軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

私は勇者の師匠ではありません

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シューバンの町に到達! 魔法のパーツを手に入れた!

効果:魔法のコテージに使うと強化される。

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「うーむ! これは楽しみだ!」

「……恐れ入りました。師匠」

町のカフェで私達は一息ついていた。

で、この魔法のパーツだけど。歯車みたいなパーツだし何をどう使うのかわからない。

強化というと防御面が上がるとか?

いや、設備が増える可能性もある。

今のコテージ、実は私とミリータちゃんが一つのベッドを使っている。

これがもし増えるとしたら?

「ボクに一切、戦闘をさせないということはまだまだ未熟と言いたいのですね」

「ミリータちゃん。魔法のコテージで何が足りないと思う?」

「ベッドが足りんなぁ。あと風呂も狭い」

「だよねぇ」

二人が利用するには少し狭いと思っていた。

でも下手な宿屋を利用するよりはかなり快適だ。

おかげで宿泊費もだいぶ浮く。

「確かにボクはまだ未熟かもしれません。しかしこれでもそれなりに鍛えた身……今一度チャンスを!」

「え、なんて?」

「ですから師匠に力を認めてもらうために今一度だけチャンスを!」

「師匠の件含めて何一つ認めてないんだけど」

このフィムちゃんはエルフみたいで、見た目は私達と変わらない。

でも少なくとも十年以上はあの森で修業をしていたみたいだから、実年齢は高いと思う。

未熟も何もミッションが発生したから討伐しているだけだ。

勝手についてきてるこの子が意味不明なだけです。

「ではどうか認めてください! この未熟なボクを鍛えてください!」

「あのね、私は別に戦いのプロでも何でも」

「た、大変だぁーーーー! ま、魔王軍四天王が直々にきたぞぉ!」

報酬きたぁーーー!

急いで外に出ると、そこには炎をまとった悪魔みたいなのがバッサバッサと飛んでいた。

アズゼルと同じ種族かな? ちょっと似てる。

そして周囲では冒険者達が武器を構えていた。

「フ……少し遊びにきてみれば、どれも煮え切らぬ三下ばかりではないか」

「お前こそ、勇み足だったな」

「なに?」

一際、前に出たのはあの紅の刃のリーダーだ。

ドテなんとかの時に出会ったあの一級冒険者パーティで、蒼天の翼とはライバルだったかな。

私達には気づいていないみたいだ。

「ここは魔王城にもっとも近い町、そうなれば集まるのはいわば人間の中でも精鋭達だ。だからお前は選択を誤った……。何せここで俺達に」

「ブレイジングストォォォーームッ!」

「ぐあぁぁぁーーーー!」

リーダーもろとも炎の竜巻に包まれた。

竜巻からはじき出されて建物に激突して、焼け焦げてぐったりしている。

なんとなくそんな予感はした。

「下らん! これが人間の精鋭だと? いいか! 我らを滅ぼそうとするのであれば、まったく足りんぞ!」

「あ、あの紅の刃が一瞬で……」

「四天王一人でも一国を滅ぼせるほどの力を持つと言われている……。や、やばいぞ」

誰もがびびって挑もうとしない。

私としてはいつまでも発生しないミッションに苛立っていた。

モチベーションがまったく上がらない。

ミッションがないとこれほどまでにだるいとは思わなかった。

魔物討伐なんてやってられないほどにだるい。

でもなぁ、これ放置したらやばそうでしょ?

ていうかなんで四天王直々に攻めてきてるの? 暇なの?

「これでは暇つぶしにもならんな」

「やっぱり暇なんかい」

「ん? 貴様、何か言ったか?」

「あ、何も」

聴こえてた。迂闊に突っ込むのも考え物だ。

はて、さて。はて、さて。

これはもしやロックオンされた?

完全に戦う流れだし、かといってモチベーションが上がらないし。

ミリータちゃんもなぜかつまらなそうにしてる。

一体誰に似たんだか。

あ、そうだ! いるじゃん! レベル99の子が!

「フィムちゃん。あいつと戦ってみない?」

「ぼ、ボクがですか!?」

「うん、嫌ならいいけどさ」

「師匠、ようやくボクにチャンスをいただけたのですね」

ん? そういうことになっちゃうかな?

まぁいいか。仮に負けそうだったら加勢すればいい。

さすがの私でも、誰かのピンチとなればやる気くらい出るでしょ。

「四天王、滅炎のレイムゲイル! 勇者としてお前を成敗します!」

「む? フフ……なるほど。少しはマシなのがいるようだな」

当然のように名前を知っていたフィムちゃんが剣を構えた。

レイムゲイルが不敵に笑った後、片手を動かす。

「勇ましさは良し! だが散るのは貴様だ! ブレイジングストォォーーム!」

「冷凍剣……ソード・コキュートスッ!」

「なにッ!」

冷気を帯びた剣で炎の竜巻が斬られて、その勢いは止まらない。

そしてレイムゲイルの胴体が真っ二つになり、それぞれ徐々に氷漬けになっていった。

「バ、バカ、な……」

凍ったレイムゲイルが地面に落ちて砕け散る。

剣を収めたフィムちゃんがふぅと一息、踵を返して私に笑顔を向けた。

「ど、どうですか! 師匠!」

「……まぁまぁだね」

澄ました顔で評価しちゃったけど、ここまでとは。

フィムちゃんは大はしゃぎで私に認めてもらったと喜んでいる。

そして気がつけば周囲の反応だって変わるわけで。

「あの子が国王から魔王討伐を任された勇者だったのか……」

「そしてあっちの女の子が師匠?」

「あ、あそこまで強くなるまで育てたってのか!」

また何か凄まじい誤解が広まってる。

いや、もういいよ。報酬がない時点で本当にどうでもいいです。

なんでミッション出ないのさ。