作品タイトル不明
先輩を倒す方法
けたけたと笑う先輩を見て、もし自分が同じことをやられたらどうだろうかと想像してしまった。
ぞっとするな。
「うん!今日は気分がいいから神槍のレプリカを作って、それに接着剤をベタベタに付けて投げ返してやろう」
神槍投げたことを教えるのと、手がレプリカにくっつくダブルパンチだ。恐ろしい。
気分がいいから見逃すじゃなくて追撃か…………気分が悪かったらどうなんだ?
「今までどんな煽りしてきたんですか?」
「今日くらい怒ったのは、一週間奴が起きる直前に真上からバケツ一杯の水を落として、ペンケースの中にシャーペンの芯十本入れてシェイクした時かな。シャー芯シェイクがスイッチになってそれはもう怒ってたよ」
いじめじゃん。この人本当は悪人じゃないのか?
「敵を侮ると、いつか寝首をかかれますよ」
「心配無用だよ孔明君。寝る時は僕しか入れない空間で自動防御してるし、起きてる時はさっき見た通りだからねー。封印された事もあったけどすぐ解いて出てこれたし」
「先輩を倒す方法はあるんですか……」
「もちろんあるよ。僕の想像もつかないような方法で即死させられたら流石に死ぬ」
人生で聞いた中で一番アバウトな倒し方だ。物語ですらそんな弱点のキャラ居ないぞ。
先輩や均たちと遊びながら時間を潰していると、ついにスライム軍の5割が失われつつも、かろうじてダンジョンに帰還した。
「損害が3割を超える前に撤退しようとして失敗したふりをしました。これで釣られてくれればいいのですが」
しかし、孔明の期待通りにはいかなかった。
ニアラは数匹の偵察を送ってくるだけでなんの動きも見せてこない。
「……失敗?」
「いえ、あれは敗走が本当だったかを確認するためのモンスターです。ヴァイオレットさんとソランさんに数匹のヒューマンスライムを付けて倒しに行かせて人手不足を演出しましょう」
ヴァイオレットたちに偵察のモンスターを倒させてしばらく待ったが、ニアラは一向にモンスターを送ってこなかった。
「思ってたよりも慎重ですね」
「単純そうな感じだったけど、その評価は改めないとな」