軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

53 友達何人出来るかな

私の心配を余所に、更に五分程歩けば目的地の公園に着いてしまいました。

緑の多い、いかにも憩いの場って感じの広い公園。

お散歩する人、運動する人、ベンチで本を読む人、井戸端会議する人、様々な人がいる。

その一角にある遊具の辺りには、確かに私よりもう少し大きなお子様方が六人ほどワイワイきゃっきゃと遊んでいらっしゃる。

…おばちゃん、もう既にあのテンションに付いて行ける気がしない。

「リィン」

「はい?」

「私は先にこの食材を家に置いて来よう。置いたら戻ってくる」

「まぁ、ありがとう、あなた」

そんな私を余所に、ヴィンセントさんが私と繋いでる手とは反対側に持った荷物を示しつつリィンさんに声を掛ける。

そんなヴィンセントさんの提案にリィンさんが笑顔で頷くと、ヴィンセントさんが私の頭を撫でて離脱して行った。

置いて行かないでー! 私も連れてってー!!

そんな私の心境はヴィンセントさんには勿論届かず、リィンさんに導かれるまま公園の中へと入っていく。

「あら、リィンさん! 久しぶりね、おはよう!」

「おはよう! まぁ、可愛い子ね!」

お子様方の傍らで井戸端会議をしていたお母様らしき方々がリィンさんに気付き、声を掛けて来る。

「おはよう。この子も仲間に入れて貰えるかしら」

『勿論よ!』

にこやかにリィンさんが声を掛けると、お母様方からは快い了承のお声が。

「お、おはようございましゅ!」

「ユーリちゃんと言うの。時々我が家でお預かりする事になると思うんだけど、その時は是非よろしくお願いします」

ドキドキしながら取り敢えずご挨拶すると、リィンさんが私を紹介してくれた。

「おはよう。挨拶出来て偉いわねぇー」

「あらあら、可愛い子だ事ー」

「ユーリちゃんね」

挨拶を返されたり、頭を撫でられたり、しゃがんで微笑みかけて貰ったり、名前を憶えて貰ったり。

お母様方には好意的に迎え入れられたけど、問題はこの後だわ。

「さ、ユーリちゃん、気になる遊具で遊んでみましょう?」

と、取り敢えず一般的なブランコ辺りに行ってみようかしらん…。

ドギマギしながらブランコに近付くと、何故か急に頭をぶっ叩かれた。

子供って割と手加減無い。そして、この身体よりも大きな相手だ。痛い。

何より突然な事に、思わず涙腺が緩む。

「新入りがブランコなんて、生意気だぞー!」

「そうだそうだー!」

「ジアンとオレ達にあいさつしないで乗れると思うな!」

な、何だこのガキ大将的な存在と取り巻きその一と二は…。

「…………ジアン、自分よりも小さな相手に手を上げるとはなにごとだ」

「しかも“ふいうち”なんてひきょうだぞ!」

「だいじょーぶ?」

そうかと思えば、今度は正義の味方系なお子様三人ー!?

女の子、可愛いし優しいけど…。

「アルギス、生意気だぞ! 新入りがオレさまにあいさつするのは当然だ!」

「バカを言うな」

私を挟んで、対決するんですかー!!?

バチバチと三対三で火花を派手に散らしていらっしゃる(汗)

半分以上泣きながらオロオロしていると、それは悪ガキなガキ大将ことジアン少年のお母様のゲンコツという名の鉄槌で幕を下ろした。

余りの容赦の無さに、ジアン少年も涙目。

少し遅れて取り巻きその一と二のお母様もジアン少年のお母様に続いていた。

「ユーリちゃん、痛かったわね」

そんな中、リィンさんが駆け寄って来て抱きしめながら殴られた頭を確かめて撫でてくれる。

幸いにもタンコブになる程の威力は無かったけど、やっぱり痛い。

「ジアン、アンタって子はー!」

「イッチ! お前も何してるんだい!?」

「ニーザ!」

…………ヤバい。取り巻きその一と二の名前がそのまんま過ぎてツライ。

笑いを我慢したら涙が更に…!

そんな間に悪ガキ三人組はそれぞれのお母様方に首根っこを掴まれ、引き摺られる様にして公園から退場していった。

この後説教だね。頑張れ。

「だいじょうぶよ! 今度こんなことがあってもユーリちゃんは私が守るわ!」

「そうだな。オレ達のところにいれば大丈夫だ!」

「まもってやるから安心しろ」

そして、正義の味方な三人組が何だか妙に張り切っている。

そう言えば、五、六歳って絵本のヒーローに憧れるお年頃ね。

「あらあら、ユーリちゃんに心強い味方が出来たわねぇ。素敵なお兄ちゃんとお姉ちゃんね」

そんな三人組にリィンさんが微笑ましそうに声を掛ければ、三人組が照れくさそうに笑う。

くぅっ、しっかり者な振りして三人揃って可愛いな。

そこへ三人組のお母様方らしき三人が近付いて来た。

「下の子達とは随分離れちゃってたから可愛い妹が出来て良かったじゃない」

「エミルさんとフィアさんとこのお子さん、まだ赤ちゃんだもの。こればっかりは授かりモノだし、ウチの子達の年代に集中して生まれちゃったみたいだし、しょうがないわ」

「ちゃんと大事にするのよー」

…………あれ、この三人の私の兄・姉ポジション着任は決定事項ですか。そうですか。

「私はシェリルおねえちゃんよ!」

「…アルギスだ」

「へへっ、マシューにいちゃんだぞー」

リィンさんに涙を拭いて貰っていると、三人が自己紹介をしてくれる。

良いお子様達だなぁ。

「ユーリでしゅ」

友達、とは言い難いし、兄姉とも言い難いけれど。

コドモのお付き合いの場にはどうにか入れそうです。

ボッチ決定じゃなくて良かった…。