軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

7つ集めるのか?

遺跡に戻って就寝するときもマーギンのテントに誰も来なかった。

マーギンは仰向けに寝て、左右にゴロゴロしてみる。

「寝やすいっちゃ、寝やすいんだけどな……」

1人でゆっくりと寝たいなと思っていたが、こうしていざ1人になるとなかなか寝付けないマーギンなのであった。

翌朝、プロテクションステップで森の歪みの近くまで来た。

「うむ、やはりカザフが見つけた石が関係しているのは間違いない。近くまで来ても歪みが消えずに見えているな」

大隊長が検証が正しかったと確信し、このまま歪みのある場所に進もうとマーギンに伝えた。

しかし……

「この前と同じですね。まっすぐ進んでいるはずなのに、歪みがある場所に近づけない」

近づくように進んでいるのに、一向に歪みがある場所に辿りつけない。

「この前もこんな感じだったのか?」

「はい。ビッグモスキートが燃えているところを目指したはずなのに、近づけなかったんですよ。何かの拍子に近づけたとしたら、プロテクションステップが消えます。それに一部の魔法が使えなくなったんです」

「なるほどな……やはりこれは高度な結界なのだろう。カザフの見つけた石が結界を維持するためのものだとしたら、他にもあるのではないか?」

「結界を維持する石? じゃあこれもですかね?」

マーギンはバネッサから受け取った石を見せた。

「全部でいくつある」

「バネッサ、カザフのと合わせて3つですね」

「なら、他にもある可能性が高いな。全部でいくつあるか分からんが、その石……結界石とでも呼ぼうか。結界石を集めれば歪みに隠された遺跡が見つけられると思われる」

大隊長の推測では、いくつかあるうちの3つを手に入れたことで結界の力が弱まり、歪みが見えるようになったのではないかということだった。

まさか、7つ集めたら願いを叶えてくれる何かが出てくるんだろうか? と、マーギンは変な想像をする。

「これはカザフの分っ!」

石をカザフに返すときに変なセリフを言ったマーギン。

「そんなに叫ばなくても分かってるってば」

「あぁ、すまん。口が勝手に動いた」

遺跡に戻り、石の捜索をすることを決めたマーギンたちは地図を広げて、カザフとバネッサにどこで石を拾ったかの確認をする。

「多分になるけどよ」

バネッサとカザフが多分この辺と地図に印を付ける。

「何か手がかりが欲しいところだな」

拾った位置も正確かどうか分からないので、何かヒントがないかとオルターネンが考え込む。

「ねー、マーギン。前に読んだ結界の本にヒントがないかな?」

カタリーナが探してくれた結界の本を読めばヒントがあるんじゃないかと言う。

「あれは侵入できないようにする仕組みだと……」

と、マーギンは否定しかけると、

「仕組みが似てるかもしれないじゃない」

そう言われるとそんな気がしてきたので、もう一度本をじっくり読むことにした。マーギンが仕組みを読み解く間に、他のものは石探しをすることに。遺跡に残ったのはカタリーナとローズ。

「ねー、何か分かった?」

「いや、この侵入防止の魔法は俺も知ってるんだよ。イメージ的には見えない壁を作るみたいな感じだな」

「壁かぁ、じゃあ土魔法ってこと?」

「いや、実際の壁じゃないから違うぞ」

「ふーん。でも結界の魔法陣って、描くだけで発動するのね」

「いや、魔力は必要だぞ。魔結晶を置くか……」

と、カタリーナに説明しかけて、マーギンは何かに気付いた。

「そうか、この石にも魔力を供給していたものがあるはずだ。魔石や魔結晶で供給していたなら、頻繁に交換することになる……」

本に書かれている内容も魔力の供給は魔石か魔結晶だ。そしてマーギンは一つの答えに行き着く。

「チューマンを転移させていた魔法陣は、近くの魔素を集めて魔力に変換していた。同じような仕組みにしてあれば……」

マーギンはゴルドバーンのチューマンの研究施設の資料をバサバサと出して、周囲の魔素を魔力に変換する装置のことが書かれていないか探す。

「何か手伝えることある?」

カタリーナとローズが資料を探すのを手伝ってくれるようなので、何探しているか説明し、手分けして探した。

「これではないか?」

そして、ローズがそれらしき資料を見つけてくれたので、マーギンがそれを読んで確認する。

「ありがとうローズ、これだよ」

マーギンはその資料を読み解いていく。

「何か分かった?」

「まぁな。これをもっと高度にしたものがあれば、結界の石を作動させることができると思う」

「何か装置があるってこと?」

「そうだな……しかし、そんな装置があればバネッサもカザフも、石と一緒に見つけたはずだよな。それとも超小型なのか直接地面に魔法陣を描いて……」

「でも、バネッサが落っことしたときに結界が復活したんでしょ? 場所が動いても大丈夫なのかな?」

「それもそうだな」

やっとヒントが見つかったと思っても見当外れだったマーギンは肩を落とす。

「もう晩御飯にしようよ。お昼も食べてないし、お腹空いた」

「あぁ、そうだったな。何か食べたいものはあるか?」

「じゃあねぇ、材料出して。私とローズで作ってあげる」

「えっ?」

マーギンは嬉しそうな顔……ではなく、眉をひそめた。

「何よ?」

「い、いや別に……」

ローズもやる気になっていたので、自分が作るとは言い出せず、ジャガイモ、卵、ミンチ肉、調味料を渡した。

「よっ、はっ、あーーっ!」

ローズの叫び声が聞こえてくる。何かやらかしたようだ。何ができるかはお楽しみだと言われて、調理しているところは見てない。

そうして、しばらく待っていると、皿を背中に隠したローズと、ニヤニヤとした顔のカタリーナが来た。

「すっ、すまない。あまり上手ではないのだが……」

と、背中に隠した皿を出した。

「あっ、オムレツじゃん」

ちょっとグチャァになりかけているが、何とかオムレツの形を保っている。それに……

【ありがとう】

ケチャップで書かれた文字とハートマーク。

「これはねぇ、私とローズの気持ち。冷めないうちに食べてね」

2人で作ってくれたオムレツは、時々ジャリッとした食感があるものの、優しい味がして美味しいのであった。