軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

愚か者の末路

「えいえいおおー!」

「えいえいおおー!」

勝ち鬨の声が砦周辺にこだまする中、やっと六三郎は赤備え達の元に到着した。

(うん。予想以上の壊しっぷりだな。砦を守る壁が一方向は全壊すると思っていたけど、まさかの全方位の壁がほぼ全壊レベルで壊されるとはな

改めて、赤備えの皆を労ってやらないとな)

「皆、見事な暴れっぷりであった!」

「若様!」

「申し訳ありませぬ。若様が到着する前に制圧してしまい、若様が武功を挙げる機会が無くなってしまいました」

「あまりにも砦を守る者達が弱すぎて、つい」

「なに、儂が先陣を切っても、皆に迷惑をかけるだけじゃ。それよりも、儂は赤備えの皆が武功を挙げてくれた事が嬉しい!

確認するが、動けなくなるほどの負傷をした者は居るか?」

俺が聞くと、皆、自分以外を確認して、

「全員、問題ありませぬ」

と、答えが出たので、

「そうか。改めてじゃが、皆、見事な暴れっぷりであった。皆の働きに応じた領地や金銭は、父上や殿に交渉するから、しばらく待っていてくれ」

「はは」

で、俺達が一段落ついた時に、

「六三郎殿。遅くなり申し訳ない」

「戦況はどの様な状況じゃ?」

酒井様と水野様が軍勢を率いて到着しました。馬に乗ってる面々はしょうがないとして、歩兵の面々ですら

終わってから到着するって、赤備え達は最短距離を走ったのか?それとも圧倒的な体力でぶっちぎったのか?

ま、まあ深く考えてもしょうがない

「酒井様、水野様。拙者の家臣達が暴れまわった結果、砦を制圧し終えております」

「「え!?」」

俺の言葉に2人は同じリアクションをしたけど、返り血を浴びて甲冑含めて全身真っ赤な赤備え達を見て

「た、確かに家臣の者達がその様子ならば、制圧するのも納得ですな」

「水野家も領地で同じ訓練をしていたのに、やはりまだまだ鍛え足りぬか」

うん。酒井様はドン引きして、水野様は更に家臣の皆さんを鍛える決意をした様です。

他にやる事を聞いておこうか

「酒井様、水野様。砦の制圧は終わったのですが、これからやるべき事は何かありますでしょうか?」

「そうですなあ。もしかしたら大将格の者を含めた立場のある者が隠れて、せめて一矢。と狙っているかもしれぬので、くまなく人探しをすべきかと」

「儂も酒井殿と同じじゃ。万が一が無いように動いた方が良いぞ」

「承知しました。皆、聞いていたな。疲れておるだろうが、人探しをしてくれ」

「ははっ!」

で、赤備えの皆がくまなく人探しをした結果、

「此処に居たぞ!」

「縄で縛れ!若様の元へ連れて行くぞ!」

「此処にも居たぞ!」

「こいつも若様の元へ連れて行くぞ!」

で、2人の捕虜が縄で縛られて、俺の前に来ました。立場が多少の有る人達なんだろうな。ちゃんと上下セットの甲冑を着てます

とりあえず色々聞きますか

「さて。そこの2人。名を何と申す?」

「ふん。誰が小童なんぞに名を」

「儂も同じじゃ!誰が」

2人が喚くので、

「源太郎。例の武器は残っているか?」

「はい。三つ残っておりますが」

「ならば、一つに火をつけて、少々遠くの壁にぶつけてやれ」

「は、はあ。では」

源太郎が俺に言われて簡易ダイナマイトに火をつけて遠めの壁に投げた。そして

ドーン!!!

爆発と同時に壁が壊れた。それを見ていた2人に

「お主達が名を名乗らない様ならば、あの武器に火をつけた状態で、お主達の口に突っ込むが、それでも良いか?」

俺が脅しながら質問すると

「 松原満衛門元安(まつばらみつえもんもとやす) じゃ」

「 幸喜保右乃助正吉(こうきほうのすけまさよし) じゃ」

「何じゃ。ちゃんと立派な名かあるではないか。全く、儂より歳上なのは当然じゃが、見た感じ、儂の家臣達よりも歳上の様じゃな。

赤備えの皆で、この2人を知っておる者は居るか?」

「ま、待て」

「あ?」

「い、いや。お待ちくだされ。お頼みしたい事が」

「何じゃ?」

「拙者は、この砦を守る兵の中では大将だったのですぞ。貴殿の元で働けば、武田に居た時以上に働きまする。なので命だけは」

「要らん」

「え?今、なんと」

「要らんと言ったのじゃ!名を聞いた後にやる事が、命乞いとはな。大将だった者が聞いて呆れる」

俺がそう言うと、幸喜という男が

「な、ならば。貴殿の家臣達は?こ奴らは、三年前に武田を裏切った者達なのですぞ!」

赤備えの皆を責めてきた

「だから何なのじゃ?この者達は、儂の大切な自慢の家臣達じゃ」

「この様な裏切者達は再度、裏切ります。その様な者達より拙者達を召し抱えた方が」

この言葉に俺はかなり苛ついた。けど、続けて松原が

「そうですぞ!こ奴らの中でも、中心の飯富兄弟は、父親が武田に謀反を仕掛けた裏切者だったのですぞ!

きっとこ奴ら兄弟も、親父の裏切者の血がいつか」

俺はそこまで聞くと

「黙れ」

松原の喉に刀を刺していた。松原は

「ゴボ。ガハ」

と言って、最期は何も言わずに倒れた。それを見た幸喜は

「ひ、ひいい」

悲鳴を上げて失禁していた。それても口は回る様で

「も、申し訳ありませぬ!何卒、何卒お命だけは!」

命乞いをしてきたけど、

「儂の通り名は「柴田の鬼若子」じゃ。こんな若造についてきてくれる大切な家臣達を、更にはそのお父上を愚弄する様な者を許すわけなかろう。

柴田の赤鬼達を愚弄した事を後悔しながら死ね!」

俺はそう言いながら、幸喜の首を切った。死体からは血がゆっくりと流れていた。そして、

「皆。この様な者達でも、一応弔ってやってくれ」

皆に命令して、俺の初陣はとりあえず終わった。