軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

古代文明の遺産?

バトルキングからの報酬を求めて、私達は地下発掘作業に勤しむことにした。

未確認の魔物発生の原因が地下にあるらしいから、魔道車のドリルでひたすら掘り進む。

当たり前だけどそんな簡単に何かが発掘されるわけなくて、何の成果もない日があった。

魔道車の運転はミリータちゃんがやってくれるし、フィムちゃんは見張り。私は睡眠担当と、役割分担は完璧だ。

「フィムちゃん。マテリのバカを起こしてくれねえか?」

「いけません、ミリータさん。師匠はお疲れです。師匠がいなくても常に警戒できるようにと、私に修行を課したのです」

「おめぇな、あのマテリは単に自分が楽したいだけだからな?」

「いえ、そう見せているだけです。そうすることによって私の油断をさそってさぼるように仕向けているのでしょう。ですが私は決して気を緩めませんよ」

ウトウトとしている中、こんな会話が聞こえてきた。

だいぶフィムちゃんの重症化が進んでる気がする。誰のせいでこうなったのか、見当もつかない。

でも結果的にあの子が満足して普通に強くなってるから、私はやっぱり勇者の師匠なんだと思う。

それにミリータちゃんには悪いけど、この世界に来てからなぜか眠気がすごい。

これはきっと私が正義の使命にもとづいて働いているせいだ。

聖女だの女神だのいろんなところで崇められているんだから、しょうがないよね。

「おっ!」

「ミッション!?」

魔道車がガクンと揺れて、衝撃で飛び起きた。運転席に行くと、前方が大きく開けている。

掘り進んでいるうちに岩の壁が壊されたみたいで、その奥に空間が広がっていた。

三人で魔道車を降りて向かうと、思ったより広い大広間に出る。

「明らかに人工的な作りだな。あの柱に刻まれた文字といい、ドワーフのものとは違う」

「ミリータさん。あの柱の文字、師匠が発掘した石板に書かれていたものと似てませんか?」

「確かにな……。ということは神の泉がここにあるってことか?」

ミリータちゃんとフィムちゃんが真面目に考察してるけど、私としてはミッションが重要だ。

魔物の姿もないし、ここが古代遺跡か何かだとしても用はない。

大きくあくびをして見渡すと、奥の暗がりに何かが見えた。あれは巨人? 近づくとそれがロボットだということがわかる。

古びてはいるけど、今にも動き出しそうな雰囲気があった。手でペタペタと触ってみるけど、特に何も変化はない。

「帰ろ」

そう呟いた時、ロボットの目が光った。ギシギシと音を立てて手足が動いている。

えっと? あの? お目覚めですか?

「魔道士ノ紋章識別、完了」

「もしもし?」

「識別、魔道士。排除ヲ開始スル」

「ウソでしょ?」

ロボットが本格的に動き出して立ち上がった。大きさは二十メートル近くで背中に酸素タンクみたいなものを背負っている。

腕から伸びるパイプから冷気が噴出して、フロア中に広がった。

「つめたぁっ!」

「マテリ! 何があった!」

「ミリータちゃん! 何もしてないのに動いちゃった!」

ミリータちゃんとフィムちゃんが駆けつけてくれた。ロボットの眼光は完全に私達を捉えている。

私が何をしたというんですか。もしかして機神ってこれのこと?

あの腐れ魔道士協会、こんなもん探してたの? 頭おかしいんじゃない? どう見ても制御不能でしょ。

「おめぇ! 古代魔道士のタトゥーが光ってるべ!」

「え? あぁ、いつか手に入れたやつじゃん……これのせい?」

確かになぜか光ってる。これのせいで動いちゃった? ロボットは完全にやる気だけど、ミッションが出てこない。

「敵戦力、データスキャン完了。レベル100以下二名、脅威度C。レベル100以上一名、脅威度B。殲滅予想時間1分12秒」

やだ、私達のレベル低すぎ? そんなに戦力差があるなら尚更、やってられない。

なんでミッションも出ないのに1分ちょっとで全殺し余裕とか宣言してる奴を相手にしなきゃいけないのか。

バトルキングには悪いけど、さすがの私も命のほうが大切だ。

大体、私は聖女でもなければ女神じゃない。正義の味方でもない。か弱い女の子だから――

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ミッション発生!

