軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

先輩は追われる

「多分副作用の方だと思う。前に僕が試したときは殺意なんて覚えなかったけど…………まあ元に戻れなくなることは無いから安心して」

「そうですか……」

分身相手に浮かべた殺意を先輩に具体的に話すと先輩はしばらく考え込んだ。

先輩でも分からないのだろうか。

「殺意か………………あっ、他の人だとそうなるのか。僕は慣れているから大丈夫だったか……そういや最初は僕もあいつらに苛ついてたな」

急に先輩はブツブツとつぶやきながら考察し始めた。

なんだろう先輩がすごく頭がよく見える。

この人普段は頭いいの隠してるのか?

「はい?」

「いや、僕は自分が複数いる状況に慣れているということだよ。僕は魂の中で自分の人格たちと会話することができるんだ」

…………何言ってるか分からん。

「……先輩の特殊能力ってことですか?」

「その通り。あいつらうるさいから……っち、また騒ぎ始めた……まあそんな訳で僕は分身したとしても自分が複数いることに慣れているからか、殺意はわかない」

「よくわかんないけど凄いですね」

「なんにせよこれは失敗だな。僕しか使いこなせない。てかこれと似たようなことなら既にできるし…………逆に敵に使えるようにして同士討ちさせるか」

物騒なことを先輩はブツブツとまたつぶやき始めた。

ふだんは飄々としてるくせにスイッチが入ったら別人みたいになるなこの人。

「ところで今日は何用で?」

「ん?避難。あ、来る。それじゃーねー」

焦って先輩が帰った直後。

「えーにーしー!どこ行ったコラァ!」

以前出てきた人とは別の女の子が出てきた。

この人は、学校でファンクラブがある人だ!

「縁は!」

「帰りました」

「逃げたなぁ!絶対捕まえてやる」

台詞だけ残して女の子は先輩を追っていった。

確かえり……なんて名前だったかな?すっごくぶりっ子な人だったはずだけど…………あれが素なのかな?

先輩大丈夫だろうか?あの人棍棒持ってたけど……一体何をやらかしたんだ?

棍棒はトゲトゲ付いてるやつで殺意満タンって感じだった。

……知ーらない。触らぬ神に祟り無しだ。

そんなやり取りをポカンとして見ていたヴァイオレットは女性陣へのお土産のスイーツを持って帰った。

出発前にアイテムボックスにしこたま詰め込んでたと思うんだが……全部食べたのか⁉