軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

光ダウン

「アキト!シースナ!」

「おう!」

「ありがとうございます!」

イーナの魔法でアキトとシースナ、そして転移の眷属が炎の球体の中に閉じ込められる。

数分後、炎が消えると、中にいたのはシースナとアキトだけだった。

「よしっ!」

「かーっ!トドメ取られちまったー」

シースナがガッツポーズを取り、アキトが悔しがる。

ソランに幻術の眷属の手柄を取られたのを引きづってたんだな。

後はエタブレパイセンの所か。彼女たちも幻術の眷属が倒されてから痴漢の眷属に全力でぶつかっていた。

「転移の心配が無ければ」

「全力出しちゃうよー!」

「余裕」

訂正。これから全力でぶつかるらしい。

3人は目にも留まらぬ速さで3対の腕を切り飛ばす。

「触れられないならただの的」

「フィー、ピクリナ、行きますよ!」

「りょーかーい!ふんっ!」

腕を切り落とされて攻撃できない痴漢の眷属を3人は容赦無く切り刻む。

敵も必死に抵抗しようと、体を捻ったり再生しようとするが3人の息の合った連撃に対応しきれない。

フィーが撹乱し、ソフィアが切り開き、ピクリナが刺す。

手に気をつけなければいけない奴が手を失ったのだから、後はされるがままだ。

程なくして痴漢の眷属は倒れた。

『先輩。特殊な邪神の眷属はすべて倒しましたよ』

『早いねー。それじゃ、光君と聖女ちゃんはこっちに来て。畳み掛けるよ』

『は、はい!』

『分かりました』

光の声が少し固い。やはり緊張しているのか。

「って、人の心配してる場合じゃないか。ジェイ、ソラン、とりあえず皆と合流するぞ。蹴散らすのはそれからだ」

「「はい!」」

雑魚眷属を倒しながら一人一人合流していく。

転移と幻術が無くなれば、皆本気を出せるからな。

皆も俺の所へ目指して進んでくるから簡単に合流できた。

「全員集合完了。敵も結構減ったか?」

最初はドーム内を埋め尽くすくらいいた邪神の眷属も、ドームの床が所々見えるくらいには減っていた。

「それでもまだ数千匹はいそうすけどね」

「やる気削がれる事言うなよアキト」

「千匹でも万匹でもかかってきなさい!あたしの前で立っていられるならねぇ!」

ヴァイオレットがそう叫びながら一人が突っ込んでいってしまった。

「ヴァイオレットってあんな感じだったっけ?」

「ユースケ様の下につくまではあんな感じでしたよ。下の立場になったことでユースケ様の利益を一番に考えるようになって落ち着きが出てきたと聞いてます」

てことはヴァイオレットとのダンジョンバトルの時、不意打ちスライム窒息を使わず正面から戦っていたら、今みたいな猛将ヴァイオレットと戦うことになってたのか……。

「強いけど怖いなぁ……」

俺の呟きに周囲のダンジョンマスターたちはウンウンと頷く。

「そう言えば先輩たちは?」

邪神と戦ってる先輩たちを見ると、どうにも決め手に欠ける様子。聖女の魔法は邪神に当たると、当たった部位がごっそりと削られる。しかし、すぐに再生してしまう。

光に至ってはまだ勇者覚醒が使えないようだ。

「こっちはヴァイオレットが暴れてるし、何人かあっちに加勢するか」

俺とジョーカー、ソラン、シースナで先輩の元へ走る。

「苦戦してるみたいですね」

「うん。こりゃミスったかも。さっきより強くなってる」

先程まで先輩の飽和攻撃に防御一辺倒だった邪神だが、今では何本かのタコ足が反撃に出てきている。

「実力を隠していた?」

「…………いや、倒された眷属のエネルギーを吸収したんだ。元々奴が生み出した物だ。吸収することも可能……なのかな?」

「なんでそこ疑問形なんですか?」

「いや、僕たちはウンコ出しても入れられないじゃん?」

「汚!そもそも眷属はウンコじゃないでしょ!」

真面目な戦闘中に何言ってんだこの人は。

俺と先輩がバカ話してる間に戦いに加わった三人が反撃してくるタコ足を押さえる。

「うわーっ!」

邪神に斬りかかろうとした光がタコ足に掴まれ、投げ飛ばされて轟音が響いた。

「光!」

「雄亮君、行って!」

先輩が光を助けに行けと俺を指名する。

俺の妖精の剣を使わせろということだろう。

あいつの勇者覚醒が無ければ、勝つことはできない。作戦会議の時に先輩が言っていたことだ。

俺は邪神の眷属を斬り伏せて光の元へ走った。