軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ボス戦はお宝

あれから鉱山内を探索すると意外にも遭難者がそこそこいた。

発掘されてない鉱石がたくさん眠っている可能性があるから、冒険者達の間だと人気のダンジョンらしい。

それだけに帰らぬ人となる場合があるから、実はそこら辺に遺留品や人骨がある。

さすがに遺留品に手をつけるような感性は持ち合わせていないからスルーした。

物欲の聖女にも理性はある。

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新たなミッションが発生!

・ドテツコロトン228Tを討伐する。報酬:闘神の槌

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「ドテ……?」

「どうかしただか?」

「ドテツコ……みたいな魔物の討伐ミッションがきた」

「ドテツコロトンか? そりゃ警備用の魔道機だ。人がいなくなっても動き続けて暴走してるだ」

整備の手も入らないから故障して手がつけられないで放置されることがあるらしい。

厄介なのが割と強いという事実。

型や作られた時期にもよるけど大体強いとのこと。

装甲は多少の劣化があるけど、モノによっては魔法耐性がある。

「解体してパーツを売り飛ばせば金になるだ!」

「じゃあ、いっちょ稼ぎますか!」

少し開けた場所にそれはいた。

金属の車輪がいくつもついてて、正方形の形をした自走砲台みたいなものがせわしなく動いている。

カタカタと揺れながら侵入者を撃ち抜きたくてしょうがないように見えた。

私が先制でファイアボールを連発して、ミリータちゃんが一気に距離を詰める。

「てぇぇっりゃあぁぁぁ!」

ミリータちゃんのハンマーがガツンと当たり、私も続けて接近。

剛神の腕輪を装備した杖による殴打は一撃でドテなんとかの形を変えた。

プスプスと故障した様子を見せたから安心したけど次の瞬間、砲身から何かが射出された。

「いったぁ! こいつ、やったなぁーーー!」

プロテクトリングと高い防御のステータスのおかげでそこまでのダメージはない。

ヒラリボンがあっても完全に回避するわけじゃないから、ここが少し怖いところかな。

ドテなんとかは回転しながらでたらめに光線を放ち、たまに火炎放射を織り交ぜてくる。

頭にきた私は今度こそ杖でドテなんとかに強烈な一撃を与えた。

バチンと音がして次の瞬間――。

「これ離れたほうがいいやつ!」

バックステップして離れたと同時にドテなんとかが盛大に爆発した。

散らばったパーツと剥げて動かなくなった本体を見て、ようやく落ち着く。

「意外と」

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ミッションクリア! 闘神の槌を手に入れた!

効果:攻撃+400

レベル1につき攻撃に+40される。

ドワーフが装備した場合、速さに+50される。

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「闘神の腕輪と同じ効果がぁっ!」

「こ、こ、これ、オラが使っていいか!」

「いいよ、ぜひ使うべ!」

なんかまたテンションがおかしなことになってる。

そうか、特定の種族用の装備品があるのか。

これでミリータちゃんの攻撃はいずれ私を超えるはずだ。

「えーへへ! オラ、これ気に入っただ! すげぇ手に馴染むだ!」

「私のスキルで喜んでもらえてよかったよ。より物欲が高まる」

ミリータちゃんが槌を振り回して大喜びだ。

私もそろそろ火宿りの杖以外の武器を新調するべきか。

今のドテなんとかは意外と硬かったし、たぶん魔法耐性もあった。

「お、お前ら……それを討伐したのか?」

「はい? あ、冒険者の方々? 討伐したよ」

ふと気づくと、新手の冒険者ご一行がいた。

かなりボロボロの様子で、炎で焼かれた跡を見るにたぶんドテなんとかと一度戦ったのかな?

「ウ、ウソをつくなよ。物理も魔法も効かないのに討伐なんかできるわけない」

「そうよ! 現に私達もまったく敵わなくて命からがら逃げたのよ!」

「一級冒険者パーティ『紅の刃』といえば聞いたことがあるだろう?」

そう言われましてもここに討伐した事実があるわけで。

たぶん高すぎる防御と魔防、もしくは魔法耐性のせいで効いてないんだと思う。

一級冒険者達すら退かせるほどの相手を私達は討伐したわけか。

自覚がないまま、気がつけば私達はとんでもなく強くなっていたのかもしれない。

「オラ達が討伐したに決まってるだ! 言いがかりはやめるだよ!」

「うんうん、ミリータちゃんの言う通りだよ」

「よし、じゃあアレをするしかないな」

なに、もしかして襲ってくる流れ?

ミッションが出てない戦いとか無駄でしかないからやめてほしい。

リーダーの一人が少女に何かを促している。

そして片手をこちらに広げて――。

「 分析(サーチ) !」

魔法かな?

私達の何を知ろうというのかな?

「あ……あぁっ……こ、この、ステータス……」

「は、はぁ……? なんだこれ! 攻撃が600超え!?」

「くっ! こいつら、本当に何者だ!」

なんか勝手に覗かれてる気がする。

そういう魔法なんだろうけど、あまり気分はよくない。

喩えるなら家の冷蔵庫を勝手に開けられてあれこれ言われた感覚に近い。

「あー、さすが一級だなぁ。 分析(サーチ) を使えるとはお利口だ」

「ミリータちゃん、その魔法って全員に情報が共有されるの?」

「上位の魔導士なら可能だべ。事前に相手の薄い耐性なんかも知ることができるから、とんでもねぇ魔法だよ」

「いいなぁ。そういうの使えるアイテムがないかな? もちろん無制限でさ」

呑気に会話している私達がより恐ろしく感じられたのか、紅の刃の皆さんは警戒態勢だ。

誰も襲いませんから。

「あの、皆さん。どけてもらえる?」

「どこへ行く気だ!」

「いや、まだ探索するからさ。あ、外に出たいならミリータちゃんに脱出の手順と地図を書いてもらえるよ」

「そんなことが可能なのか! やはり只者じゃない!」

なんかいつまでも警戒しているから放置して先へ進もう。

ミリータちゃんとドテなんとかのパーツの回収をすると、その一挙一動を一級の人達が目で追っていた。

もういいから帰りなさい。