作品タイトル不明
チェイス・リターンズ
今、この瞬間にもプレイヤー同士が戦い合っている。
ある者は正々堂々戦闘を行い、ある者は狡猾に策を張り巡らせ、ある者は生存を優先し身を潜め、ある者は楽に強敵を倒す為に漁夫の利をしている。
ただ当然、時が経てば生存者も少なくなって来る。
そうなれば戦闘のマンネリ化が起こりかねない。
そこで古来のゲームクリエイターはこう考えた。
――――徐々にフィールドを狭くすればいい。
この考え方が現在にも受け継がれ――――
現在進行形でプレイヤーの脅威になっている。
「なんでプレイヤーから逃げ切ったと思ったら、今度は世界の壁から追いかけられないといけないんだ!」
今だけ恨むぜ!
こんなシステムを世に残しやがって!
世界には「人類の進歩には欠かせないが、それはそれとして面倒くさいもの」が存在する。
例えるなら微分積分のように、例えるなら古文のように、例えるなら――――
ともかく!
この「フィールド縮小」がその1つだ!
暴論だって?
うるせぇ、つべこべ言わずに走るんだよ!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ふとフィールド縮小が収まる。
だがこの調子だと即座に縮小が再開するだろう。
巻き込まれる前にこの場所から出来る限り離れな――――
あ!
前方敵影発見!
「そこをどけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
バババババババババン!
「あっ、また会ったな!」
随分とお早い再会だったな、バンダナ!
それじゃあ再会を祝して――――
「命置いてけ!」
「そう簡単に――――ってうぇ?!」
俺は世界の壁の 外(・) に青の雷弾を撃った。
そして、バンダナはそこに引き寄せられて突っ込んで散っていった。
「畜生、世界の壁め! これも世界の壁が悪いんだ! こんな幼気なプレイヤーをポリゴンに変えるなんて、なんて酷い事を……!」
しかも、世界の壁に突っ込ませたとしてBPもらえないんかい!
ラストアタックが世界の壁だからか……キレそう。
「いや、お前お前! 今、見てたぞ姉貴を外に引き寄せてたの!」
そんな悲惨な光景を目撃してしまったプレイヤーが居た。
プレイヤーネーム“スカーフ”。
その名の通りスカーフを巻いている少年だった。
「何だ目撃者か。目撃してしまったからには、貴様もあの世に送ってやる……!」
「滅茶苦茶が過ぎるぞお前! 【旋風】!」
スカーフは巨大な羽団扇を振りかぶる。
すると、突風が巻き起こり俺は遠くへ――――
「…………っぶねぇぇぇぇぇ!」
吹き飛ばされた俺は世界の壁ギリギリ寸前で立ち止まった。
こいつ、まさか俺も世界の壁に食わせようって魂胆か!
「姉貴の仇だ! 同じ末路辿り――――」
「隙ありっ!」
バババババババババン!
「ちょっ……」
俺は無我夢中で雷弾を乱射する。
そして捨て台詞すら吐かせずに倒した。
[プレイヤー スカーフを倒しました]
[100BPを入手しました]
油断したな馬鹿め!
隙さえあれば、貴様何ぞ100回はキル出来るんだぜぇ……?
[フィールド縮小中……]
あっ動き出した。
「走れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
こんな所で油売ってる場合じゃない。
走れ、走れ、走れ!
脚が破裂したって走れ、疲労とか知った事か!
「……あそこで誰か戦ってんな?」
前方から戦闘音が聞こえる。
その方向に向かって駆け抜けると、2人のプレイヤーが戦っていた。
片方はプレイヤーネーム“賢者牧師”。
彼は片手に本を持っており、相手の地面から 光(・) 柱(・) を出現させていた。
対するはプレイヤーネーム“ぽぽたん”。
彼女は血で構成された大鎌を――――
いや、様々な武器に 変(・) 形(・) しながら賢者牧師を追い詰めていた。
「えっ赤月?!」
「あれが――――」
「どっちも首置いてけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
反応は三者三様。
――――だが確信する。
ここに居るのが最後のプレイヤーだと言う事に。
戦闘音はもうここしかない。
世界の壁は円状に取り囲んでおり、刻一刻と内側へと迫ってきている。
それ故に、これ以上のプレイヤーの参戦――――
この考えを捨てるに至る。
「【昇天光】!」
ふと俺の足元に 魔(・) 法(・) 陣(・) が形成される。
俺は大きく飛び退くと、次の瞬間、光柱が出現した。
それだけではない、追撃とがかりに魔法陣が複数地面に形成される。
「見え見えの攻撃に引っ掛かるかよ!」
バババババババババン!
俺は光柱を避けながら雷弾を乱射する。
「【聖なる結界】」
すると賢者牧師は前方に バ(・) リ(・) ア(・) のような結界を展開した。
「【原初ノ血】ッ!」
代わりに、ぽぽたんが槍のように血を伸ばして攻撃するも、俺は上に飛び上がって回避する。
「今です! 【昇天光】!」
賢者牧師は狙ったかのように、俺の真下にへと魔法陣を展開する。
俺が居る場所は 空(・) 中(・) 。
逃げ場は無い。
回避方向ミスっ――――
バン!
バンッ!
[電磁(青)の状態になりました]
「「?!」」
俺は青の雷弾を 自(・) 身(・) に撃ち、赤の雷弾を少し遠くの木に発射する。
――――そして、光柱を紙一重で躱す。
「終 わ り だ」
バババババババババン!
バババババババババン!
俺は引き寄せられている刹那、呆気にとられている2人に雷弾を連射する。
これは 賭(・) け(・) だ。
受け身は取らない。
これで2人を仕留めきる――――――――――
[プレイヤー ぽぽたんを倒しました]
[100BPを入手しました]
[プレイヤー 賢者牧師を倒しました]
[100BPを入手しました]
[プレイヤーネーム 赤月がバトルロワイアルを勝ち残りました]
[トーナメントへ進出する事が可能となりました]