軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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おぎゃーと生まれた時から前世の記憶があった。

うぉーー前世の記憶を持ったまま生まれ変われるなんてお得じゃね?ラッキー!って思ったね。

まだ、はっきりと見えないけれど周りの声は聞こえていて、聞いたこともない言語なのに意味が理解できた。

異世界か?異世界に転生したのか?

だったら魔法が使える世界だったりして?ムフフ・・・・・・

転生チートで魔力マシマシ+マシマシだったら尚良し!

次いでに魔物とかいたりして!

ああ早くこの世界を知りたい!

うひひひっもう楽しみしかない!

ワクワクする!

神様異世界転生させてくれてありがとう!

なんて最初は思っていたんだよね~・・・・・・

自分で自由に動くことも話すことも出来ないなんて・・・・・・所謂憑依している状態だとは・・・・・・

こんなのは異世界転生とは言わない!

・・・・・・つまらない。

だってね、憑依して7年。表人格の こ(・) の(・) 子(・) は反応の薄い子なんだ。

話すことも、聞くことも出来る。

ただ喜ぶことも、怒ることも、哀しむことも、楽しむこともない、そう喜怒哀楽がない。『無』そのもの。

だからか、人の言いなり。されるがまま。

中から見ていてもボーとして焦点が合ってないような、靄がかかっているような感じなんだよね。

不満はいっぱいだけど自分が表に出られないから観察することしかなく・・・・・・

せっかく楽しみにしていた魔法もあるし、魔物もいる世界なのに・・・・・・残念。

分かる事といえば、 こ(・) の(・) 子(・)

には両親と二歳年上の双子の兄と姉、それに世話をしてくれるお手伝いさん?侍女?使用人?何て呼べばいいのかそんな人達が周りに沢山いる。

あと、家庭教師が数人。

なんと! 我(・) が(・) 家(・) は公爵家だという。

そう高位貴族というやつだ。

中から私が見ただけでも私室も広いし、周りは豪華そうな家具に囲まれ、いつも高そうなドレスを着せられている。

食堂に行くにもかなり歩く。これはまだ小さくて歩幅が狭いからかもしれないけれど。

大きな家に、庭はどこまで続いているのか分からない程広い。

霞みがかってはいるけれど、色とりどりの花が咲いていることも分かる。

・・・・・・でも、この子本当に人間味がない。

家庭教師に教えられたこと、本を読めば一度で理解出来るだけの優れた頭脳があるにも関わらず、常に指示されないと自分からは何も行動しない。

『挨拶をしなさい』『勉強をしなさい』『食べなさい』『寝なさい』etc・・・・・・

何かに興味を示すこともない。

褒められてもニコリともしない。

本当に感情というものが『無』なんだ。

中(・) にいる私の方が心配になる。

この子大丈夫か?

心配しているのは私だけでは無い。

ほら。

「フィオナ。可愛いわたくし達の娘」

「フィオナの笑顔が見られるなら、どんな我儘だって聞いてあげるのに・・・・・・」

そう、毎晩 この子(フィオナ) が寝付いたあと必ず、と言っていい程この子の両親が部屋を訪れる。

悲しそうな、寂しそうな、そんな顔で。

それだけじゃない。

この子の兄姉もいつも優しく気遣ってくれている。

使用人達もそう。

喜怒哀楽がなくてもフィオナは皆んなから愛されているのに・・・・・・

だけど、どんなに大切にされても笑顔どころか反応すらしない。

中から見ていたら周りの人達の方が不憫で になる。

どうして この子(フィオナ) はこうなってしまったのだろうか?

疑問ばかりが頭に浮かぶ。

その理由を知ったのはある少年との出会いがきっかけだった・・・・・・

フィオナが9歳になった頃から、月に一度青い髪の少年が会いに来るようになった。

顔はよく分からない。

だってフィオナが顔を見ようともしないから。

家柄、名前、年齢は紹介された時に教えられた。

サウス公爵家の嫡男レオニール・サウス10歳。

フィオナの1歳年上。

"婚約"を結ぶ前のお試し期間のようだった。

まあ、相性が悪ければ断ることも出来るようだけれど・・・・・・

3回目までは少年も会話を振ってくれたのだけれど、『はい』と『いいえ』としか言わないフィオナに呆れたのか怒らせたのかそれ以降は話し掛けてこなくなった。

向かい合ったテーブルで侍女の声が掛かるまでお互いが無言なんだよ。

で、フィオナが10歳の誕生日を迎える間際にその少年との婚約を結ぶ席が両家で設けられることになった。

これが切っ掛けで憑依状態の私が表に出られる様になるとは・・・・・・

そして、フィオナが『無』になった原因を知ることになるなんて・・・・・・

その日、侍女に案内されて通されたのは庭園が見渡せる日当たりのいい応接間だった。

そこには両親と兄姉、青い髪の少年とそのご両親がいた。

でも、相変わらず靄がかっていてよく見えない。

「フィオナ、ご挨拶を」

「ようこそおいで下さいました。サウス公爵様、公爵夫人、レオニール様」

言われるがままに淡々と挨拶をするフィオナ。

それに対してサウス夫妻は笑顔で応えてくれた。

雰囲気は優しそうなご夫婦に見える。

「座りなさいフィオナ」

「今日はフィオナ嬢と息子との婚約を結ぼうと思ってね。お試し期間中も2人は問題なく交流してきたようだし、どうだろう?受けてもらえるかな?」

「フィオナ返事は?」

・・・・・・。

ん?珍しい。いつもなら何かしら応えるのに、何故か今日のフィオナは応えようとしない。

その時『イヤッ!ダメよ!もう無理なの!お願いもう解放して!』と10年近く憑依して初めてフィオナの心の声が聴こえた。それも泣き叫ぶような悲鳴のような心の声が。

こんな悲痛な叫びなど前世を含めても聞いたことがない。

まるで目の前にいるレオニールに何かされたとか?いいえ、私の見たが限りそんな記憶は無い。

それより"解放"って?

・・・・・・!!

もしかして・・・・・・ループ?何度かループしてフィオナは人生を繰り返しているとか?

『正解』

どこからか⋯⋯頭の中?から聞き覚えのない声が聞こえた。

え?誰?