作品タイトル不明
受験とダンジョン
お正月の全世界発表には驚いたけど、日本に四個もダンジョンが湧いたとか、はっきり言って他人事だ。
冬休みは、ほぼ毎日塾に通った。四年のブランクがヤバい!
新年早々のセンター試験、これが今の私の問題。
それに、今回は私は神様(多分)に転移させられていないんだもの。
平凡な女子高校生、それもお婆ちゃんを助ける事もできなかったボンクラ!
ダンジョンは、しっかりした大人が攻略してくれるんじゃない?
「今から医学系を目指すべきなのかなぁ」
お通夜の晩、お婆ちゃん相談したんだ。
『六花は、農業をしたいんだろう? 自分がしたい事をすれば良いよ』
穏やかな寝顔のお婆ちゃんは、そう言ってくれた気がした。
それに、医療系は超難関なんだよぉ! 今更、無理! ああ、異世界の聖女のアンジェラ、本当に優秀だったんだね。
ただ、農業も大変だとはお婆ちゃんから何回も聞いていた。他の職業を持った上での兼業農家が多いみたい。
だから、できれば地方公務員になれたら良いねと笑っていた。
その地方公務員になるにも、勉強できないと難しいんだよぉ! 地元の国公立を出てたら有利なのでは? なんて甘いかな?
お婆ちゃんの家から大学に通いたかったけど、それは無理なのかな?
大学生になったら下宿する人もいるのだから、大丈夫?
お婆ちゃんの家で農作業しながら、大学に通えたら良いな! 長期間、畑を放置しておくのは良くないし……そう、それが良いよね!
つい、勉強以外の妄想タイムになるけど、両親の説得は合格を勝ち取ってからだ!
うん? 私ってこんなに頭良かったっけ? 二学期の期末試験は、四年前の私が受けた。中の上の成績。
年明けの卒業試験、滅茶滅茶高得点!
「喜多、頑張ったなぁ! この調子でセンターも頑張れ!」
担任に褒められたけど、他の学生の目が怖い。
「六花、どうやって勉強しているの?」
なんて、休み時間に囲まれちゃったよ。
「冬休みは、毎日塾通いしていたんだ。合格点にまだ足りないから」
どの大学を受けるのか? とか言わなきゃ駄目?
「センターを受けてから決めるつもり!」と誤魔化した。皆もそうだよね?
そのセンター試験、調子良いのが続いている? こんなに簡単だと思わなかったけど……もしかして……異世界でレベルアップした時、 INT(インテリジェンス) も上がった?
INTが上がりやすいのは、賢者、聖女、魔法使い、そして召喚士。
センター試験の解答をチェックして、翌日は学校で答え合わせ。その結果を踏まえて、受験校を決定する最終面接。
「これなら、大丈夫だろう!」
なんと、お婆ちゃんの家から通える国立大学を受ける事になった。
家でお母さんに報告すると「大丈夫なの?」と不安そう。
「滑り止めを受けなさい」と言ってくれるけど、結構、受験料って高いんだよね。
そのお金を貰えるのなら、車の免許を取りたい。
田舎暮らしには車は必需品! 特に農業をするなら、軽トラに乗れなきゃ話にならないよ。
それは、合格したらの話になった。
それと、お母さんって、田舎暮らしが嫌で都会に出たぐらいだから、あれこれ面倒な事が多いと忠告された。
ああ、聞きたくない! こんな時は、便利な台詞がある。
「勉強しなきゃ!」
これには、両親とも反対しないからね。でも、異世界では通用しなかったかもね! 平和な世界で良かったよ。
ああ、ダンジョンが出来たんだっけ? 受験生って、それどころじゃないんだよ。センター試験が終わったら、本番の受験!
風邪をひかないように気をつけて、猛勉強!