軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

妹の嫁入りは母の条件をクリア出来るかによる

江と虎次郎くんを連れて大広間に行くと、既に全員待機していた。かなりの緊張感はあるが、何とか、最低でも折衷案で納得してもらおう

ただ、少し気になるのが、廊下で江と虎次郎くんを追いかけている時に居なかったお袋が居る事なんだよなあ

お袋が味方になってくれたら、少しは話し合いも楽になるんだけど、あまり期待はしない方が良いな

で、上座に座る親父の言葉から話し合いがスタートします

「さて、江よ。先程、六三郎と道乃の部屋で、虎次郎殿と夫婦になると言っていたわけだが、それは一時の気の迷いではないのか?」

親父の質問に江は

「父上!私は気の迷いなどで、虎次郎様と夫婦になりたいと言葉にしたわけではありませぬ!虎次郎様のお側に居たいと思ったからこその言葉です!」

「気の迷いじゃない!」と否定している。それに反論して来たのが、茶々と初だ。先ず茶々が

「江!先程も言いましたけど、貴女は虎次郎様より歳上なのですよ!虎次郎様が元服した時、貴女が子を産めなかったら、虎次郎様は貴女より歳下の側室を取って、

その側室に夢中になってしまう可能性が高いのです!そうなってしまわない為にも、歳上の殿方に嫁入りしなさい!」

「子を産めなかったら、歳上の正室は惨めな思いしかしないから、歳上の男にしろ」と言ってます

初からも

「江。父上と母上を見てみなさい。父上の方が大分歳上ですが、仲睦まじく過ごしているではありませんか、これは父上が歳上だからこそ、出来る事なのですよ。

せめて歳相応の殿方で良いではないですか!歳下の虎次郎様では、江よりも歳下の女子に目が行く可能性が高いのですから!」

遠回しに「虎次郎くんは、いつか江より歳下の女子に夢中になるからやめとけ!」と言われております

ですが江も中々負けてない様で、茶々と初に

「それを言ったら姉上達も、いつか、歳下の側室に喜平次様と弥三郎様の寵愛を奪われるではありませぬか!何を自分だけは大丈夫みたいに言っているのですか!」

「姉さん達も、いつか歳下の側室に旦那を奪われるだろ!自分だけは大丈夫みたいな言い方するな!」と、中々の言葉を返しております

これ以上は掴み合いの喧嘩になりそうだし、止めるか。と、思っていたら、お袋が

「いい加減にしなさい!!」

めっちゃ大声で3人を叱りつける。その声に3人は、一気に静かになる。で、静かになったと思ったらお袋は

「権六様。昔嫁いだ浅井家での話をしても宜しいですか?」

親父に伺いを立てる。親父は

「娘達が納得するのなら、してやってくれ」

と、了承する。それを聞いたお袋は

「ありがとうございます。それでは茶々、初、江。よく聞きなさい。貴女達の本当の父である浅井備前守長政様は、織田家との同盟締結の為に、私お政略結婚をしました

私は最初、政の駒になったのだと、人生を諦めていました。それでも長政様は、私の事を一人の女子として接してくださり、そこから茶々が産まれ、初が産まれ、

幸せな毎日でした。ですが、長政様の父、浅井久政が、織田家よりも付き合いの長い朝倉家を優先した結果、織田家と浅井家は手切れとなりました

織田家と浅井家が戦になっても、私は浅井家の人間として、長政様と共に死ぬつもりでした。でも、長政様は、貴女達三人の為に生きてくれと、私に言ったのです

だからこそ私は、長政様の言葉を守り、貴女達を育てて来ました。そこから権六様に出会い、再婚し、文、京六郎、環菜が産まれました。そして、六三郎という

頼り甲斐のある息子も出来ました。この様な幸せな日々が過ごせるのは、柴田家が浅井家と違い、領地が大きく、兵が多い事も理由の一つだと、私は思っております

勿論、あの頃と情勢が違う事も、理由の一つでしょう。そんな中で、茶々と初が嫁入りする事が決まって、それが広大な領地を持ち、兵が多い家である事は、

あの頃の浅井家みたいに攻められる心配が無いという事です。それに、私は権六様に嫁ぐ前に、兄上にこう言っておりました、「兄上が嫁ぎ先を絶対に攻撃しないと、約束してくれるのであれば嫁ぐ」と

そんな恵まれた環境で、攻められる心配の無い大大名に嫁ぐのですから、茶々、初。江の事が心配なのは、江も分かっている事でしょう。私としては、江が武田家に嫁ぐ事は反対はしません」

江の嫁入りを後押ししてくれた。それを聞いた江は

「では、母上!」

めっちゃ期待していたけど、その期待はあっけなく壊れた。その理由は

「ですが、現在、武田家どころか、甲斐国自体が復興中であると同時に、近くにある関東のほぼ全域を治めている北条家は、今のところ、織田家と敵対しているわけではありませんが、

臣従しているわけでも、同盟関係というわけでもありません。つまりは、対応次第では、織田家と北条家が戦になり、甲斐国が最前線になる可能性が高いのです

虎次郎殿、仁科殿。その様な危険な場所に江を嫁がせるのは、あってはならないと思っております。それは裏を返せば、甲斐国が安全であると同時に、武田家が二ヶ国以上の領地を持っていたならば、江の嫁入りを認める。という事です」

お袋が遠回しに、「江を嫁にしたければ、甲斐国が最前線にならない様に動きながら、二ヶ国以上の領地を持て」との条件を提示して来たからだ

それは、無理じゃないか?だって、甲斐国の周辺の国だと、西側の信濃国は徳川家の領地、北側は信濃国の一部と越後国になるから論外、真南から東北東までは全部、北条家の領地だ

うん。これは無理だな。無理だけど、だからと言って、そのままにしていいわけではない。折衷案を出してみるか

「母上、少しよろしいですかな?」

「六三郎。何か妙案でもあるのですか?」

「妙案と言えるかは分かりませぬか、母上の気持ちとしては、北条家との戦になった時に、江に甲斐国ではなく、安全な場所に居て欲しいと同時に、

将来的にでも良いから、武田家が二ヶ国もの領地と多くの兵を持つ大大名になってくれたなら、江を嫁入りさせても良い。そう言っているのですよね?」

「まあ、そう言う事になりますね。それで、六三郎。何かしらの考えが出たのですか?」

「ええ。ですが、あくまで将来的な予定として考えていただきたく」

ある意味、未来への投資みたいな話になるけど、どんな反応をするかな?