軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

41 まさかの装備、登場

食事を終え、ヴィンセントさんと医務室に戻って参りました。

「おはようございます。それからおかえりなさい、ユーリちゃん、ヴィンセント隊長」

そしたら、カラフさんが出迎えてくれた。

今日も素敵に派手ですね。眩しくて、目がチカチカする。

所で、何故にカラフさんがいらっしゃるのか。

「おはよう。待たせてしまったか、すまない」

「カラフおねーちゃま、おはようございましゅ」

ヴィンセントさんは特に驚いた様子がなかった。ヴィンセントさんが呼んだのかな?

取り敢えず、挨拶は返しますよ。

「ユーリちゃんの看護師服を持ってきたのよ。スペシャルバージョンだから、着方を覚えて貰わないと」

小首を傾げていたら、カラフさんが楽しそうに理由を教えてくれた。

…スペシャルバージョンって、何?

「ユーリ、仕事の前に着替えておいで」

質問する間も無く、カラフさんと一緒にヴィンセントさんにカルテの棚が並ぶ小部屋に押し込まれてしまった。

「さ、これがユーリちゃんに用意した看護師服よ」

カラフさんが床にピクニックシート位の布を敷くと、その上に持っていた袋から服を取り出して広げる。

主体になっているのは、ミニ丈の紺色のワンピースとふんわりした白いエプロンドレス。

小物として、ナースキャップにレース付きのズロース風かぼちゃパンツ、ハイソックス。これら全て白で。

唯一、ナースサンダルだけはワンピースと同じ紺色。

ハッキリ言って良いですか?

これって、某リップクリームのキャラクターの格好に非常に近い気がするんですけど。

「順番を説明するわね。さ、布の上に乗って」

唖然としている私を余所に、カラフさんは鼻歌を歌いそうな位上機嫌で着替えを促してくる。

コスプレも、仕事の内なんですね。初めて知りました……。

ワンピースは後ろのファスナーが上手く上げられずに四苦八苦し、終いには見かねたカラフさんに助けて貰った。

ズロース風かぼちゃパンツやハイソックスは特に問題無く。

エプロンドレスは、カラフさんにコツを教えて貰いながらお腹の前でリボン結び。結んでからグルリと回転させて、腕を通してっと。

最後にナースキャップを装着して、どうにか着替え完了。

…そう言えば最近、ナースキャップを付けた看護師さんをめっきり見掛けなくなったよなーとどうでも良い事を考えてしまった。

そうこうしている間に、カラフさんが私の着て来た私服を手早く畳んで袋に纏めてくれていた。

本当に面倒見が良いと言うか、気遣いが素敵過ぎるお姉様だよね。

「やっぱり着やすさとか、色々改良すべき点があるわねぇ。

…でもユーリちゃん、可愛いわーっ!」

着替え終わった私の最終チェックを終え、カラフさんがギューッと抱き着いて来た。

…やっぱり男の人だけあって、お胸が固いです。すりすり。

そんでもって、エリエスさんとはまた違った良い匂いですな。くんくん。

ちゃっかりカラフさんを堪能していると、少しして落ち着いたらしいカラフさんが解放してくれた。

「いけない、ユーリちゃんが可愛過ぎて忘れる所だったわ。ヴィンセント隊長にお願いされていたコレを付けましょ」

カラフさんが何かを思い出したのか、荷物の入った袋に付けられたポケットから取り出したのは腕章。【見習い】と刺繍が入っていた。

おっと、それは一番大事です。

左の二の腕に付けて貰い、後はナースサンダルだけ。

布に座ってサンダルを履き、立ち上がる。

ぷきゅー!

………え? サンダルが、鳴いた??

「うん、サンダルもきちんと機能してるわね。初めての試みだったけど成功だわ」

「おねぇちゃま?」

「戦闘訓練してる所に応急手当てに行くでしょう? それに医療部隊の治療は薬だったり器具だったり、危ない物が沢山あるわ。

ユーリちゃんがどこにいるのかを誰でもすぐに認識出来る様にして欲しいってヴィンセント隊長から注文があったのよー」

目を瞬かせていると、カラフさんがイタズラっぽく笑う。

その説明を聞き、思わず室内をとてとて歩いてみると。

ぷっきゅぷっきゅぷっきゅぷっきゅ

こ、これはっ。

まさかのピコピコサンダルきたー!?(ガーン)

「基本的に医務室でそのサンダルの着用は禁止よ。入口に音無しの白いサンダルも用意しておくから。でも、闘技場へ出張する時は必ず紺色の音が出るサンダルを着用する事」

「あい」

「今日一日は特別にそのサンダルを着用して、医療部隊の方達に効果を確認して貰ってね」

「あい」

つまり、今日一日はこのサンダルのお世話になるのね。

コスプレだけじゃなかったんだ。

ピコピコサンダルって、やっぱり幼児扱い以外の何物でも無いよね。

この短時間に精神的に何かが削り取られていく気がする。

はぁ…。今日一日、頑張ろ……。