軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

親父は婿殿と話したあとで

「ははっ!拙者が長宗我部弥三郎信親にございます!自己紹介が遅くなり、申し訳ありませぬ!」

親父に呼ばれた弥三郎は、慌てて前に出て来た。弥三郎を見た親父は、

「見たところ、六三郎と同い年くらいか?」

「は、はい!六三郎殿と同じ今年で二十一歳になりました!

うん。弥三郎の凄まじい緊張が、俺だけじゃなく赤備えの皆にも伝わっている。まあ仕方ないか。このまま行けば、弥三郎にとって親父は「舅殿」になるわけだしな

失礼な言動が無い様に気をつけるのも仕方ない。で、そんな親父は弥三郎に

「そう固くなるな弥三郎。儂はな、弥三郎が初に惚れられて、弥三郎も初に惚れたと聞いておる。そして、

市に、「初を嫁に迎えるのであれば、武功のひとつくらい挙げて来い!」と言われておる事もな

それで確認じゃが、上杉の足軽でも良いから首級の一つくらい取れたか?」

「は、はい!徳川様と武田様の軍勢と同じ場所で待機していた時、上杉の足軽達が我々の場所に逃げて来たので、戦って首級を一つ取りました」

「そうか。ならば、一応武功は挙げた事になるか。それなら市が出した条件を成し遂げた事になるか」

色々と聞いて、その成果を確認している様で、最終的に

「弥三郎!!」

「は、はい!」

「初の事を、よろしく頼むぞ」

「し、柴田様。では」

「弥三郎と初が夫婦になる事を認めよう」

親父が弥三郎と初の結婚を認める発言をすると、

「柴田様が若様を認めてくださった!」

「これで!これで!初姫様が若様に嫁入りなさる!」

「大殿にこの事を早くお伝えせねば!」

赤備えの皆の近くに居て、親父の声が聞こえていた長宗我部家の家臣達が一気に盛り上がる。その声は遠くにいる長宗我部家の家臣達にも広がって行き

「柴田様!ありがとうございます!」

「若様!おめでとうございます!」

と、4000人の歓喜の声になり、最終的には

「弥三郎殿!おめでとう!」

「初姫様は、我々赤備えにとっても大切な姫様じゃ!幸せな暮らしをさせてくだされ!」

と、赤備えの皆まで祝いだして、万雷の拍手って、こんな状況なんだろうな。って思うくらい、詰所が騒々しくなった。勿論、それに対して親父は

「うるさいから静かにしろ!」なんて言う程、器の小さい男じゃないから、静かになるのを待って、やっと静かになったと思ったら、

「さて!皆に伝えておかねばならぬ事がある!ついでじゃ!長宗我部家の者達も、丹羽家の者達も聞いてくれ!

皆も知ってのとおり、儂は此度の戦の最中、不覚にも気を失い、二十日ほど寝ておった。儂が寝ている間に、六三郎を中心とした皆が、上杉の城を落とす働きをしたと聞いた

そして、皆が更なる攻勢を強める為に、突撃し始めた頃に、儂は目覚めた。動ける様になった頃には全てが終わっていた。しかも、寝ている間に右手が少しばかり

動かなくなってしまった。そこで六三郎に言われてしまった言葉が、「次倒れたら、年齢的にも、肉体的にも死んでしまうから、自分に家督を譲って越前国でゆっくり過ごせ」じゃ」

親父の言葉に、赤備えの皆かざわつく。それでも親父は皆が静かになるまで待って、静かになると話を再開する

「改めてじゃが、儂も還暦を超えた。常識外れこの上無い六三郎の事は、今でも多少、いや、かなり心配ではあるが、

それでも、此度の上杉の城を攻略した働き、そして、皆が居る事を考慮して、大丈夫だと判断して、儂は六三郎に家督を譲る!」

親父の発表に、赤備えの皆どころか、長宗我部家、丹羽家の皆も静かになる。それを破ったのは源太郎だった

「で、では大殿!これからは若様が柴田家の全権を担うと言う事なのですね!?」

「そう言う事じゃ。此度、儂は北陸方面軍の総大将として、柴田家が動かせる軍勢のほぼ全てとも言える二万を動かしたが、これからはそれを六三郎が動かす事になる。

まあ、北陸方面軍の戦は終わったのだから、何処かの与力として出陣しなければ、当分、戦は無いと思ってくれ

さて、改めてじゃが赤備えの皆、これからは六三郎を「若様」ではなく、「殿」と呼んでやってくれ!

そして、六三郎が人の道を外れた行動を取った時、皆の諫言を聞く耳を持って居なかったら、遠慮なく儂に伝えよ!いつでも六三郎を嗜めてやる!」

親父がそう言うと、赤備えの皆は

「「「ははっ!」」」

一斉に平伏して返事をした。それを見た親父は

「六三郎!お主が家督を継いで新たな柴田家当主なのじゃ!最初の挨拶をせんか!」

と、俺にふってきた。こういう場面は難しい言葉よりも分かりやすい言葉が良いから

「赤備えの皆!今しがた、父上が話されたとおり、此度、儂が家督を継ぐ事が決まった。儂が当主になったと言えど、早急に何かを変えるつもりは無い!

皆の意見を聞きながら、変えるべきところ、変えなくても良いところを考えながら判断していこうと思う!

だからこそ、変に肩肘を張らずに、今までどおり接してくれ!」

「「「ははっ!」」」

俺の当主就任挨拶を聞いて、赤備えの皆が平伏する。まあ、少しずつで良いよな?いきなり全てを変えたら、それこそ俺も含めて全員がパニックになるし!

少しずつ!そう、少しずつ!