軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

39 レッツ健康診断!

今日もいい天気です。おはようございます!

自室で一人待機中なう、な朝です。

書類部隊での二回目のお仕事を終え、本日はお休み予定だったんだけどここで一つ問題が発生。

本日はディルナンさんは通常通りにお仕事なのです。

まぁ、いつまでも部隊を担う隊長が子供に掛かりっきりになる訳にはいかないのは当然の事なんだけど。

とは言え、右も左もイマイチ分かっていない子供を一人で放り出すなんて事は軽く却下された模様。

じゃあどうするのかと言うと、健康診断を受けてからそのままヴィンセントさん率いる医療部隊にお世話になるんだそうな。

医療部隊でお世話になるのは初という事もあって、医療部隊のお手伝いに一日入る事になったみたい。

本当は半日って言ってたもんね。

そんでもってヴィンセントさんが明日お休みなんだそうな。なので今日の代わりに明日が私のお休みになり、本日の仕事が終わったらそのままヴィンセントさんのお家にお世話になる事になってました。

今回のこのスケジュールはディルナンさんとヴィンセントさん、エリエスさんの三者会談が行われて決定したんだそうな。

そういう訳で、自室にてヴィンセントさんがお迎えに来るまでスタンバイです。

格好は普段着。看護師服が別に用意してあるからそれで良いとの事。カラフさん達の仕事の早さは本当に凄いなー。

そんなどうでもいい事をつらつらと考えていたら、扉がノックされた。

時計をチラリと見ると、朝食提供開始時間くらい。

「ユーリ」

そのノックに少し遅れて聞こえたヴィンセントさんの声に、扉へダッシュ。

勢い良く扉を開けると、ヴィンセントさんが少しビックリしていた。

「ヴィン ちぇ(・・) ントたいちょ! おはようございましゅ‼︎」

「あぁ、おはよう。今日も元気だな。…頬の傷も大分落ち着いたみたいで何よりだ」

「もう痛くないの」

挨拶をすると、穏やかに微笑んでくれるヴィンセントさん。そしてその視線は私の頬へ。もう傷テープは貼ってません。もう少し落ち着けば傷跡も残らない筈。

その節はお腹の虫共々大変お世話になりました。

「このまま朝食…と行きたい所だが、先に健康診断をしてしまおう」

「あぅ…」

ヴィンセントさんの朝食お預け宣言に、思わず眉が垂れ下がるのが分かった。

これまで黙っていたお腹の虫も、小さくぎゅーっと鳴く。

そう言えば、健康診断って食事前じゃなきゃダメだったっけ。

「基本健診だけだから、大して時間は掛からない」

「がんばりましゅ……」

「良い子だ」

小さい子供じゃあるまいし、ここで駄々を捏ねたりなんかしません。

そんな時間があったら、健康診断早く終わらせてご飯食べるんだからー!

ヴィンセントさんに手を引かれてやって来ました、医務室。

まだ朝早い時間という事もあって人が少ないのかと思ってたら、つい先日のお昼にお世話になった時くらい隊員さん達が揃ってるんですけど?

医療部隊の始業時間って、こんなに早いの? 定時の開始時刻は朝食の提供時間から一刻=二時間が経ってからだってエリエスさんに聞いていたのに。

「…揃いも揃って今日は随分と早い出勤だな」

「オレはカルテ整理に」

「調合しておきたい薬がありまして」

「早めに在庫確認をしておこうかと思いまして」

ヴィンセントさんが医務室に揃った面々に声を掛けると、凄く良い笑顔で隊員さん達から声が上がった。

あ、この言い方だと今日が特別なんですね。

周りのお兄さん達(一部おっちゃん達)はチラホラとヴィンセントさんと同じ白衣姿の人がいるけど、大多数は看護師さんのあの制服姿だ。でも色が白だけじゃ無くて水色とか薄い緑、紺色なんて人もいる。流石にピンクはいなかったけど(笑)

「おはよーございましゅ」

『おはよう』

取り敢えず、まずは朝のご挨拶。

「ユーリでしゅ。今日はお世話になります、よろしくおねがいしまちゅ」

ご挨拶を済ませると、あちこちから声が返ってくる。

当たり前の事と言えば当たり前だけど、反応があるのはやっぱり嬉しい。

「それぞれ勝手に仕事がある様だから放置していいぞ、ユーリ。早く健康診断を済ませて食事にしよう」

「あい!」

ぎゅるん!

………腹の虫ェ。

これまで妙に大人しくしていたと思ったのに、ヴィンセントさんの食事の一言に反応して来たってどういう事?

お陰で、医療部隊でも笑いを提供してしまったじゃないか。

身長・体重・腹囲(ぎゃーす)の測定に始まり、視力と聴力の検査、尿と血液検査、血圧と心音確認にヴィンセントさんの簡単な問診という見事な基本健診でした。

尿検査は昨日の内に容器を渡されていたので、朝に用意してきた物を提出。

これはディルナンさんが手伝ってくれようとして一悶着あったけど、断固として断りました。子供の「ひとりでできるもん!」を発動。

とんだ羞恥プレイのフラグに内心冷や汗びっしょりでしたよ。

採血は注射器についつい涙目になったが、周囲に看護師スタイルのお兄さん達が出現してどこからか取り出したぬいぐるみで即席の人形劇を始めたものだからポカンと見入ってしまった。その間にヴィンセントさんがそれは見事な手腕を発揮してくれたお陰で痛みを感じる事もなく気付けば終わっていた。

問診では特に何もなく。

気になっていたトイレの事を聞いてみたら、特に問題無いとの事。

二回以上行けば問題ないそうです。我慢をしたりとか、一回は流石に体に悪いから止めろと言われたけど。

魔族の体って相当なハイスペックですね。って、何百年も生きるんだもんね。元が違うか。

テキパキと動くヴィンセントさんに加え、いつの間にか紺色の看護師服姿のお兄さんが二人も付いていて。カルテの記入やら検査準備といった諸々をこなして下さったので実に早く終わりました。

ヴィンセントさんや周囲のお兄さん達にお礼を言って、健康診断は終了。

…となれば、これまで我慢していた食欲全開ですよ。

「たいちょ、ご飯? ごはんー??」

「あぁ、ご飯に行こうな」

座っていた椅子を飛び降り、ヴィンセントさんの白衣の裾をつんつく引っ張りつつ声を掛けると、笑顔で同意してくれたよ。

ぐるるるる〜。

お腹の虫も一緒に催促すれば、ヴィンセントさんが笑いつつ助手に入ってくれていた二人のお兄さんに後の処理を頼んで立ち上がる。

「ご飯いってきましゅー!」

『いってらっしゃい 』

ヴィンセントさんの手…というか指を握って引っ張りつつお兄さん達に声を掛けると、笑いながら見送ってくれた。

さぁ、いざ行かん食堂! 目指すは朝食!!