軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

平穏なタイベ旅行

タイベにはシスコの視察も兼ねて客船で行くことに。

「凄いことになってるわね」

シスコの言う凄いこととは、客船のショーやショップだけではなく、貴族と思われる人がたくさん乗っていることも含まれていた。

「カタリーナ、お前あまり部屋から出るな」

「どうして?」

「お前のことを知ってる貴族がいるかもしれんだろ」

「別にバレてもいいじゃない。もう隠せてないと思うよ」

まぁ、そうかもしれんが。

「それより、今回はちゃんとお金持って来たの♪」

と、金貨の入った袋を見せる。こいつ、帰りにまた賭けをやるつもりか、全然懲りてないじゃないか。

「ギャンブルはさせんぞ」

「えーっ。どうしてよ」

「ギャンブル好きの聖女とかいるか。ギャンブルに使うつもりで金を持ってきたなら、前に貸した分を返してもらう」

と、前に貸したお金分をボッシュート。帰ったら返すから、とぴょんぴょん飛び跳ねて取り返そうとしつこかったが、これもカタリーナのためだ。

「ローズ、マーギンが酷いの。何とか言って」

「今回はマーギンの方が正しいです。諦めてください」

「えーっ、じゃあオルターネンから言ってよ」

「姫様、筋は通さねばなりません」

と、誰も味方をしてくれなかったカタリーナは拗ねた。

「じゃ、釣りする」

今回の船は貨物船を改造した方のやつだからデッキがある。

「マーロックの船みたいに釣れるわけじゃないぞ」

「いいのっ」

しょうがないのでデッキに連れていき、竿を借りた。カザフ達がいないので、餌のネズミがないのでルアーもどきでやるか。

マーギンはスプーンを錬金魔法で加工して、糸をくくりつける穴と針を付ける穴をあけて、ルアーの原型ともいえるものを作った。

「こんなので釣れるの?」

「どうだろうな? 餌がないからこれでやるしかないだろ」

糸を長めにして、ポチャと投げ入れる。あとは待つだけ。

「なんかグングンしてる。釣れたんじゃない?」

「スプーンが動いてるんだろ。魚が釣れたらもっと竿が曲がる」

しばらく待つと、いきなり竿がひったくられそうになる。

「カタリーナ、しっかり持て」

「キャーっ!」

「姫様っ!」

ローズがカタリーナの身体をうしろから支える。

しばし格闘して、釣り上げたのはシイラだ。

「もう腕が上がらない」

「大きなシイラだからな。フライかステーキのどっちにする?」

「どっちも」

ということなのでここで調理する。他の皆を呼びに行くのも面倒なので3人で食べた。ローズは船酔いし始めてるのか、あまり食べなかったのでかなり残ったな。残りはフライにして、パンに挟んでフィッシュバーガーにして収納しておいた。

