軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1304話 13番目を探せ⑮本能

朝ごはんを食べたわたしたちは、集落の人たちにヒアリングを開始した。

ジョギさまからのお言葉で、わたしたちに協力するようにと言われているので、みんな作業の手を止めて話をしてくれる。

浅黒い肌に真っ白の髪。

彼らはここで生まれ、ジョギさまを崇めながら育った。

ほぼ自給自足。ときどきベクリーヌに足を伸ばし、魔物の肉を売り、代わりに手に入れにくいものと交換しているそうだ。

少し前まで神殿もいい取引先だったらしい。

魔物の肉はとても喜ばれるそうだ。

主に、石鹸、油、布、魔具なんかと交換していたという。

その魔具も灯りとりが多かったそうだ。

集落の中は気温が一定していて、腰蓑で暮らしてなんの不便もない。

集落では家畜も飼っていて、最低限の卵や肉、ミルクは手に入る。

祖先が作った雨水を濾過する仕掛けがあり、一年中といっても過言でもない雨が降る場所があるそうで、そこに巨大な濾過装置が設置されていて、管を通り集落の中に貯めていて、生活をするのに賄える水が確保されている。

昼の森はほぼ安全。男たちは森を見回り、女たちは生活の基盤を整える。

週に一度、夜の森で狩りをし、集落の食事となったり、物々交換をしたりする。

ベクリーヌ国と少し親交があるだけで、あとはほとんど知らない。

大陸が世界がいくつあるかも知らないし、でもそれでいいようだ。

ただ子供たちは好奇心旺盛で、集落以外に人がいること。

わたしたちの服装などすっごい気になるみたい。

言葉がわからないながらも子供たち同士気が合うのか、エリンとノエルは集落の子供だちとおいかっけっこを始めた。

「おつかれさま、リディー何かわかった?」

兄さまが飲み物を出してくれた。

「言葉がわからないから、全部聞いてもらうことになっちゃってごめんね」

喉が渇いていたみたい。冷たいお茶をごくごくと飲み干した。

「暮らしを聞いたけど、特に気になるところは……。

年配の方がいないね。寿命が短いかもしれない……」

ユオブリア語だけど、声をひそめる。

「背も割と低いよね?」

うん、と兄さまにうなずく。

そのあと、ジョギさまのことについて聞いてまわった。

ジョギさまとは時々言葉をかわすのみ。ジョギさまの木の周りを掃除するのは子供たちの仕事だそうで。それだけ。

何かを供えるとか、何かを求められることもそうなく。

だから今回わたしたちに協力しろって言われて、ちょっと嬉しいみたいだ。

子供たちにもジョギさまのことを聞いてみたけれど、夕方に起きてバタバタ飛んで夜に活動して、自分たちが起きる頃にはもう寝ていると教えてくれた。

逆になんで何枚も布を重ねたのを着ているの?と聞かれ、答えに詰まった。

なんで何枚も着ているんだろうね、本当に。

「うーーん、いくつも理由があるけれど。基本、あなたたちと一緒」

だというと「何が?」「どこが?」と知りたがる。

「あなたたちも大人がそういう服を着ているし、その服を用意されているからでしょ?」

「おねーちゃんもその服用意されたの?」

「うちの国の冒険者が着るような服よ。ここはジョギさまが一定の気温にしてくれているけど、普通は温度がいつも違うの。それによって服を変えるの」

「へーー」

ひと通り話を聞き、わたしたちは調べに出るからと、集落に泊めてもらったことにお礼を言って、灯りの魔具をお礼に渡した。

昼の森は変に穏やか。

森の魔物はフレンドリー。

人に興味津々。昼はこんなに穏やかなのに、どうして夜は凶暴化しちゃうんだろうね。わたしの肩をジャンピング台に選んだイタチみたいなもふもふが、ジャンプして木に登って行った。

テントに着き、撤収して、ノエルの転移で家に帰った。

テントのルームを大きくして拠点とすることも考えたけど、いない間に何かがありテントが潰れたり飛んでいったりとなくなった場合、ルームがどうなるのかがわからない。今まで動かなくて安全とされるところで所有の何かにしかルームは作ってこなかったから。高性能テントを置き去りにして何かあったら嫌だし。他に移動する手立てがないならまだしも、ノエルが転移できるのだから、それに甘えることにした。

それから急いで第一大陸の情報を集めるのに奔走した。

といっても、お城には兄さまに行ってもらった。

わたしは表には出られないから。

ナムルに話を聞いてもらいに行ったんだ。あと図書室にね。

ナムルは祖先がグレナン民というだけだけど、瘴気のスペシャリストだから何か気づくことがあるかもしれない。トルマリンさんにも聞いてもらうことになっている。

わたしは家の本を読んでいる。第一大陸が関係しているものを。

……でも飽きた。

「ねぇ、みんなはさ、夜だけ凶暴になる魔物とか。昼に凶暴になる魔物とか知らない?」

『知らなーい』

『知らなーーい!』

『朝と夜というわけではありませんが、ダンジョンでありましたよねぇ? ボスの寝ている時は魔物たちもうるさくしない階が』

ベアの言葉にレオが反応する。

『メーメの魔物が親分だったな! あいつが寝ている時は他の魔物は襲ってこなかったな』

「あれはエリアボスにそう命令されていたでちね」

エリアボスに命令されて、か。

「森の魔物は命令されてとは違うか……夜は自我がないみたいだったもんね」

『リディアはそう思うのか。我は昼の穏やかな魔物の方が不思議に感じたが』

もふさまの見方で目が覚めた気がする。

魔物は本能的に自分を害するかもと思うものに向かっていく性質がある。

それから強さの証明で挑んでいくのが魔物だ。

そう、昼の魔物はじゃれてきた。その方が〝おかしい〟ことなんじゃない?