作品タイトル不明
コアちゃんの新たな力
コアちゃんの悲鳴と同時に彼女から光が吹き荒れ、縁、輪名、カスターの三人は数十メートルも吹き飛ばされた。
「きゃっ、これは!?お兄ちゃん?」
「エニっちゃん、ちょっとやばくね?」
「…………」
戸惑う二人を無視して縁は、コアちゃんに飛びかかった。
「来ないでください!」
対するコアちゃんは光を鞭のように操り縁に対抗する。
鞭は縁に当たる直前に数十本に枝分かれし、彼を雁字搦めにした。
「へぇ、僕を拘束するか」
「いくら縁様でもこの想いを消そうとするのなら断固抵抗します!」
縛られながら面白そうに笑う縁に確固たる信念を目に宿してコアちゃんは宣言した。
「それが君の答えかい?」
「はい」
「……………………OK、もういいよ。騙してごめん。僕が悪かった」
光の鞭を引き千切り、縁はコアちゃんに頭を下げた。
その顔にはいつものヘラヘラとした表情が戻ってきている。
「え?あのー」
「あ、やっぱりお兄ちゃん何か企んでたんだー」
「やっぱりってことは輪名ちゃんは勘づいてたのか。流石エニっちゃんの妹」
「そだろー。輪名は世界で一番僕のことを分かってるからなー」
「えっへん」
戸惑うコアちゃんをよそに、三人で盛り上がり始めた。
因みに今も周囲のときは止まっている。
「よし、それじゃあ説明しよう。実はコアちゃんに挿したUSBメモリは初期化メモリじゃなくて、普通にアップデートメモリだったんだ」
「それならさっきまでの脅しは何だったんですか?」
「嘘嘘。でも君に感情の機能を付けてなかったのは本当。てか付けれないし。けど、それに怒ったのは嘘。僕の目的は人工の感情のデータのコピーを取ることなんだ。新世代の特殊能力に対抗するには同じ新世代の力をぶつける、もしくは強い想い、感情、要は気合が必要になるんだ。今回コアちゃんのアップデートした機能は感情の動きのログを収集する機能と、感情をエネルギーに変換する力だ。さっきまでの芝居はコアちゃんの現在の最大出力を引き出すためにやっちゃった。ごめんね」
それじゃあコピー取らせてーと、縁はコアちゃんにUSBメモリを挿し込んだ。
「で、どうよその力。君の望みに叶うと思うよ。応用も使い手の発想次第で効くし、欠点は良くも悪くもその時の感情の強さで威力も変わることだけど……0を1にした君ならそれを百にでも千にでもできるさ」
「コピーを取るということは私を量産して兵器化するのですか?」
それはちょっと……とコアちゃんが語尾を濁しながら縁に聞いた。
「お、嫌?良いねー感情出てるねー。痛っ、こら親を殴るな。君をコピーするんじゃなくてあくまで君の感情の動きのデータを使ってそれを兵器に組み込むんだ。例えばカスター君は今のままだと新世代には狩られるだけの雑魚だ」
「おい」
「だけど感情読み取り・エネルギー化機能の付いた武器やお守りを付けたら新世代の攻撃を弾いたり、前みたいに洗脳されても打ち破ることが可能になる。だから定期的にコアちゃんのデータを取りに来るよ。今回は怒りのデータだけだったからね。まだ足りない」
コピーを取り、USBメモリをコアちゃんの腕から抜いて周囲の時の流れを復活させて高笑いしながら縁は二人を連れて公園を去った。
コアちゃんのデータを取れたことがよほど嬉しかったようだ。
残されたコアちゃんは自分の顔を触りながらわずかに微笑んだ。
「これでマスターと一緒に戦える」