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作品タイトル不明

長宗我部家は毛利に恨み骨髄レベルの殺意を持つ

天正十三年(1585年)十月六日

讃岐国 高松城

「源三郎様!六三郎殿が毛利と戦の真っ最中とは誠ですか!?」

吉田達が信房に文を見せて、信房が滝川一益に命令して長宗我部の中心人物達を連れて来させたが、長宗我部家当主の元親は大広間に案内されるやいなや、

開口一番、信房にそう質問した、元親の質問に信房は、

「土佐守殿。誠じゃ。詳しい事は、六三郎殿と羽柴筑前殿が連名で書いたこの文を見ていただきたい」

そう言って、元親に文を渡す。渡された元親は文を隅々までじっくり読むと、

「これは何ともありがたい好機!我々の伊予国征圧を何度も何度も何度も邪魔して来た毛利を叩きのめして、積年の恨みを晴らすと同時に、長宗我部家の全軍をぶつけて、武威を示す事も出来るではないか!」

と、テンションが上がりまくって、元親の弟達も

「兄上!此度の戦の働き次第では、伊予国の一部を領地にしていただく事もありえますぞ!」

「しかも、あの柴田の鬼若子殿が居るのですから、毛利に大打撃を与えられるはず!」

と、元親に負けないテンションになっていた。そんな3人に信房は、

「お三方共、お気持ちは分かりますが、文の中で絶対に守らないといけない部分を忘れないでくだされ!

拙者の兄であり、織田家当主の左中将様からの命令が無いのに、勝手に動くと、後々面倒くさい事になりますぞ?」

釘を刺す様に言う。言われた元親は、

「年甲斐も無く、騒いで申し訳ありませぬ。ですが、過去数十年に渡り、毛利が伊予国征圧を邪魔して、拙者の叔父上達や、弟も毛利との戦で討死したのです!

その事を考えると、とても胸が昂るのです!しかも、今年の睦月に倅の弥三郎が六三郎殿と共に、

北陸征伐に出陣した際、尋常ならざる策で上杉を敗り、臣従させたと聞いております

その六三郎殿と織田家中でも随一の出世を果たした羽柴筑前殿と共に、毛利を叩きのめす事が出来るのです!

北陸征伐では、移動の速さを重視した為、三千しか動かせなかったのですが、此度は我々の庭も同然の四国で暴れて、安全を確保出来たら援軍に来てくれと!

これ程の好機、毛利が織田家に臣従してしまったら、二度と来ないのです!胸が熱くなります!」

と、興奮がおさまらない様だった。

興奮状態の元親に信房は、

「土佐守殿。お気持ちは分かります。拙者も六三郎殿と共に戦場に立ちたい気持ちはありますが、此度は、

長宗我部家への文ですから、拙者達は武器や兵糧を送る事に専念しますので、命令が届いたら暴れ回ってくだされ」

「ありがたき!」

「それでじゃが、土佐守殿。命令が届くまで、何もしないというのも落ち着かないでしょうから、出陣準備をしておくだけでも良いのでは?

甲冑を着て、いつでも出陣する準備くらいは、兄上もうるさく言わないはずでしょうし」

「源三郎様!誠にありがたいお言葉にございます!お言葉に甘えて、ひとつお頼みしたい事が」

「申してくだされ」

「我々だけでなく、阿波国の者達、それこそ、伊予国に近い場所が領地の者達にも伝えておきたいのですが、よろしいでしょうか?」

「そうですな。万が一にも、毛利側の勢力が攻めて来る可能性もありますから、伝えておいて、準備をさせておいてくだされ」

「ありがたき!それでは、拙者は岡豊城へ戻り、出陣の準備に取り掛かります!弟達のうち、弥五郎を阿波国に置いておきますので、

何かありましたら、拙者の二男の五郎次郎と共に使ってくだされ!弥五郎!源三郎様に失礼の無い様にな!」

「ははっ!兄上もお気をつけて!」

「それでは源三郎様、失礼します」

元親はそう言って、弟達と大広間を出て行ったが、帰り道で、

「毛利を完膚なきまで叩きのめすぞ!」

「「おおお!」」

と、戦直前でもないのに、鬨の声を上げる程、気合いか入っていた。父や叔父達と入れ替わる形で親和が大広間に来たが、開口一番、

「父上と叔父上達が騒がしくして、申し訳ありませぬ」

と、平伏した。それを見た信房は、

「香川よ、儂の父上も武田、正確には穴山討伐の際も、同じ様な感じだったのじゃ。それを咎める事は出来ぬ。だから気にせずとも良い」

「源三郎様」

「まあ、とりあえず、兄上からの文が早く届くのを待つしかないか」

信房がそう言って、この話は一旦終わった。

一方、その頃の六三郎達はと言うと、

天正十三年(1585年)十月十日

伯耆国 某所

「そうりゃああ!」

「どけどけ!どかぬか!」

「尼子家の恨み!その身に刻みつけよ!」

「黒田家も負けてられぬ!」

「ひいい!に、逃げろ!撤退じゃあ!」

「殿!伯耆国に入ってから、毛利の者達が朝から晩まで攻めて来ておりますが、やはり我々が動いている事が毛利にも伝わっていると見てよいのでしょうな」

皆さんこんにちは。毛利征伐の別働隊として山陰に入っております柴田六三郎です。先程、昌幸さんが、

別働隊の動きが毛利にバレてると言っていましたが、一万の軍勢が動いていたら、余程のポンコツ武将じゃないかぎり、気づきますよね。昌幸さんは俺を試して言ったのかもしれないけど

ただ、朝も昼も夜も関係なく、毛利側は俺達が休むと攻めてくるので、まともに休めないんですよ

「うむ。儂達みたいに一万の大軍が動けば、大体の者は分かるじゃろう。だが、儂達が休む時を狙って攻撃してくるとなると、

あえてその時を狙っているとしか思えぬ。喜兵衛、お主の戦経験から見て、毛利の狙いは何だと思う?官兵衛殿も、何か思うものがありましたら、言っていただきたく!」

と、聞くと昌幸さんは、

「殿。拙者としては、毛利は我々を攻撃すると同時に、兵糧を奪いに来ているのだと思います」

「それは、羽柴様が数年かけて山陰の半分以上を征圧した事により、毛利の兵糧が足りてない。だから儂達の兵糧を狙っている。そう言う事か?」

「はい」

昌幸さんは、ほぼ断定したみたいで言い切った。戦うだけでなく兵糧も守らないといけないとか、面倒くさいな!俺の考えが顔に出ていたのか、

「六三郎殿、拙者に毛利を一網打尽に出来る可能性のある策が出ましたぞ。先ずは聞いていただきたい」

「聞かせていただきたい」

官兵衛さんが、良い策があると言って来た。史実で備中高松城の水攻めを立案した人だし、期待していいよね!