軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1343話 足りない出席日数

時を司るトンさまが送ってくれたのは〝夜〟だった。わたしたちが棲み家を訪れた直後に。秘密基地でみんなと別れ、家へと戻る。

精霊の棲み家で眠らせてもらったため、元気ではあったんだけど。父さまも〝明日話を聞く〟と言ってくれたので、わたしたちはそれぞれの部屋へ引き上げた。

わたしはサブハウスの自分の部屋だ。

とりあえず、よかったよね。

と頭の中を空っぽにして、もふさまや軍団と遊んでいたらそのまま眠ってしまい、気がつくと朝だった。

おかしいな。精霊の棲み家でも眠ったのにな。

朝ごはんの支度を手伝いに行き、みんなで朝ごはんだ。

エリンにはなぜか抱きつかれる。何日も会わなかったわけではないのに。

ノエルは連れていってひとりにしてしまったから淋しかったのかな。

ごめんねとぎゅっと抱きしめた。

午前中は父さまへの報告だ。兄さまとノエルと一緒に一連のことを話した。

父さまは始終渋い顔で話を聞いていた。そして労いの言葉をくれた。

そしてわたしに話があるので、他の二人は出るようにと言った。

な、なんだろ?

表情からいって、あまりよくないこと?

「ヒンデルマン先生から手紙が来た」

そう言ってわたしにその手紙を見せてくれた。

かなり学園を休んでいるので自分でもヤバイと思っていたけれど、やはり相当まずいことになっていた。

学年をあがるには必修科目の単位をとってなくてはいけない。

そしてこの必修科目のいくつかは試験の結果だけでなく、出席日数を反映するものがある。それが2学期の途中、今の段階で絶望的にヤバイのだ。

ただ先生は過去の特別処置を拾い上げ、留年を免れることのできる単位を組んで、案として見せてくれた。

病気などの誰もが認める通うことができない事情があった場合のみで、出席日数は足りてないけれど、試験は合格の基準を達し、その他の試験の合格点3つを合わせて出席日数をクリアと認められたことがあったらしい。

必修科目の試験クリアは当たり前として。そのほか、出席日数を見る教科は捨て、授業を選択してなかった教科でも試験で合格さえすれば単位をもらえるものは全て試験を受け、そしてこのあと、特に3学期は絶対休まないことが条件になるんだけど。

すると、なんと受けて合格点をもらわなければならない科目は32個。苦手な占星術も入ってる。っていうか、苦手だから取らなかった教科ばかりだ。

けれど、 全(・) て(・) 試験で合格すれば留年を免れるかもしれない。

みんなと同じ授業をこれからも受けられるかもしれない。

「受けてみて、受かっても、留年となるかもしれない。それに最後の学期は休まないこと、最終学期の試験も合格点を取ることが条件だ。ひとつでも落とせば留年になる。

リディアは魔力が失せたと噂は出ているし、確かに現在皆が他のことに目が入っていて、リディアのことを誰も今は取り沙汰してはいない。

それでも。……魔力ゼロのリディアを学園に通わせるのは不安だ。

けれど、リディアがいつも頑張ってきたのは知っているし。

それも学園に通って楽しい生活をするために、いつも頑張っていたのも知っている。

だから、リディアの気持ちに任せることにする。

どうする、試験を受けるか?」

父さまは机に肘を置き、組んだ手に顎を乗せ、そして鋭い目でわたしを見ている。

「受ける。学園に通いたい。みんなといたいの」

父さまはなんともいえない困り顔で、笑った。

「わかった。では、頑張りなさい」

「父さま、ありがとう」

部屋から出れば、兄さまが待ち構えていた。

わたしは先生からの手紙を見せる。

「受けるんだね?」

「もちろん」

そういうと、兄さまは一緒に攻略法を考えてくれた。

数ある教科の中で一番の不安は占星術だ。

計算がややこしいから。

それにうちの家系では誰も専門課程になった占星術はとってないんじゃない?

だ、誰に教えてもらおう?と思っていたところ、ルシオが教えてくれることになった。ダニエルとイザーク、そして砦から帰ってきたアラ兄、兄さまとで各自得意な教科を教えてくれた。3日間、もふもふと遊ばず、本当に必死に勉強した。

学園の方もわたしの復学提示は簡単なことではなかったみたいだ。

なんせ課外授業で襲撃があり、それの狙いだったから。

大切な子供がそんな危険なものと一緒にいるのは心配だよね。

だから試験に合格しても、本当に魔力がなくなったのかを確かめて、これから狙われない理由が見えないと、保護者たちは納得しないそうだ。

それ聞いて父さまが大激怒して、復学が危ぶまれた。

けど、なんとかなだめた。

現在はドラゴンの赤ちゃんも連れていないし。本当は種族別の生き方を学びに行っているわけだけど、その説明をしなければ、魔力がなくなったからドラゴンも離れていったと思われたみたいだ。不思議。

そしてユオブリアでは生き残ったアンドレ殿下の謀反騒ぎでざわついていて、政治的にも危険度レベルでもそちらが優先されている。だからわたしを通わせることに反対の声が上がりはするけれど、学業レベルでクリアして魔力が本当にないという証拠があれば(鑑定士からの鑑定)、受け入れられるだろうとのことだ。

クラスの仲良しには手紙を送っている。どんな状況かをね。襲撃があり、肌でそれを感じさせてしまったわけだから、彼らがわたしを受け入れられないというのなら、通い続けるのは難しいかと思ったけれど。

手紙に書いてある限りでは、みんな待っていてくれてるみたいだ。反対の人の話は書かないかなーとも思うから、それは実際会ってからのことにもなるけど。

わたしは魔力がなくても、まずまずの腕がある。……反応は遅いけど。

そのかわりお遣いさまと一緒だし、守ってもらえる。

学園の中では聖樹さまの守りを信じ。外は……ちょっと不安。

卒業する前はアラ兄とロビ兄がついてくれるという。

ま、それも試験に合格できてからの心配事だけど。

試験の日になった。秘密裏に学園に行くことが許されたので、木漏れ日の間を通って久々の学園に。言い訳はお遣いさまに運んでもらった、ことにする。

そして個室にて試験を受けた。応援してくれる先生もいれば、学園を引っ掻き回していると受け取っている先生もいた。態度でもわかるし、言葉にして言われもした。

ま、その通りかもしれない。

とにかく怒涛の試験32科目で5日間が過ぎ、全ての試験をやり終えた。自己採点では占星術以外は自信がある。