軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

舐めたマネしたやつの後始末2

港に戻ったマーギンは敵兵をどうしたかをエドモンドに報告しておいた。捕虜はしばらく牢に入れてから、王都に送るらしい。

「マーギンさん、今日の晩ごはんは炙りハンバーグですか? それともチーズハンバーグですか?」

マーギンにぶらんぶらんとぶら下がりながら、アイリスがハンバーグを要求する。

「今からハンバーグを作んのかよ。結構疲れてんだぞ」

「私もですよ」

こいつ……

エドモンドは家を失った人に宿屋の手配や炊き出しなどの後始末をしているので、孤児院にいるのはいつものメンバーと孤児達。

孤児達はマーロックとシシリーにくっついて離れない。相当怖かったのだろう。

「うちは甘辛のつくね」

そんなことを気にせず、アイリスに便乗して甘辛を要求してくるバネッサ。

「お前なぁ……」

「ガキ共も旨いもん食ったら、ちっとは元気になるだろ。丸めるのはうちらがやるから、味付けだけしてくれよ」

そういうことか。

「お前ら、ハンバーグを食いたいやつはアイリスのところに集まれ。つくねを食いたいやつはバネッサのところに集まれ」

と言っても動かないので、とりあえず肉をミンチにしていく。

カタリーナはアイリスを手伝い、シスコはバネッサを手伝う。オルターネンとロッカは炭の準備。

「ローズ、大丈夫か?」

ローズの元気がない。

「すこぶる元気だぞ! ちょっと疲れただけだ」

「なら休んどく?」

「いや、私も何かを手伝おう」

と、マーギンの横に来てソース作りを手伝った。

イビツなハンバーグと大きなつくねを焼き、タレを付けて炙るといい匂いがしてくる。

ジュワァァァ。

そこでようやく孤児達が近寄ってきた。

「なんだよお前ら、これはうちのだからな。食いたきゃ自分で丸めろ」

子供と張り合うバネッサ。

「いじわるすんなよ」

「うっせぇ、自分の食うもんは自分で丸めやがれ」

バネッサとぎゃーぎゃーと言い合いする孤児達。ちょっとは元気がでてきたか。

「あー、割れちゃいました」

イビツなハンバーグを網で焼くと割れやすい。

「はいマーギンさん、焼けましたよ」

「お前なぁ……そぼろみたいになってるだろうが」

「スプーンもありますから。私はこれをいただきますね」

と、アイリスはマーギンが作ったハンバーグを奪っていった。

ワイワイとハンバーグとつくねを食べた孤児達にスリープを掛けてやる。これでゆっくりと寝られるだろ。

「マーロック、行くか」

「マーギンはゆっくりしてくれてていいぞ」

「俺が焼いた方が綺麗に焼けるだろ?」

「それもそうだな」

と、マーロックと外に出て、遺体が安置されている広場に向かった。

領民達の遺体は綺麗に並べられ、敵兵達の遺体は山積みにされている。

マーギンは敵兵の遺体から身分を証明するものを探ると、首から金属製のタグをぶら下げていたので回収する。

「どうするんだそれ?」

「戦利品」

そのあと、領民の遺体の前で焼肉を焼き出した。

「まだ食うのか?」

「お供えだよ」

「あの……」

焼肉を焼いていると、女の人が話し掛けてきた。ご主人と子供を亡くした奥さんだ。

「少しは落ち着かれましたか」

「はい……どうもありがとうございました。あのまま憎しみで敵を殺していたら、亡くなった主人と子供が悲しんだと思います」

と、頭を下げた。

「悲しみと寂しさは消えないと思うけど、それはあなたの中でご主人とお子さんか生きている証拠です。あなたが生きていることで、2人も生き続けていると自分は思います」

「うっ、ううぅ……」

マーギンがそう伝えると奥さんはまた泣き始めた。

「お二人の好きな食べ物は何でしたか?」

「さ、魚です」

「分かりました。2人がみんなに自慢できるように、デカいのを供えましょう」

マーギンは手持ちのマグロを出し、領民達の遺体の前に置いた。そして、他の人達にも最後のお別れが済んだことを確認していく。

遺体を焼く準備ができたときに、オルターネン達もやってきた。

「さ、みんなで見送ってやるか。カタリーナ、天と海に還る者達に祝福の祈りを捧げてやってくれ」

「うん」

カタリーナが祈ると優しい光に遺体が包まれていく。

《フレイム!》

ゴウゥゥゥゥ。

マーギンの出した炎が遺体を焼いていく。その炎が高くなっていくと火の粉が光の粒のように舞い上がった。その光の粒がカタリーナの出した優しい光に導かれるように天に昇り、ある光の粒は海の方へと消えていく。

残された者達はその光景をいつまでも見送っていた。

その後、この広場には慰霊碑が建てられ、領民を守るために亡くなった者は、英霊として名を刻まれることになるのであった。

「シシリー、せっかく上手くいっていた商売もやり直しだな」

遺体を焼いてから数日、復旧作業を手伝い、王都に戻ることになった。

「そうね。でも人生ってこんなものじゃない? やり直しできるだけでも幸せってものよ」

と、シシリーは微笑んだ。

王都からの客が増えてきたところにこの騒動だ。しばらく誰も来なくなるだろう。シシリーのことだから、その間にまた何か仕掛けを作るだろうけど。

アニカディア号でライオネルに向かうときにカタリーナは釣りをしたいと言わなかった。今回のことで色々と思うことがあったのだろう。

楽しい旅行になる予定がこんなことになってしまったのは残念だ。

次に気軽に遊べる日はいつになるのだろうか……

「自分でケリを付けないとな」

マーギンは小さく呟いたのであった。