軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

相当な実力の持ち主

マーギン達はみんなのいる場所に戻った。

「ロッカ、子供達の様子はどうだ?」

「大人しく寝てるぞ」

「了解。子供達も落ち着いてるみたいだし、みんなも寝てくれ」

すでに明け方近くになっている。みんなも疲れてるだろうと、寝てもらうことに。

「全員、この年にしては魔力値が高いな」

みんなが寝てから、マーギンは子供達を鑑定した。歳は10前後の子供達。魔力値は200前後だ。よく魔力暴走で死ななかったな。と、不思議に思う。

「ん?」

額に埋め込まれた魔結晶をよく見てみる。

「これ、マジックドレインペンダントみたいな仕組みなんじゃないか?」

カットの仕方は違うが、未加工の魔結晶そのものが埋め込まれているわけではない。明らかに加工されたものだ。

魔結晶を壊さずにカットするには、魔法で状態保存を先にする必要がある。

「かなり専門的な知識を持ってるな。それに状態保存魔法も使えるのか。ということは……」

マーギンは魔力暴走を抑えるためにマジックドレインではなく、魔結晶に魔力を溜めるような仕掛けだとしたら、あのストーンバレットの弾数と威力の謎が解けると考えた。

「溢れた魔力を魔結晶に溜めて、使った分を魔力に戻すとかの仕組みなのかもしれん」

マーギンは自分の仮説を確かめるために、自分を撃った子供に鑑定をしながら、マジックドレインをかける。

【魔力値】217、216、217、216、217

マジックドレインで魔力を吸い取ると、すぐに復活する。試しに、もっと早く吸い取っても同じだった。これを繰り返していると、徐々に魔結晶の色が薄くなってきた。

「仮説通りか。こんなことができるとか凄い技術だ」

初めは、埋め込まれた魔結晶は子供達を操るためのものだと思っていたが、そうではないようだ。額の魔結晶を何とか取り除けないかと思っていたが、この子達は大人になるまで、このままの方がいいかもしれん。と、マーギンは、思った。

「何か分かったのか?」

大隊長がやってきた。

「寝なくていいんですか?」

「神経が高ぶっててな」

「まぁ、そうでしょうね。あとでスリープをかけますよ」

「いや、大丈夫だ。ああいうことが平気な人間になりたくはない。寝れなくなるのが当たり前のことをしたのだ。これは受け入れるべきだと思わんか?」

拷問の末、男を始末した大隊長はそう答えた。今のやり取りで、自分に拷問をさせないために、先に寝かせたこともマーギンは理解した。

「なら、酒でも飲みますか。子供達のことで分かったことを説明しますよ」

「何かつまめる物はあるか?」

「腹減ってるならなんか作りますけど?」

マーギンは肉料理を避け、粉ふきいもにマヨを添え、胡椒をガッツリかけておいた。

「お、何だイモかと思ったが、これはなかなかいけるな」

「水割りにも結構合いますしね。たまにはこういうのもいいでしょ」

マーギンもつまみながら飲み始めると、オルターネンもやってきた。

「寝てなくていいの?」

「なんか旨いものでも食ってるんじゃないかと思ってな」

と、笑いながら隣に座ったので、同じ物を渡して、子供達のことを話した。

「マーギンでも知らないものなのか?」

と、口元にマヨを付けたオルターネンが真面目な顔をする。面白いからこのままにしておこう。

「俺は他の国のことをなんにも知らなかったから、こういうのが開発されていたかもしれないね」

「それが古文書として残ってた可能性があるのか」

「かもね」

「子供達はどうやって操っていたか分かるか?」

と、オルターネンがマーギンに尋ねたとき、

「それは私が説明致します」

シュッと現れたのは隠密の頭。いきなり出てきてもマーギン達は驚きもしない。

「あれはお前の部下だったのか」

大隊長が隠密頭に聞く。

「元、ではありますが」

「残念な最期を見せてしまったな」

「仕方がありません。そのような人生を歩み、それだけの報いを受けるようなことをしてきたのですから」

そう答えた隠密頭は、人を洗脳するときはどのようなことをするのか説明をした。

「このようなことまでしなくても、子どもなら効果はてきめんです。子ども達にとって、第一王子は親……いえ、神のような存在になっているでしょう。ただ……」

「ただ、何だ?」

大隊長は言葉を濁した隠密頭の顔を睨んだ。

「……心を壊したのだと思います。何も考えず、何も望まず、言われたことだけしかできないように」

「元に戻せるのか?」

「私には分かりません。心が壊れた者が長く生きた例を見たことがありませんので」

その言葉を聞いたマーギンから威圧のこもった魔力が溢れ出す。

「マーギン、抑えろ。こいつに怒りをぶつけても何もならんだろう」

と、オルターネンに肩をポンと叩かれたマーギンは、フーーっと大きく息を吐き出した。

「悪い」

「い、いえ。陛下のお怒りはごもっともでございます。それと、普通に生きろと言われておりましたが、そのご命令にも背きました。申し訳ございません」

「何をした?」

「第一王子の潜伏先と思われる場所に部下達を張り付かせて、見張りをさせております。場所は北の廃鉱山です」

「北の街の領主邸から地下で続いているのか?」

「直接ではありませんが、近くまで続いております」

「初めからそこが潜伏先と知ってたのか?」

「いえ、廃鉱山となった理由が魔物の脅威だったからです。鉱山入り口はもとより、鉱山内に倒せないほどの魔物が出るようになり、廃鉱山となりました。そのような場所に潜伏するとは思えませんでしたので」

「何が出るか分かるか?」

「サラマンダーです」

「鉱山って、火山か?」

「違います」

マーギンは自分の知ってるサラマンダーとは違うのかと疑問に思った。

「地下水が豊富なので、ヌメヌメとしたやつです。他にも大きなクモ型の魔物や、コウモリ系のものです。サラマンダーが出るようになってから、他の魔物も大きく強くなりました」

水生系のサラマンダーもいるのか。北側は寒くて、行かないようにしてたから知らない魔物だな。

「分かった。見張りと場所を教えてくれてありがとう。坑道図はあるか?」

「こちらに」

と、すでに用意をしてくれていた坑道図を手に入れたマーギンは、夜が明けると廃鉱山に向かったのであった。