作品タイトル不明
妖精王都フェアリース
妖精族は妖精王を愛し従う。
種族間で仲の良い悪いはあるが、いざ外敵が来たとなると妖精王の名のもとに一致団結して立ち向かうのだ。
言うなれば妖精族の大陸が一つの国と言うことだ。
彼らの団結力を示すように、大陸の中央の妖精王の城がある妖精王都フェアリースには全ての種族が住んでいる。
フェアリースは空には常に虹がかかっていて、道は何色もの光が混ざりあった不思議な石が敷き詰められている。
幻想的な街並みを抜けると、一見変わった城が現れる。
木、岩、炎、水、光、闇、その他妖精族各種族の一番快適な環境を全乗せしているのだ。
話だけだと、ごちゃごちゃした城なのだがどういう訳か、じっくり見ると良い感じに調和しているようにも見えてくる。
「不思議な城だな」
「そう。すっごいのー。ロメイアのお城なの。ダーリンもっと褒めるのー」
「うん、すごいすごい」
馬車の上で体を絡ませて、ほとんど俺を拘束しているような体勢のロメイアを褒めて頭を撫でた。
そうするとロメイアは俺を解放する。
うん、こいつの扱い方だんだん分かってきたぞ。
城門まで行くと、ドワーフとサラマンダーの門番が誰何してきた。
「ここは妖精王様の城であるぞ!」
「お仕事ご苦労さまなのー」
「ろ、ロメイア様!?…………どうして人族に抱きついているのですか?」
「ダーリンなの。早く開門するの」
「は、はっ!開門!開門!」
門番たちは、他種族を連れているロメイアを怪しむが自分たちの主には違いないので急いで開門の号令をかけた。
「ただいまーなの」
「ロメイア様だ」
「どこ行ってたんだ?後ろの奴らは誰?」
「さ、さあ」
馬車を城の馬飼いに預けて俺たちは、城の中をずんずん進むロメイアを追いかけた。
迷いが無く歩くその姿は、やはりこの城の者なのだと実感させる。