軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「エルシア嬢!婚約を前提に付き合って下さい!」

⋯⋯捨て身だな。リオネル殿下。

卒業まで約2ヶ月。

卒業すると今のように度々会うことが出来なくなるからか、ここ最近のリオネル殿下はエル姉様にアプローチを始めた。

まあ、元からアプローチはしていたけれど、エル姉様にスルーされ続けていたものね。

私から見てもリオネル殿下はいい人なんだよね。

真面目だし、善人だし、素直だし、エル姉様に一途だしね。

きっとエル姉様を大切にしてくれるだろう。

手助けするつもりは無いけれど陰ながら応援するよ。エル姉様も困ってはいそうだけれど、嫌がってはいないからね。

それよりもこっちだよ。

あの日以来、時間の許す限りレオニールが側にいるんだよね。

それもしっかり手を繋がれている。

背の高いレオニールを見上げると⋯⋯目が合う。彼のアイスブルーの瞳が愛おしげに私に向けられている気がするのは気の所為でも、自惚れでもないと思う。

ただ、レオニールと目が合うと胸がキュンってするのは⋯⋯私もレオニールに惹かれているんだろうな。

「卒業パーティーのエスコートは決まった?」

「⋯⋯まだよ」

「俺がフィーをエスコートしてもいい?」

「うん」

いつの間にかレオニールは私のことをフィーと呼ぶようになっていた。

「ありがとう」

と、優しい笑顔を向けられるとまた胸がキュンってなる。

そうなんだよ。レオニールは普段から無表情が多いんだよ。それなのに私にだけは喜怒哀楽を見せてくれる。それが嬉しかったりするのだ。

そうそう、あの日の出来事については、気になっているだろうに、レオニールが聞いてこないことに感謝している。

《《フィオナ》》の繰り返しについても、きっと信じてくれるだろうけれど生涯話すつもりはない。

そしてあっという間に卒業パーティーの日を迎えた。

リナ様はラシュベル様、ベルティナ様はグレン様にエスコートされていた。

この2組のカップルは条件付きで婚約を継続するそうだ。

ラシュベル様もグレン様も見捨てられる一歩手前からよく巻き返したよね。

まあ、次はないってことだ。

私のエスコートは予定通りレオニールだ。

そしてエル姉様はリオネル殿下にエスコートされている。

が!リオネル殿下の顔どうにかならないかな~

目はエル姉様をガン見しているし、口元はモニョモニョしているし、なんとも締まりがない。

で、アル兄様がエスコートしているのがアル兄様より2歳年上の伯爵家の次女で、アル兄様の婚約者のシエナ様だ。

オルセロー嬢の一件が片付いてから、アル兄様はシエナ様を落とすために本気を出したらしい。アル兄様もシエナ様も世界中にある遺跡に興味があり、学園で知り合い意気投合したそうだ。その頃からアル兄様はシエナ様が好きだったそうだ。

さすがアル兄様!僅か2ヶ月で婚約までこぎつけるとは!

