軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

遺跡探索準備

ノウブシルクで子供たちの様子を見つつ、晩秋までいたマーギン達。あとのことは王代理とキツネ目に任せて、シュベタインに戻った。

マーギンは自宅に戻り、ノウブシルクの元第一王子がいた部屋にあった本を一冊だけ持ってきていた。

「この本に載ってる地図もここに印が付いているんだよなぁ」

中身は読めないが、ゴルドバーンで手に入れた地図と同じ場所に印が付いている。恐らく、遺跡の場所だろう。前に遺跡を探していたというタイベで捕まえたやつらの依頼主は元王子だったのではなかろうか? それに、ラーを祀る祭壇の金の女神像の謎も知ってたのかもしれんな。とマーギンは考えた。

もう確かめようがないので、そうだったとしてもどうしようもない。

「この印の付いている場所は魔人の巣なのかもしれん。それなら建物ではなく、地下とかなのかなぁ……?」

上空から見ても分からず、地上を歩いても見つけられなかった。てっきり、ラーの祭壇のようなものを想像していたが、違うのかもしれない。それだと見つけるのは難しいだろうなとマーギンは思った。

翌日、娼館に、ノウブシルクで手に入れた食材を持っていく。

「よう、生きてたか?」

「それはこっちのセリフさね。何しにきたんだい」

「土産持ってきたんだよ。熊肉と毛糸」

「熊肉?」

「あぁ。思ったよりクセがなくてな。みんなも食べられるんじゃないかと思ってな。薄切りにして出汁にさっとくぐらせるぐらいで食べられる」

そう言ったマーギンはどんどんどんと肉の塊を出していく。

「なら、薄切りにしときなよ」

「まったくもう」

と、言いながらもスライサーでシャブシャブ用の薄切り肉にしていった。その後、タバサの墓にクッキーとお酒を供えたあと、ハンター組合に向かった。

「おっ、やっぱり来たか」

組合に到着すると、ロッカ、バネッサ、アイリスがいた。

「あれ、お前らも来てたのか?」

「きっとここに来るだろうと思って、待ち伏せてたんだ」

なぜ待ち伏せる?

