軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

やっぱり休めない。

天正五年(1577年)四月十一日

美濃国 柴田家屋敷にて

「殿。おはようございます」

「うむ。皆、浜松城にいる時と変わらぬ、と言いたいが、護衛の者達よ、随分と身体が辛そうじゃな」

「申し訳ありませぬ。昨日の赤備えの方々の訓練で、身体を動かすのもやっとでありまして」

「初めての事だから、とやかく言えぬが、その様な体たらくでは、いざという時に頼りに出来ぬぞ。早く動ける様になってくれ」

「「ははっ」」

皆さんおはようございます。徳川家の朝礼に、屋敷の当主代理なので、何故か大広間の端の方に居てくれと頼まれて、今に至ります柴田六三郎です

まあ、朝食を柴田家方式で食べる為に、徳川家一行、およそ100人が問題なく入る広さなんだけど、

徳川家家臣の中には昨日の訓練で、ズタボロになって、まだ疲労が抜けてない人が多めな様で、

柱を掴まないと立てない人、立ち上がる時に気合を入れないと立てない人などなど、見た事ある光景です。

でも、しっかり食べないと更に身体が辛いので、今日の朝食は、鹿肉の味噌漬け焼肉と鶏の唐揚げ、徳川家が持参した豆味噌の野菜たっぷりの味噌汁、刻んだ梅干し入の麦8割米2割の飯を出しております

昨日訓練に参加した人は腕がプルプルしてます。ただ、家康は訓練に参加してないのに、腕が震えてますが?

「徳川様?もしや、体調が優れないのですか?」

「い、いや。六三郎殿。大丈夫じゃ。気にしないでくれ」

「は、はあ」

家康が俺に痩せ我慢的な断りを入れたら、於大様が

「ほっほっほ。六三郎殿。二郎三郎は、昨日教えてもらった屋内鍛錬場で、今日の朝早くから刀を振っていて、更に護衛の者達が苦しみながらやった、四種の動きを自らもやって、どれだけ辛いかを実感したのです」

「母上。言わないでくだされ。恥ずかしいではないですか!」

「何を言いますか。赤備えの皆の身体付きを見て、自らもまだまだ鍛える気持ちになったから、頑張ったのでしょう?

それこそ、屋内鍛錬場も浜松城の中か、近い所に作りたいから間取りや寸法も調べていたくせに」

「そういう事は、拙者が六三郎殿に聞いてからが始まりなのに、母上が言っては駄目ではないですか」

「ほっほっほ。私に文句を言う元気があるなら、早く朝食を済ませて、織田殿への文を書いたりしたら宜しいではないですか」

「それは、浜松城に戻ってからでも出来るのですから、此処でやらなくとも良いのです」

「それならば良いのですが、六三郎殿に何か話すべき事があるならば、早く話した方がよろしいですよ」

「それは後で話します。済まぬな六三郎殿。後程、話が有る」

「はい」

何だろう?なんか、また働かされる予感しかしないんだが?

※六三郎の予感はフラグになります

で、徳川様の皆さんの朝食が終わりまして、

「徳川様。話というのは何でしょうか?」

「うむ。実はな、岡崎の三郎の件で六三郎殿に少しばかり、働いて欲しいのじゃ」

「三郎様が何かやってしまったのですか?」

「いや、そうではない。むしろ逆じゃ。出来る事が無くなった。とでも、言えば良いかのう」

「出来る事が無くなったとは」

「うむ。六三郎殿は、数年前に三郎と嫁の徳が家臣達の嫁取りをさせた件は覚えておるよな」

「はい。あの件では、織田家からは勘九郎様が、徳川家からは於大様が、それぞれかかった銭を半分ずつ持ってきてくださって、更に三郎様と徳姫様を叱責しておりましたが」

「うむ。その事で、二人は反省して質素倹約に励み、両家への借銭は返し終えたのだが、その結果、

最低限の銭しか残っておらぬのじゃ。そこで、六三郎殿。二年前の武田との戦の時、儂や三郎殿に作る料理の食材を探していた時に、

万千代に「綿花が使い方次第で大量の銭を生む」と言っておったそうじゃな」

「そう言えば」

「そこでじゃ」

待ってください。嫌な予感しかしないのですが

※六三郎の予感はry

「岡崎城へ行き、綿花を始めとする物を銭になる様に働いてくれぬか」

また出張じゃねーか!いやいやいや、俺、年内に越前国に引っ越すんですが?

「あの、徳川様」

「六三郎殿。心配は無用じゃ。この事は、三郎殿と話はついておる。その証拠に、三郎殿からの文じゃ。読んでみてくれ」

と、言われたので家康から文をもらって読みましたら

「六三郎へ。二郎三郎から話をされておると思うから単刀直入に言うが、婿殿と徳が、借銭を完済させたのじゃが、質素倹約を頑張った結果、城内の銭が枯渇寸前らしい、

そこで、お主が岡崎城へ行き、領地でやった様に銭になる物を作るか、原材料を見つける等をやって、岡崎城の財政を改善して来い!

越前国への引越しは権六が領地に戻ってから行なう。お主は、越前国に来るのは後々でも構わぬ

だからこそ、財政改善に向けて全力でやるのだぞ」

「確かに、殿も仰っておりますね」

「うむ。誠に済まぬが、岡崎城の財政改善を頼む。先程も申したが、三郎達は最早万策尽きた状態なのじゃ。ひとつ、よろしく頼む」

拒否出来ない案件じゃねーか!これは仕方ない。

「かしこまりました。若造といえど、出来る限り知恵を絞り出したいと思います」

「忝い!」

こうして、また徳川家への出張が決まりました。