軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

後半戦スタートを確認した三者は

備後国で輝元達が義昭を確保して動き出した時、六三郎達は、まだ安芸国と備後国の境に居た。そんな六三郎達の元へ、雷花の部下が現れ、

「毛利安芸守様一行、公方の捕獲に成功し、羽柴筑前様の元へ出立しました」

「うむ。働きに感謝する!護衛の任務に戻ってくれ!」

「ははっ!」

義昭捕獲を伝える。それを聞いた六三郎は

「皆!阿呆の公方が毛利家により、見事に釣り出されたぞ!これから羽柴様の元へ向かうが、儂達は、万が一にも逃げて来た公方や幕臣達を殺すか捕獲する事が目的じゃ!1人も逃すでないぞ!それでは出陣じゃ!」

「「「「おおお!」」」」

共に行動する者達に、その事を伝え、士気を高めてから出立する

皆さんこんにちは。阿呆公方釣り出し作戦の後半戦がスタートしたと報告されたので、万が一の為の後方部隊として出立しております柴田六三郎です

報告を聞いて思ったのですが、ここ迄、上手く行くとか、どれだけ阿呆なんですか?あの阿呆!普通の人の頭を持っていたら、何から何まで自分に都合の良い事が起きたら、多少は疑うだろ!

この感じだと、輝元さんは阿呆公方の武器を奪って、吉川さんは、幕臣達を遠ざける事に成功しただろうな

はっきり言って、俺達がやる事は殆ど無いだろ?もしも、阿呆公方の屋敷に残っている奴らが、この作戦に気付いても、まともな戦力は無いだろうし、

戦力があったとしても、輝元さんの軍勢の後ろは、秀吉の軍勢だし、状況次第では、秀吉の軍勢と俺の軍勢に挟まれる形になるから、余裕だろうけど、

そもそも、以前、阿呆公方の屋敷で会った時も、俺が阿呆公方をバカにした時に、幕臣達は、俺達に攻撃するんじゃなくて、阿呆公方を止めていた。それは何故だ?

まあ、ベタな考えで言うと、俺達の誰かを殺せは、大殿が本気を出して阿呆公方を殺しに来ると読めた。

に、なるから、阿呆公方を止めるのも分からないわけではない。他に理由があるとしたら、何だ?

う〜ん。あれか?幕臣達も、「こんな阿呆でも、戦場で死なせてやりたい!」みたいな思いもあったから、

あの場面は止めたとか?それとも、年々親父に似てきた俺の顔を見て、「止めないと殺される」と思ったとか?

うん!考えても答えは出ないから、諦めるか!とりあえず、進軍を優先しよう

六三郎がのほほんと構えている頃、秀吉達は

天正十四年(1586年)九月二十三日

備後国 某所

「さて、負けを装いながら、ここで一時的に休んでおるが、毛利殿達の動きはどうなっておる?」

秀吉は、一時的な本陣で休みながら、輝元達の動向を聞く。その質問に清正が

「殿。毛利様の軍勢に紛れ込んだ市兵衛からの文によりますと、公方を輿に乗せて、幕臣達を公方から引き離す事に成功した様で、そのまま此方へ進んでいるとの事です」

輝元達の動向を伝える。それを聞いた秀吉は

「順調じゃな。しかし、六三郎殿が阿呆と言い切るのも分かる程、阿呆じゃな。いくら戦経験が少ないとはいえ、自分に都合の良い状況が続く事を疑いもしないとはのう、もしも、儂が死んだ後に嫡男の長望丸が

あの様な阿呆になってしまっては、死んでも死にきれぬぞ!誰ぞにでも長望丸を最低でも阿呆と呼ばれない程度には賢くして欲しいものじゃが、

その様な事を頼める人間は近くに居らぬか?はっきり言って、小一郎も儂と歳はあまり変わらぬし、かと言って、虎之助達では強く言えないじゃろうから」

秀吉の言葉に、清正が提案する

「殿。その事でしたら六三郎殿の実家にお頼みしては如何でしょうか?」

「虎之助、どう言う事じゃ?何故、六三郎殿の実家なのじゃ?」

「はい。六三郎殿達と共に、大内家の方々を迎えに行った時に、六三郎殿と吉川殿が話していた内容に、「柴田家では他家の子息が学びに来ている」と

ありましたので、長望様に関しても、織田家を経由してからの、頼みであれば、聞いていただけるのではないのかと思いまして」

清正の説明を聞いた秀吉は、

「それは何と良き事じゃ!今思えば、市兵衛と虎之助も、当時美濃国にあった柴田家の領地で鍛えられて来たからこそ、武将として一皮も二皮も剥けたわけじゃから!うむ、これは良い事を聞いた!

公方を安土城へ連れて行った後に、頼んでみよう!お市様という、壁はあるが、大殿と殿経由であれば、どうにかなるじゃろう!」

「では、殿」

「うむ。戦が終わった後は領地分配だけが楽しみであった、だが、領地分配以外の楽しみも出来た!これから色々と忙しくなるぞ!

とりあえず毛利殿達が来てからの話になるから、毛利殿、早く来てくれ!」

義昭を見て、我が子の未来を心配しつつ、最悪の未来を避けられる可能性がある事にウキウキしていた

そんな秀吉に早く来てくれと願われている輝元達は

天正十四年(1586年)九月二十四日

備後国 某所

「公方様!輿の乗り心地は如何ですか?」

「うむ。最高じゃ!安芸守、見事な配慮であるぞ!」

「お褒めの言葉、ありがたき」

「それで安芸守よ、織田の軍勢の居場所は分かっておるのか?」

「はい。これより七里程の距離に居るそうです」

「はっはっは!七里か、織田は疲労のあまり進めておらぬ様じゃな!早く倒して、大将の頸を取り、織田のうつけに送りつけてやる!」

「公方様!その意気ですぞ」

「ちなみにじゃが、安芸守よ。逃げておる織田の軍勢の中に、二十歳そこそこの若武者の姿はあったか?」

「いえ、見ておりませぬが。その若武者が何か?」

「その若武者はな、儂に対して「日の本を混乱させておきながら、責任も取らずに、己の事しか考えない阿呆であろう!それ以外にお主を形容する言葉があるのであれば、逆に教えてもらいたいところじゃ!!」

と、言って来たのじゃ!儂は幕府の将軍にして、武家の頭領たる征夷大将軍じゃぞ!それを言うに事欠いて、阿呆呼ばわりとは!あの若武者は絶対に許さん!

儂の手で、奴の頸を絶対に切る!その為の働き、期待しておるぞ安芸家」

「ははっ!」

義昭に頼まれた輝元だが

(柴田殿は、その様なやり取りがあったから、阿呆と言い切っておったのか。だが、何も間違っておらぬ

これ程に時勢を読み、駄目なものは駄目と言える気骨があるのであれば、安芸乃を嫁にしないか?と一度打診してみるのも良いかもしれぬ。しかし、この公方は

やはり阿呆であるな。むしろ、柴田殿と同じく、阿呆以外に何と言えば良いか分からぬ程の阿呆じゃ)

六三郎とのやり取りを聞いて、義昭の事をやっぱり阿呆だと再認識した。