・ゴーレム・グレイゴリーを討伐する。報酬:魔法のパーツ

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「悪しきゴーレムめぇぇぇこの世界は好きにさせなぃーーーーーー!」

「ミッション開始だべ!」

大いなる力には責任がつきまとう。力を持っている以上、立ち向かわなきゃいけないものがある。

私達は決してそれを忘れてはいけない。望まない聖女だとしても。女神と崇められようとも。

私が持っているものは力だ。脅威に立ち向かえるのは誰? 私だ。そこに報酬があるからなんて反吐が出る。

「私は皆を守るゥアァーーーーー! ファイアッボォーーーーー!」

「うらぁーーーーーー!」

「炎熱剣ソォォォォーーーードォォォーーーー! インフェェェェルゥゥノァァァーーーーーーーッ」

ゴーレムにファイアボォを連発して、ミリータちゃんの槌が頭部に直撃! フィムちゃんの無駄に長いかけ声の魔法剣!

すべてが命中すればゴーレムだって怯むけどなんかまだ向かってくるうっざぁーーーい!

「損傷率45%。敵戦力想定外。再スキャン試行。命中率、角度・誤差修正込み93%、フリージングブラスト」

冷凍ビームみたいなのが放たれた上にゴーレムの周囲が凍り付いていくぅ!

ひんやりして気持ちいいぃ! 今、何かしたぁ?

一撃で倒れないなんて久しぶりすぎて腹立つ! こいつぁなかなか面倒な報酬だぁ!

「ファファファファファファボァーーーーーー!」

「損傷率76%」

「おらぁーーーー!」

「損傷り」

「ウォータタタタタタタタウォタウォタウォタタタタァーーーーーー!」

フィムちゃんのウォーターボールとかすっかり忘れてた!

ゴーレムがバチバチと音を立てて装甲が剥がれてぇ! 腕が落ちてぇ!

「損、傷率99%、ダメー、ジ、超、過……。敵戦力、未知数……機密、保持、ノタメ、自爆」

「めんどくさいからさせないぃーーーーーーファッボッアァーーーーーーール!」

自爆とかさせずに跡形もなく消していくぅ!

おかげでゴーレムが火の球に飲み込まれるようにして完全なる残骸と化す!

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ミッション達成! 魔法のパーツを手に入れた!

効果:魔道車に使うと強化できる。

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「正義完了ゥーーーーー!」

「オラ達のッ! 勝ちだッ!」

「さすが師匠ッ!」

長い死闘の末、私達はまた一つ平和を守った。

それにしてもタフだったなぁ。だいぶ前に戦ったアズゼルより強いかもしれない。

そりゃ死闘になるよ。まさに一進一退の攻防だった。

それとゴーレムだっけ? RPGじゃ定番だけど、どっちかといえばロボットに近い見た目だった。

私が一息ついていると、ミリータちゃんがほぼ全壊したゴーレムを回収している。

「それ持っていくの?」

「貴重な資料だからな。こんなもん作る技術なんてドワーフですら持ってねぇ」

「古代帝国とかいるのかなー?」

「古代魔道士のタトゥーに反応してたからな。魔道士に恨みがある奴らが作ったんでねえか?」

まぁそういう壮大な背景はどうでもいいとして、魔法のパーツだ。

これ意外とレアなんだよね。魔道車がパワーアップするはずだから使ってみよう。

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魔道車が強化された!

攻撃力が上がった!

装甲が上がった!

機動力が上がった!

魔道車の装備が増えた!

ミサイルが追加された!

レーダーが追加された!

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「わぉ! ミサイルだってさ!」

「そ、それよりレーダーだって!? 何が探索できるんだ……おぉ!」

ミリータちゃんが運転席に戻ってレーダーを確認した。すると周囲にいくつかの反応が光の点で示されている。

大小様々で色も違う。小さい光と大きい光には何の意味があるのかな?

「これはいいもんが追加されたかもしれねぇ! うまくいけば無駄に掘らずにすむ!」

「使い方はまだよくわからないよね。やりながら覚える感じ?」

「そうだな。そこはしょうがねぇ」

「ミリータちゃん、よろしく」

これで発掘作業が捗るならとんでもない収穫だ。ミリータちゃんが一度、ゴーレムについてバトルキングに報告したいというから戻ろう。

ちょっと不安だったけど発掘作業、面白いじゃん。今みたいなのが眠っていてミッションが出るなら、どんどん狩ろう。