どうやら、ロッカ達が先にロドリゲスに遺跡の情報がないか話を聞いてくれていたようだ。

「よう、王様」

と、笑いながら話しかけてくるロドリゲス。

「うるさいな。で、何か情報はあるのか?」

「いや、なんもねぇよ。北の街は特務隊が頑張ってくれてるし、ライオネルはマーロックの部下達がクラーケンやマルカを討伐してくれてる。それ以外の情報はないぞ」

「そうか。まぁ、元々王都に遺跡の情報なんて集まることはないだろうし、しょうがないな」

「ま、そういうこった。お前、タイベに行く予定はあるか?」

「寄るかもしれないけど、なんかあったの?」

「小型のラプトゥルがけっこう出てるらしい。今のところはハンターたちで何とかなってるみたいだが、デカいのが街に近い所で出始めたら厄介だぞ」

「小型ってどれぐらいのやつだ?」

「5、60センチぐらいのやつだ」

「あー、数が多いタイプのやつか」

「そうだ。弱いやつに一斉に襲いかかってくると報告があった。柵を乗り越えて来たとの報告もある」

小型のラプトゥルは単体では強くない。数の暴力で来るのが厄介なのだ。柵があっても仲間をはしごのようにして登ってくる。

「なぁ、マーギン。あれ、森の中にいるやつだろ? なんかに追い出されたんじゃないのか?」

と、ロドリゲスが森の異変について聞いてくる。

「前に森に入ったときに、ラプトゥルがけっこういた。それに縄張りを奪われたのかもしれん」

「やっぱりか。お前が探している遺跡になんか原因があるんじゃねーのか?」

「可能性はある。だけど、遺跡が見つからないんだよね。なんか建物があるかと思ってたんだけど、もしかしたら、埋もれて地下になってるかもしれないんだよ」

それを聞いたロドリゲスは顎に手をやり、うーんと唸る。

「いつ出る?」

「2〜3日中には出発するつもり」

「誰を連れて行く?」

「大隊長とちい兄様は一緒に行くと思う」

「うちは行くぜ」

と、バネッサが口を挟んできた。

「私も行きますよ」

アイリスもだ。

「じゃあ、ロッカも行くんだな?」

と、ロドリゲスがロッカに聞くと、

「遺跡も気にはなるが、私は王都に残ろうかと思う。北の街にレーキが出るだろうから、誰か残った方がいいだろう」

「そうか」

「それと、ショベルカーとブルドーザーを置いていってくれると助かる。除雪に使いたい」

それが目的か……。

「分かった」

「マーギン、カザフを連れていってくれ」

と、ロドリゲスがカザフを指名した。

「多分、来ると思うけどなんで?」

「あいつはこういう斥候の仕事を知らんだろ? 俺が教えてやる」

ロドリゲスの言う斥候の仕事とは、罠や隠されたものを見つけるための知識のようだ。つまり、教えてやるとは、一緒に来るということだ。

「忙しいんじゃないのか?」

「たまには俺がいない方が、人は育つだろ?」

と、ロドリゲスは笑った。

「じゃ、3日後にしようか。引き継ぎとかあるだろ?」

「分かった。じゃ、今晩、ダッドの所で打ち合わせしようぜ」

と、約束をした。

ついでなので、シスコの顔も見ておくことに。

ピクッ。

マーギンの顔を見るなり、眉間にシワがよるシスコ。

「何?」

「そんな顔すんなよ。べっぴんさんが台無しだぞ」

「褒めたって何も出ないわよ……」

と、シスコの顔が優しくなりかけたとき、

「だからシワが増えてきてるんだよ。そろそろお肌の曲がり角なんだから……」

ビタンっ!

「余計なお世話よっ!」

いらぬことを言ったマーギンはビンタを食らう。

「じょ、冗談じゃないか。そんなに怒んなよ」

言っていい冗談と悪い冗談の区別がつかないマーギンは赤くなったほっぺを押さえてブツブツと言う。

「で、何しに来たのかしら?」

シスコ、ツン継続。

「お前の顔を見に来ただけ」

「なっ、何よそれ」

いきなり口説き文句みたいなことを言われて、赤くなるシスコ。ツン解除成功。

「またしばらく王都を離れるんだよ」

と、3日後に王都を出発することを話す。

「いきなり森に入るの?」

「そのつもりだけど?」

「ライオネル経由で行かない?」

「なんかあるのか?」

「私がライオネルに行きたいの。漁師達に話があるのよ」

マーロック達の仲間が運搬するときに一緒に行けばいいのに、マーギン達にライオネルまで付いてこいと言う。シスコはちょっと淋しいのかもしれない。

「分かった。ついでにライオネルで魚を仕入れるわ。帰りは送ってやれんぞ」

「いいわよ」

そして、夜にロドリゲスと打ち合わせという名の飲み会も誘っておいた。

その夜は案の定、リッカの食堂でただの飲み会となる。そして、宴会中にロッカと話していたタジキがこっちに来た。

「マーギン、俺は王都に残る」

と、タジキは王都に残るらしい。

「除雪作業をするなら、俺もいた方がいいだろ?」

なるほど、ブルドーザーが目的か。

「まぁ、好きにしろ。除雪作業をするなら、アイリスもいた方がいいんじゃないか?」

「えっ? 私はマーギンさんについて行きますよ」

「アイリスも残れよ。ファイアスライムで雪を溶かせるだろ?」

「えーっ、嫌です。マーギンさんと一緒に行きたいです」

と、アイリスは言っていたが、翌日、サリドンとホープから残ってほしいと言われて、王都に残るハメになるのであった。