そのころ、ロッカ達はショーを楽しんでいた。今観ているのは先住民の男たちの武闘の舞だ。

「ねぇ、ロッカ」

「なんだ?」

「ロッカもこれに出れそうね」

酷いことを言うシスコ。ロッカは先に見たフラダンスみたいな方をやってみたいと思っていたのに。

最後は恋愛劇。

シスコはこういうのが好きで、どハマリし、ロッカもポーッとなっていた。

劇が終わり、レストランで食事をしながらシスコとロッカが恋愛劇の話で盛り上がる。

「けっ、くだらねぇ」

「なんてこと言うのよあなたは」

全く興味を持てなかったバネッサ。

「だってよぉ、あの武闘の舞とかの方が面白かっただろうが」

「あんなのロッカだってできるわよ」

「おいっ。なぜ私が上半身裸で踊らねばならんのだ」

それを想像したオルターネンは赤くなる。

「鍛えてるからいいじゃない。多分誰も気付かないわよ」

「気付くわっ!」

「マーギンさんもできますかね?」

「マーギンはちょっと違うんじゃない? 大隊長とかの方が似合ってると思うわよ」

と、シスコが言うと、皆がうんうんと同意した。

その夜、あまり元気のないアイリスにカタリーナが話しかける。

「船酔いしてるなら、シャランランしてあげようか?」

「大丈夫ですよ」

「でもなんか浮かない顔してるじゃない」

「えぇ、そうですね……」

「話すだけでも気が楽になることもあるわよ」

と、言われてカタリーナに義母と弟に会うべきかどうか相談してみた。

「会ってちょっと炙ってやったらいいんじゃない? 私がすぐにシャランランしてあげるから」

マーギン化してきたカタリーナ。

「炙りませんよ」

と、笑うアイリス。

「でも、会っておいた方がいいかもしれませんね。気になってないと言えば嘘になりますし」

「ずーっと、気掛かりになるんだったら、さっさと終わらせておいた方がいいわよ。ムカつくなら焼けばいいし」

とても聖女とは思えない発言。

アイリスは翌日、マーギンに義母と弟に会うことを伝えた。

こうして、船旅はそれぞれがしたいことをして過ごし、問題なくタイベに到着したのであった。

孤児院に移動する前に、孤児達がやっている屋台の様子を見に行く。

「あっ、マーギン!」

すぐに気付く子供達。

「売れてるか?」

「新作出してるから、バンバン売れてるぜ」

練り物の天ぷらはタマネギ入り、それと肉巻き握りがよく売れているそうだ。

「私は肉巻きをちょうだい」

と、シスコが言うと他の皆も希望する。俺とアイリスはタマネギ天。

「美味しいわね」

「うむ、もう3つもらおう」

ロッカ、飯は飯で食いに行くぞ?

買いに来ている奥様方は昼メシにするのか、晩飯にするのか分からんが、まとめ買いしていく人が多い。男はツマミとして買うんだな。しかし、昼間から飲んでるやつは何をしている人なのだろう?

夕方に孤児院に行きシシリーと打ち合わせ。使いの者に、俺達のスケジュールを伝えてもらうことにした。屋敷で堅苦しく会うより、パンジャのビーチで会って遊ぶ方がいいだろう。

明日もここで1日過ごし、シスコとシシリーは仕事の話をするようだ。

「アイリス、俺達は薬草でも探しに行こうか?」

「そうですね」

薬草探しはシスコ以外全員来ることになり、湿地帯があるところを聞いて出発した。

「ヒルの魔物対策しとけよ」

「やってくれよ」

こいつは全くもう……

バネッサの世話を焼くマーギン。

「隊長とロッカとバネッサは魔物の対応をお願い。湿地帯は厄介なやつが結構いるから気を付けてね」

「あのワニとかか?」

「湿地帯だけみたいだから、ワニ系はいないんじゃないかな。ヘビ系はいると思う」

と、魔物のことは任せて薬草採取。泥に足をとられて歩きにくい。

「マーギン、動けんぞ」

なぜか他の人より深くハマるロッカ。理由は分からないことにしておこう。

「隊長、救出お願いします」

と、任せておいて、薬草辞典を見ながら採取する。

「これ、希少って書いてあるけど、めちゃくちゃあるな。間違ってないよな?」

図解されているのだが、希少薬草がこれだけあるなら、似た植物の可能も考えられる。

しかし、説明通りだし、図解の特徴も一致するから、取り尽くさない程度に大量に採取。

「マーギン、動けねぇ」

次はバネッサだ。

「なんでそんな深そうなところに行くんだよ」

「なんか光ってたんだよ。いいもんかもしれねぇだろ?」

光ってた?

ヤバい。

《プロテクションボール!》

慌ててバネッサをプロテクションボールで包む。

ガッ!

「うわっ」

間一髪間にあった。バネッサが光ったものと言ったのは、こいつの目が反射したからだ。

プロテクションボールに阻まれても、構わずにガツガツ攻撃する魔物の正体はカミツキ亀系の魔物だ。

「迎えに行くからじっとしとけ」

マーギンはプロテクションで足場を作り、バネッサの方へ行き、亀にパラライズを掛けてから首を落とした。

「ほら、手を伸ばせ」

プロテクションの上に乗っているマーギンは手を出し、バネッサをひっぱるがびくともしない。

「片手じゃ無理だな」

次は両手で引っ張るも無理。

しょうがないので、バネッサに抱きつかせ、マーギンも身体を持って引き上げた。

「はぁ、死ぬかと思ったぜ」

「こっちも泥まみれになっただろうが。泥より魔物に気をつけろ」

「わ、悪かったよ」

「マーギン、スマンこっちも頼む」

オルターネンもロッカのところで同じようにはまっている。

「あーもうっ」

オルターネンは片手で救出できた。しかし、ロッカは抜けない。

「隊長手伝って」

オルターネンの前でロッカを抱きしめるのもなんなので、その役をやらせる。そして俺はオルターネンを引っ張るのだ。

「せーの、よいしょっ!」

それでもロッカは抜けません。マーギンはバネッサを呼び、マーギンを引っ張らせます。

「うんとこどっこいしょ」

まだロッカは抜けません。ローズ、カタリーナも引っ張ります。

「せーのっ」

《スリップ!》

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「うわぁぁっ」

アイリスがスリップをかけたことにより、ロッカがスポンと抜け、全員が泥まみれになったのでした。