六三郎です。最初は掃除も恐る恐るだったのですが、今ではささっと終えたり、農作業も少しだけとは言え、

手伝ってくれたりと、こんなに他所様の姫を働かせて良いのかと思う程、働いてくれています

その中で、4ヶ月前に雷花が産んでくれた長女の 六花(りっか) の世話をしてくれています。あ、ちなみに名前の由来ですが、六は柴田家の仮名からで、花は雷花からです

そんな感じで、武田家に馴染んでいる所に、竜芳殿が俺に頼んでいた竜代ちゃんが躑躅ヶ崎館に来たのですが、年齢を聞いて驚きました

まさかの、7歳でした。更に竜芳殿から教えてもらいましたが、あの時の戦の直前に産まれて、

母親の 葉(よう) さんと一緒に恵林寺一帯の中に隠れられる場所に避難していたそうです

そんな竜代ちゃんも、躑躅ヶ崎館で少しずつ働く様になりましたので、館内のあちらこちらから黄色い声が聞こえてきます。そんな中で、花江さんから

「やや子を授かりました。4ヶ月との事です」

と、喜ばしい報告を受けました。本当に、喜ばしいかぎりです。そして、本来なら今年の如月までの寝泊まり予定の於大様一行ですが、

どうやら家康が、大殿へ於大様が、寝泊まりしている事を話した結果、織田家と徳川家が食事を含めた色々な事の銭を負担してくれたので、

武田家としては負担が楽になりましたし、寝泊まりが延長されて、現在も躑躅ヶ崎館に居ます

まあ、於大様が居るので、典厩様の孫娘の沙奈ちゃん、五郎さんの4姉妹の下2人の鈴ちゃんと仙ちゃん、最上家の竹姫と駒姫、竜芳殿の娘の竜代ちゃんが、

嫁入りに必要な教養等を教えられているのは、理解出来るのですが、そこに源次郎と花の長女の 良花(りょうか) まで参加させてもらっているのを見て、

「あ、於大様はこの中から親類の嫁を連れて帰る気だな」と思っております。こればかりは、俺がどうこう言える話じゃないですので、触れませんが

それから、俺が事務作業をしていた、ここ数ヶ月の間に、源太郎と光の間に2人目の男の子が産まれました。源次郎と花の間に長男も産まれました

更には、信幸さんと早苗さん、銀次郎と次、金之助と義乃さんに懐妊の兆しが見えるとのことですので、

3人は嫁さんの懐妊が分かるまで、仕事量を減らしております。子成長する頃に戦が無くなっていたのであれば、

俺の出張先の領民達も、更に子作りを頑張ってくれて、それがいつの間にか税収の多い国になるでしょうから、良い事づくめですよ!

ただ、そんな中で新次郎くんの事で、織田家側の動きが無いのは仕方ないのですが、新次郎くんの実家の北条家からは、食糧や衣服が送られて来ます

更には、回収に来たりもしています。これは、もう、人質でも、客将でもなく、ただのお泊まりなのでは?と思っております

これも、俺がどうこう言える話ではないので、そのままにしておきますが、早く解決して欲しいとは思っております

それでは、今日も農作業に行って来ましょう!春に蒔いた小麦を収穫して、しばらくは大昔のビール作りや果実酒作りの実験じゃあー!

そんな計画を立てていた六三郎だが、その計画は直ぐに頓挫する事になる

天正十八年(1590年)七月二十日

甲斐国 某所

「六三郎様、次の特産品候補も葡萄を使った酒なのですか?」

皆さんおはようございます。朝から於義伊くんに質問されております柴田六三郎です。現在のところは、葡萄から出た天然酵母を使って、それから麦を

と、何となく覚えている手順で、試作品を作ろうとしたら

「六三郎殿!」

と、新左衛門の弟の新之助さんが、俺を呼びながら走って来ます。あれ?この展開は、どこかで経験した様な?デジャヴってやつか?それよりもだ

「新之助殿、何かありましたか?」

俺が新之助さんに質問すると、

「虎次郎様より、六三郎殿と於義伊殿を急いで館まで連れて来る様にとの事です。申し訳ありませぬが、来てくだされ!於義伊殿も!」

新之助さんは、俺にも於義伊くんにも、有無を言わさず、躑躅ヶ崎館に連れて行きました。そして、躑躅ヶ崎館に到着したので、いつも通りに大広間へ行くと

そこには、まさかの人物が居る事が分かる声が聞こえて、重く冷たい空気が流れていました。

そんな状況でしたが、覚悟を決めて大広間に入ると、虎次郎が

「六三郎殿!よくぞ来てくださった!こちらの方じゃが」

まさかの人物の紹介をしようとしたら、本人から

「武田様、自己紹介させてください。改めてですが柴田播磨守様、北条従四位下左京大夫の嫁で、徳川従四位下権右近衛少将の娘で、新次郎の母の督と申します」

自己紹介されました。新次郎くんのお袋さんかあ、恐らく、新次郎くんを連れて帰ろうとした所を、於大様に止められたのかな?

思うのだが、祖母と孫娘の争いの場に、俺は必要ですか?

六三郎は内心、そう思っていても、口に出す度胸は無かった。