卒業後、籍だけを入れてアル兄様はシエナ様と世界を旅して回るらしい。

何年先になるか分からないけれど、アル兄様はお父様が持つ伯爵位を貰うらしい。

そうなると当然、エル姉様が我がフォーライト公爵家を継ぐことになる。

エル姉様がフォーライト公爵家の後継者だと公表されてから、どんどん釣書が送られてきてお父様がイライラしていた。

そしてリオネル殿下はというと王位継承権を放棄した。

早いもので私が卒業してから1年が経った。

この1年、世界中を旅してダンジョンに潜った。

もちろんジンとサラも一緒に。

卒業と同時に外泊の許可をもらえたのはよかったけれど、週に一度は邸に帰ってくることを約束させられたのよね。

だから家族とは度々会えていた。

で、今日はエル姉様とリオネル様の結婚式なのだ。

卒業前からリオネル殿下が王位継承権まで放棄してエル姉様にプロポーズをしたことは、この国では有名だ。

最初はお付き合いからとか言っていたリオネル殿下はエル姉様がフォーライト公爵家の跡を継ぐと公表されてからの釣書の数に慌てて、プロポーズに変更。

そして婿入りするために王位継承権まで放棄した。

我が国は女性でも跡を継げる。

リオネル様は後々は公爵位を賜るはずが、王族でありながら、当主にもなれない婿入を望んだのだ。お父様に睨まれながらね。

『エルシア嬢と結婚出来なければ誰とも結婚しない!』

『私の残りの人生すべてをエルシア嬢に捧げる』

『どんな時もエルシア嬢の隣で君を守る』

『ずっと、ずっと愛してきた。エルシア嬢のためなら何だってできる。何にだってなれる』

『他の女になんか余所見なんてしない。生涯エルシア嬢だけを愛する』

『必ずエルシア嬢を幸せにする。後悔なんてさせない』

『だからお願いだ。どうか私を選んでくれ』

『もう、降参です』困ったように微笑むエル姉様にリオネル様は呆然と立ち尽くし泣いた。

そう、これを王宮主催のパーティーでやったのだ⋯⋯

会場中の貴族が見守るなかで⋯⋯

周りからの盛大な拍手でやっと我に返り震えて泣きだしたリオネル様の涙を拭う姿に、『ああエル姉様もいつの間にか彼を特別に思うようになったのだろうな』と思った。

そんな祝福の雰囲気をぶち壊しそうなお父様は、今にもリオネル様に決闘を申し込みそうで⋯⋯もちろん私たちは必死に止めた。

そして今日、2人の結婚式が行われた。

せっかくキリリっと、今日は顔を引きしめていたリオネル様は、隣でいつも余裕のあるエル姉様が泣いているのを見て一緒になって泣いてしまった。

その後エル姉様が照れている姿は可愛かったな~

で、次は私だ。

この1年間の旅に出る前に私もレオニール⋯⋯《《レオ》》にプロポーズされていたのだ。

『フィーが帰ってくるまで何年でも待つ。自由なフィーが俺は好きだから⋯⋯10年、20年先でもいい。俺の⋯⋯もとに嫁いできてくれないか?』

『⋯⋯はい』

実際は何年も待たせることはなかった。

私が限界だったのだ。

レオに会いたくて、レオの側に居たくなったのだ。

十分好きにさせてもらった。

ドラゴンも手懐けて?背中に乗せてもらって空も飛ぶことができた。

それに、私もレオが好きだから⋯⋯

「次は俺たちの番だな」

ギュッと繋いだ手に力を入れられるとキュンって心が喜んでしまうのはレオだけだ。

~10年後~

「お母様~!」

「おか~たま~」

私も2人の子供を授かった。私に似た7歳の男の子と、レオに似た3歳の女の子だ。

今は3人目の子を妊娠中だ。

「こら、勢いよく母様に抱きつくな。フィー大丈夫か?」

「ええ」

あまり感情を表に出さなかったレオは毎日笑顔を見せてくれる。

隣を歩く時は常に手を繋ぐのは今も変わっていない。

逞しく、頼りがいがあり優しい。

⋯⋯そして私と2人きりの時は甘えるんだよ。可愛いでしょう?

可愛い子供たちと愛するレオに囲まれて毎日が幸せだ。

アル兄様は相変わらずシエナ様と遺跡の発掘に精を出している。子供は男の子が1人。わんぱくで逞しく育っている。この子がまた、とんでもない魔力を保有しているのだ。

⋯⋯何となくお父様に近いものを感じるのだ。

そうそう、ジンとサラはアル兄様たちと行動を共にしている。

そのおかげで甥っ子が1人になることはないし、2人から鍛えられているそうだ。

この甥っ子の将来が楽しみでもあり不安でもある。

エル姉様のところは6人目を妊娠中⋯⋯義理兄のリオネル様⋯⋯加減をしてあげて欲しい。

でも彼がエル姉様にデレデレ、ベタベタなのは現在も変わっていない。

見ているこっちが恥ずかしくなるくらい、私たちの前でも子供たちの前でも『エル可愛い!』『エル愛している』と常に愛の言葉を囁くのだ。かと言えば『エル~』と甘えたりもする。

エル姉様の妊娠期間が長いから、リオネル様がフォーライト公爵家の執務をほとんど熟している。

お父様は孫の顔を見た瞬間からただの爺バカになった。それまではリオネル様とレオに敵意剥き出しだったのにね。

ムカつく自称神様だけど今は感謝している。

私がこの世界に転生したのは、《《フィオナ》》のためだけではなく、きっと私もここで幸せになるためだったのだと最近になって思うようになった。

自称神様に感謝するなんてムカつくけれどありがとう。

『どういたしまして~』と、返ってきた気がするのは気の所為ではないと思う。

私、幸せだよ。

~完~

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

最後まで読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m

何とか完結することが出来ました。

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