軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

それぞれの交渉後の話し合い

毛利家の面々の姿が見えなくなった事を確認した秀吉は六三郎と元親に対して、

「さて、長宗我部殿と六三郎殿。毛利からの和睦交渉が一応まとまったが、殿や大殿は、この条件で毛利を許すと思うか?正直に言ってもらいたい」

そう質問して来た。最初に答えた元親は

「領地に関しては、修正されるでしょうな。流石に五ヶ国の保持を主張するのは」

と、領地の部分で修正されると発言し、六三郎は

「拙者も長宗我部殿と同じく、領地の部分は修正されると思います。ただ、その領地に関しても殿や大殿なら、条件付きで毛利に返す為に、一時的に織田家の領地とするかな。と」

一時的に織田家の領地になるが、信長と信忠は条件次第で返すと予想する。それを聞いた秀吉は

「六三郎殿。その条件とは何じゃ?」

六三郎に質問し、六三郎は

「次の大きな戦になるであろう、関東か九州での戦です。そこでの毛利の働き次第では、領地を返す可能性もあると思いまして」

次の大きな戦での毛利の働き次第だと答える。それを聞いた秀吉は、

「ふむ。確かに現実的な線ではあるか。毛利としては、主君の安芸守の命と本貫の地である安芸国を守れるなら、他の国を取られても良い。とは言っておったしな」

毛利両川の言葉を思い出し、有り得る話とも考える。そんな中で元親は、

「しかし、羽柴殿、六三郎殿。毛利の和睦条件のひとつに、公方を織田家に引き渡す。とありましたが、可能でしょうか?もしかしたら、我々も手伝わないといけない可能性もあると思うのですが」

足利義昭の対応に、不安な点を上げる。その件に関して六三郎は

「その時は、手伝っても拙者は良いと思います。捕縛して、殿と大殿の前に出して、そこから主上の前に連れて行き、征夷大将軍を返上させて、やっと全てを諦めると思います」

捕まえて、無位無官にしてやれ!と伝える。六三郎の考えを聞いた秀吉は、

「六三郎殿、あの公方を誠に忌み嫌っておるな。まあ、儂もじゃが。それに、六三郎殿が言う様に、織田家が作る戦無き日の本を邪魔する存在なのじゃから

捕まえて、織田家の目の届く範囲で監視した方が良い事は納得じゃ。まあ、そこも含めて、安土城へ文を送り、殿と大殿の判断をいただこう」

織田サイドの話し合いは、ひととおりまとまり、これから秀吉が、代表して信長と信忠に文を書く所になる

一方、交渉を終えて、城に戻った吉川元春と小早川隆景の2人は、全員集まった大広間で交渉内容を輝元に伝えると

「全てを認めてもらえるわけではない事は当然ですからな。それでも、何とか交渉の席につけたのはありがたい」

交渉してもらえただけでも、第一歩だと安心した様だった。そんな中で、元清が

「次郎兄上。柴田六三郎という若武者には会えましたか?会えたのであれば、どの様な為人だったのか、教えていただきたく」

六三郎の事を教えて欲しい旨を話す。そのリクエストに元春は、

「おお!確かに会って来たぞ!」

「やはり、見た目も凄まじい武将だったのですか?」

「いや。身の丈が少し高く、身体が逞しい以外は、まったくもって、普通の若武者であった。だが」

「だが、何でしょうか?」

「羽柴殿が言っておったが、柴田六三郎殿は十歳になる前から、戦に出陣していたそうじゃ。つまり、十四年前に甲斐武田家が、美濃国で敗れた戦の話は誠で、

その時の「元服前の童が総大将」も誠であったと、そして、その元服前の童が柴田六三郎殿で間違いないのじゃろう」

六三郎の見た目を伝えて、初陣の話も伝える。そんな元春に隆景が

「兄上。例の凄まじい移動の話もしておいた方がよろしいかと」

中国超大返しの話をふる

「そうじゃな。それから、五月に入ってから柴田六三郎殿の軍勢が伯耆国に現れた話じゃが、見事な策。と言ってよいか分からぬが、簡単に真似出来るからくりではない事が分かったぞ」

「どの様な策だったのですか?」

「長門国から伯耆国までを十日で走り抜けたそうじゃ」

元春の言葉に、輝元達は

「し、信じられませぬ」

「そ、その様な事が」

「まるで妖術ではありませぬか!」

驚くしかなかった。そこに隆景が補足を入れる

「柴田六三郎殿曰く、「伯耆国で兄上の軍勢と戦って以降、周防国まで毛利の軍勢と遭遇しなかったので、

もしや毛利の軍勢全て、安芸国に集結しているのでは?と思い、山陰に潜んでいる尼子家遺臣を使い、

山陰に毛利の軍勢が居ないかを調べさせて、居ない事を確認したら、飯を準備させ、夜中に走る為の松明も準備させて、十日で百里を走り抜けたそうじゃ

これを僅か二十二歳の若武者が、与力も含めて一万五千の大軍で実行したのじゃ。中には、毛利に強い恨みを持つ尼子の残党も居るのにも関わらず、その者達を

抑えて、共に百里を走り抜けた。その結果が、備中国での敗北じゃ」

隆景の補足に、輝元達は言葉が出ない。それでも元春は

「織田の本陣で話を聞いて、笑うしかなかった!あれ程に見事な若武者ならば、儂にもう一人娘が居たら、絶対に嫁がせておった!

それ程によき若武者であった。見事な働きを見せたのに、尊大な態度を見せなかった事も、信じられぬ」

六三郎に好印象を持った様だった。そんな空気の中で、ただ1人安芸乃だけは

(絶対、その柴田六三郎って奴が怪しい!史実で秀吉がやった中国大返しよりも更に長い距離を走るなんて、しかも、ドラマで見た飯と松明も準備させるなんて、秀吉の中国大返しを知らないと出来ないでしょ!

つまり、柴田六三郎って奴は、私と同じ転生者?それなら、戦上手な元春叔父さんと隆景叔父さんが負けるのも仕方ないと言えるかもしれないけど、

それでも史実以上の事を実行するなんて!この柴田六三郎が、この世界線をめちゃくちゃにしている原因か!一発殴ってやらないと気が済まない!

でも、和睦交渉は一応まとまったから、私の行動で戦が再開してしまうのは、悔しい気持ちを抑えて、交渉に臨んでくれた叔父さん達は勿論、曾お爺ちゃんの代から

少しずつ獲得した領地を手放す覚悟を決めたお父さんの思いも無駄にしてしまう。これじゃあ!)

六三郎の正体を考察しながらも、内心はぐちゃぐちゃだった。そんな安芸乃をよそに輝元は

「叔父上達。交渉の件、誠に忝い!とりあえず、当面の間、毛利家からは戦を仕掛けない。その方針で行きましょう」

「「「「ははっ!」」」」

当面の方針を決めて、軍議を終了した。