軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

友情と報酬、どちらも大切です

「ラダマイトのツルハシが完成しただ!」

連日のようにミリータちゃんがラダマイト鉱石の鍛冶に勤しんでいる。

ラダマイト製の武器や防具、発掘作業の道具が次々と完成しいく。それらをドワーフ達が手にとって感心していた。

かなりの重労働のはずなんだけど、ミリータちゃんはちっともつらそうに見えない。

むしろ鍛冶をしている時のミリータちゃんはミッションが出た時と同じくらい生き生きとしている。

そんな様子をミリータちゃんのお父さんとお母さんが複雑そうな顔で見守っていた。

場所は王宮にある鍛冶場、私達は遠巻きにミリータちゃんの仕事を眺めている。

「忙しそうだなぁ」

「残念そうだな?」

「そんなことないよ、ウガールさん。友達が必要とされてるんだから、私だって嬉しいよ」

「ミッションも報酬も出ないから暇なだけなんじゃねえのか?」

ひどくない? いくら他人のスキルと効果がわかるからって、そんなあり得ないことを言うなんて。

友達の成功を喜ばない人なんて人間じゃないし、こんな時までミッションだの報酬だの考える人間はいない。

でもまぁ、そろそろ私としては依頼された発掘作業に行きたいと思う。

「師匠。ここはミリータさんに任せて、発掘のほうに行かれては?」

「そうだね。ここにずっといても私達じゃ何の役にも立てないからね」

「そうです! 師匠は世のため、人のために戦うのが使命ですから!」

「う、うん」

フィムちゃんは未だに私を何だと思ってるんだろう?

でも大体は合ってるかな。私は何もミッションや報酬のためだけに戦っているんじゃない。

こうして友達を見守る心を持っている。それを証明するために目的の坑道に行きますか。

* * *

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ミッション発生!

・フレイムモールを討伐する。報酬:邪炎の玉

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「ちぇありゃぁーーーー!」

坑道で発掘作業を始めようとしたら、さっそく平和を脅かす魔物が出てきた。

杖で叩き殺すと見事に魔物討伐に成功したみたいで――

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ミッション達成! 邪炎の玉を手に入れた!

効果:かつて邪神の一部だったもの。灼熱の魔力を帯びている。鍛冶屋に持っていこう。

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「これでまた一つ、平和が保たれたね。見たこともない魔物だったなぁ」

「さすが師匠! 悪に対する正義感が成せる功績です!」

これは鍛冶のアイテムか。ミリータちゃんなら何かに使ってくれるかな?

これは後で持っていくとして他にも報酬が、いや。平和を脅かす魔物がいないか確認しながら発掘作業をしないと。

魔道車に搭載されたドリルで私達は発掘作業を進めている。面白いようにガリガリと地盤を削っていけるから、見ているだけで気持ちいい。

しばらく経つとガゴンと音がしてドリルが止まった。

「何か埋まってるのが見えるね。このドリル、もしかして発掘品を傷つけないようにわざと止まった?」

「見てみましょう!」

魔道車を降りて確認すると、それは石板だった。土を払ってから書かれている文字を見たけど、さっぱりわからない。

異世界に来てから私はなぜかこの世界の文字を読めるようになったけど、それでも見たことがない文字だった。

フィムちゃんに手渡しても、首を傾げている。

「大昔の文字か、もしくは私達とは違う文明の文字なのかもしれません」

「そういうのは専門じゃないからどうしようもないね。鍛冶の素材に使えるかもしれないし、持って帰ろう」

貴重なものが眠っている可能性があるというから期待したけど、これじゃテンションが上がらない。

ミッション以上にムラがある。こりゃ安易に引き受けたのは失敗だったかな?

と、考えていると坑道の奥から足音が聞こえてきた。歩いてきたのはローブを羽織った男だ。

鼻や耳にピアスをして全体的にちゃらい。そしてあのローブに刻まれたシンボルは魔導士協会。うわぁ、最悪。ミッションも出やしない。

「おや、こんなところに女の子がいるじゃん。まさか君達まで発掘作業をやらされてんの?」

「フィムちゃん。帰ろうか」

「いやいやいや、ちょっと待ってくれよ。俺も道に迷ってさー。それは珍しい乗り物だね。俺も乗せていってくれね?」

「さようなら」

「ん? いや、その石板……。ちょっと見せてくれ」

存在を認識せずに帰ろうと思ったけど、読めるなら話は別だ。いつミッションが発生してもいいように、杖だけはしっかりと握りしめた。

「こ、これは! なるほど……そうか」

「それがどうかしたんですか」

「どうやらこの辺りに地下深くに眠る神の泉があるっぽいな。神の泉というのは魔導士協会でも探していたんだよねー」

「そうですか。さようなら」

「このドンチャッカ国の地下には未だ未発見の文明の遺物が眠っている。それを見つけるのも仕事なんだよね。どうだろ、その石板って譲ってもらうことはできる?」

「できませんね。さようなら」

無視して魔道車に乗り込むと舌打ちが聞こえた。

「そうかい。だったら力づくで」

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ミッション発生!

・グレイを討伐する。報酬:エンチャントカード・旅人

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「レーザー発射ァァァーーーー!」

「ぬわぁーーーーーーー!」

魔道車に搭載されたレーザーを放つと、坑道を突き抜ける勢いでグレイに直撃した。

光に飲み込まれたグレイが焼け焦げながらぶっ飛んだ後、ぷすぷすと煙を立てたまま動かなくなる。

いや、ここまで強力だとは思わなかった。もう戦闘兵器でしょ、これ。

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ミッション達成! エンチャントカード・旅人を手に入れた!

効果:訪れた場所の数が多いほど与ダメージが上がる。

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「おあつらえ向きのバッフバフゥゥーーーーーーーー!」

「さっっっっっすがっ! しっしょおぉーーーーー!」

フィムちゃんも報酬の良さに感動したか。そりゃそうだよね。報酬を前にして喜ばない女の子はいない。

これぞ旅の醍醐味だし、報酬がなければ旅なんてしない。誰だってそうだ。

発掘作業はリターンが少ないなんて考えていたけど、魔道士の話によればあの人達も地下に眠るものを狙っている。

つまり発掘作業をしていれば、魔道士協会もやってくる。

「フィムちゃん。発掘を続けようか」

「はい! 一日でも早く、邪悪なるものを呼び寄せる原因をつきとめましょう!」

ほら、フィムも報酬が楽しみでしょうがない。この石板といい、地下には何が眠っているのかな?

石板でも邪神でも何でも出てきなさい。